宅間孝行 作演出を手掛けるタクフェスが10周年を迎え、`23年10月よりタクフェス第11弾『晩餐』が全国巡演。東京公演は12月8日よりで締めくくる。
『晩餐』は、タクフェス第1弾で`13年に初演をしたのち、一度も再演をしておらず、 10周年を記念して満を持しての上演となる。宅間孝行自身も最高傑作と自負する伝説の作品。
舞台は井の頭公園に隣接したシェアハウス「イノヘッド」。そこに60年後の未来から天才少女が発明したタイムマシンで、幼い頃に亡くした母に会うため、おっさんとおばはんがやってくる。自らの身元を伝えることは決して許されないため、宇宙人や旅芸人として疑われながら、イノヘッドを混乱の渦に巻き込んでいく。タクフェス版BACK TO THE FUTURE!家族愛をテーマにしたハートフルコメディの決定版だ。
父親・高槻純二役は永井大、母親・山科舞子役はWキャストで入山杏奈と高柳明音。
物語のキーとなる天才少女・中野たまには、実写版『ちびまる⼦ちゃん』で主演を務めた森迫永依が演じる。シェアハウス「イノヘッド」の住人として、お笑い芸人ハマカーン浜谷健司、広田亮平、大藪丘、劇団EXILEの櫻井佑樹、中野恵那、菅原ブリタニー。未来からやってくるおばはん・高槻氷見子役は、2010年『くちづけ』以来の出演となる加藤貴子。作・演出を手掛ける宅間孝行は、おっさん・高槻耕太郎役を演じる。
最初に恒例の前説、本番ではこの前説は開演20分ぐらい前から始まるので、これを聞きたい方は早めに席についておきたい。「大きな声で笑っていただければ」と宅間孝行。セットの説明、後は井の頭公園、1階は3LDK、2階のベランダに洗濯機、部屋、それぞれ住んでいる、という設定。「映像から始まります」と宅間孝行。「タクフェス」では珍しい始まり方。
映像でキャスト名が映し出され、バックの映像は味噌汁。この味噌汁は物語で重要な役割を担っている。コミカルな映像、宅間孝行と永井大が(笑)、ここは大いに笑いつつ、重要な鍵になるので、ちょっと覚えておこう。キャストが登場、管理人を演じる浜谷健司が面白すぎる(笑)、菅原ブリタニーも面白い、ここは大いに笑って。そこへ…タイムマシンで未来からちょっと歳のいったおっさんとおばはん、おっさんは高槻耕太郎(宅間孝行)、おばはんは高槻氷見子(加藤貴子)、いかにも現代とは全く違う服装、一目で「現代人ではない、未来人」とわかる。
だが、未来から来たとバレないようにかなり必死に取り繕う。この取り繕い方が抱腹絶倒、宇宙人だったり、旅芸人だったり(笑)。高槻耕太郎の本当の目的は幼い頃に亡くなった母親に会うため。妻と天才少女・中野たま(森迫永依)と共に現代にやってきたのだった。そして父・高槻純二(永井大)にも出会う。純二はまだ若いので、宅間孝行とのやりとりがちょっと可笑しい。若い父と母、ちょっと涙する息子。本当に素性は言いにくく、言ったところで信じてもらえそうにもない。そんな、こんなの状況、シェアハウス「イノヘッド」はちょっとした騒ぎになる予感。訳ありな三条弥彦(櫻井佑樹)、可愛い江田島安芸(中野恵那)、いかにも勉強できそうな大牟田くん(広田亮平)、テンション高いナタリー(菅原ブリタニー)、事件がなくても賑やかというか騒々しい、楽しそうなシェアハウス(笑)。
だが、だんだんと真実を知る高槻純二、最初は「?」だったが「?!」から「!」になる過程、真面目で純粋な性格ゆえに悩む。永井大が人の良いキャラクターを構築して好演。ゲネプロは山科舞子役は入山杏奈、料理下手女子だが、一生懸命に作る姿が可愛くもいじらしい。サイドストーリーも見逃せず、途中でスリリングな場面も用意されている。三条弥彦がまさかの暴挙に、大藪丘演じるキャラクターが「そうだったのか」な職業、ドキドキシーン。
後半は泣ける展開、涙なくしては観れない場面が用意されている。そして「タクフェス」なので、バッドエンドにはならないので。なお、山崎静代が映像のみで出演している。家族の愛、恋愛、様々な『愛』が詰まっている。時空を超えての絆、最後の映像で温かいものが沸き起こるはず。明るく楽しい未来に繋げる行動、笑顔の終幕。
ゲネプロのあとは会見、皆揃いのTシャツで___
「新しい『晩餐』ぜひ観にきてください」と宅間孝行が挨拶。永井大は「大阪公演、11月の16日から入りまして、そこから参加させていただくという形で、ここから東京公演・千秋楽の12月17日まで必死に走り切りたい」途中参加を感じさせないくらいの完璧さ。
入山杏奈は「個人としてはAKB48を卒業して恋愛解禁していいます。『入山こんな恋愛してるんじゃないかな』と見られるのではないかと思います」、物語は高槻純二と山科舞子が付き合っている、という設定。舞台上ではラブな様子が描かれている。この発言で場が盛り上がる(笑)「いいんじゃないでしょうか」と浜谷健司が”合いの手”。高柳明音は「3回しかないので…どっちも観ていただけると。愛知県出身なので名古屋弁バリバリで。私もAKB48を卒業して恋愛解禁してます。こういう恋愛してるのではないかと思ってもらえる」と発言し、ステージ上も客席も笑いが起こった。
加藤貴子は「10年前に生で観ています、感動しました。その作品に立ててるのは本当に幸せ」、森迫永依は「愛が詰まってる作品、何回観ても心が暖かくなる、東京公演、ちょっと寂しい気持ちです」、浜谷健司(ハマカーン)は「素晴らしい作品、観にきていただきたい」、広田亮平は「これほど、皆さんと長い時間を過ごすのは初めて。精一杯がんばります」、大藪丘は「この作品はすごく好きで、映像で見せていただいたんですけど、皆さんに知って欲しい、公演も半分終わってキャストも変わりまして、でも無事に。このメンバーでできることを感謝しています」、
櫻井佑樹は「地方公演、旅、温かいお客様…まだまだブラッシュアップして頑張っていきたい、僕自身はすでに寂しい、終わりに近づいているので…千秋楽までがんばります」、中野恵那は「『晩餐』は宅間さんの最高傑作ということで、オーデションで役をつかむことができました。初めは不安な気持ちでいっぱいでした。お客様と作る舞台、こんなに舞台って素敵なものだなと思っています。素敵なキャストさん、スタッフさん、残りの公演、がんばっていきたい」と感無量。菅原ブリタニーは「色々な家族の形がありますが、本当に温かい気持ちになれる作品です。この素敵な作品のスパイスになれるようにがんばります」
一通りの挨拶が終了。長丁場、「3ヶ月以上、一緒にいたわけですが、名古屋公演終わって食事に行ったらもう号泣してるやつがいて『東京公演終わってないぞ』、みんなセンチメンタルになってるんで。ビシッと頑張っていきたい」と宅間孝行。それだけチームワークが良い証拠。永井大が「僕は短かったんですけど、いろいろ教えてくださる周りの方たち、協力してくださったり。こういうカンパニー、そういうチームじゃないと。僕も正直、不安がめちゃくちゃあったんですけど、周りの方たちに支えていただきながら、大阪公演に無事に立つことができました。本当に皆さんのおかげだなと思うのと、最初は本当に不安があったんですけども、この短い期間でできるのかなって不安はあったんですけど、本当にその辺も宅間さんを含めて皆さんに支えていただきました」と言ったところ、宅間孝行が「こんな永井大、観たことない(笑)謙虚に、謙虚に、若手たちに全部教えを乞うてみたいな感じで、見たことないくらい優しい男。永井大は「みなさんお若いので、ジェネレーションギャップと言いますか、年齢的にもちょっと違いがあって。コミュニケーションがね。なかなか取っていないので。その中で板の上でというか、舞台の上でどういった感じで、お互いリアル・生に、生きられるかっていうのを今回はテーマにしているので。すごく新鮮な感じで板の上で出会えるような。そんな感じで、敢えて距離感を取っているところはあると思います」とコメント。これにはツッコミがわちゃわちゃ。
そこから宅間孝行が札幌公演の時のことを「札幌公演の帰りが、朝ホテルから新千歳空港までバス移動だったんですけど、永井が1人でコンビニに行って、お酒買って帰ってきて『皆飲め!』朝11時ですよ、飲みました」と暴露。永井大は「(移動時間)長いんで、コミュニケーション取ろうとして…」と。またWヒロインについての質問、2人が答える前に「もうばちばちですよ、ひとりの男を取り合って」と宅間孝行、2人とも「いえいえいえ」と否定(笑)。
入山杏奈は「グループ時代はあんまり交流とかがなかったんですけど、今回こうしてご縁で共演することになって。本当に2人でLINEとかずっとし合って、今日こういう変更が出たよとか、ここはこうやってやった方がいいみたいとか。そういうやり取りを常に取り合って、すごく高柳ちゅりさんとの距離が縮まったなと思っています…変な意味で意識しすぎていないというか。お互いの舞子が先ほども言っていた通り、けっこう違う設定、出身地が違ったりして違うので。ばちばちするっていうよりかは、お互いの得たものを共有していって、いいものを作っていこうみたいなスタイルでやっています」と稽古の様子を。高柳明音は「タクフェスに参加するのが初めてで、杏奈ちゃんはもう3回目だったので、本当に心強かったです。『タクフェスというのはなんぞや』っていうのをまず聞いたり。稽古場の雰囲気とかも、最初はみんなから『明音さん』『明音ちゃん』と呼んでくれていたんだけど、杏奈ちゃんが『ちゅりさん』って言ってくれたらみんなが『ちゅりさん』ってなっていって。それでさらにみんなとの仲も深まったなって思っているので、本当にWキャストで良かったなって思ってますし、個人的には杏奈ちゃんに、メキシコをいつか案内してもらうっていう約束をしているので。『タクフェス』が終わったらメキシコを案内してもらいたいなと思っているくらい、本当に私は心を許しています。楽しみです、はい」と旅行を心待ちに。作品についても「この作品は愛があるので、おわったらお父さんとちゃんとコミュニケーション取ろうって改めて。名古屋公演が終わった時にお父さんと飲んだりして家族の向き合い方が、人生変わったなと、感謝しています」と語る。また入山が「宅間さんが芝居つけてくれる時『めちゃ可愛いな』と」いい、
浜谷健司(ハマカーン)に「台詞は台本通り?」という質問が「全て台本通りです」とのこと(やりたい放題に見える(笑)ただ、入山が手を、皆笑い(笑))
最後にPR。
宅間孝行「ステージってこんなに自由なんだって思ってもらえるように。新しい体験を」
永井大「家族だったり、恋愛だったりの人間模様…本当に素晴らしい作品になっています。1人でも多くの方に来ていただいたいと思っています。ぜひ、足をお運びください!」
概要
タイトル:タクフェス第11弾『晩餐』
出演:永井大 入江杏奈 高柳明音(Wキャスト) / 森迫永依 浜谷健司(ハマカーン) / 広田亮平 大藪丘 櫻井佑樹(劇団EXILE) 中野恵那 菅原ブリタニー / 加藤貴子 / 宅間孝行
作・演出: 宅間孝行
日程会場
飯能:2023年10月7日(土) 飯能市市民会館 大ホール
仙台:2023年10月15日(日) 電力ホール
大阪:2023年11月16日(木)〜11月19日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
札幌:2023年11月24日(金)〜11月25日(土) 道新ホール
名古屋:2023年12月1日(金)〜12月3日(日) 名古屋市公会堂
東京:2023年12月8日(金)〜12月17日(日) サンシャイン劇場
協力:テイクオフ
企画:タクフェス
製作:エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ