華麗なアクションと独自の映像美で鮮烈な印象を残す、 香港映画の傑作『男たちの挽歌』(1986年)が音楽劇になり上演。
『男たちの挽歌』は、過酷な環境のもと、裏社会で生きざるをえなかった男を中心に、刑事となった弟との葛藤と絆、同じくはぐれ者として生きる親友との繋がり、それぞれの“信義”のあり方を描く物語。激烈で華麗なガンアクション、 “バイオレンスの詩人”と謳われたジョン・ウー監督ならではの映像美、そしてチョウ・ユンファ、ティ・ロン、レスリー・チャンら個性豊かな俳優たちの演技で大ヒット。クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲス、ウォシャウスキー姉妹など、次世代のクリエイターにも多大な影響を与え、アクション映画の名作。
舞台版のオリジナル脚本、演出は、『焼肉ドラゴン』(`08年初演)をはじめとする在日三部作のほか、『泣くロミオと怒るジュリエット』(`20年)、『てなもんや三文オペラ』(`22年)『欲望という名の電車』(`24年)、など、一貫して、社会の片隅で力強く生きる人々の姿を描き続けてきた劇作家・演出家の鄭義信。
今回は時代設定を天安門事件(1989年)~現代に移し、原作の核でもある兄弟愛や友情のドラマ、人と人がぶつかり、つながるパワフルなエネルギーはそのままに、香港の現代史を踏まえた、大きな社会のうねりを体感できるドラマを立ち上げます。
香港を代表するスターの競演も印象に残る原作を踏まえ、W主演をつとめるのは、Travis Japanの松倉海斗、川島如恵留。
映画ではレスリー・チャンが演じた弟・キット役には松倉が扮し、兄への反発から正義感を燃やす青年の繊細さと情熱とを表現。同じくチョウ・ユンファが演じ、二丁拳銃を手に敵地に乗り込む姿をはじめ一挙手一投足が注目された兄の親友・マーク役は川島がスタイリッシュな振る舞いの中にも熱い情を抱く男を体現。
さらに、主演の二人を支える俳優陣にも実力派が集結。物語の柱を担うホー役を劇団EXILEの青柳翔。岡田義徳、尾上寛之、上瀧昇一郎、清水優、中村まこと、福井晶一、神保悟志と個性豊かな面々。
コメント
脚本・演出 鄭義信
映画で描かれた兄弟愛や友情といったテーマは、今でも充分共感していただけると思いますし、何より、アクションもドンパチもあって、歌もあって、踊りもあって……とにかくワクワクできる芝居をつくりたい。あの香港ノワールの名作を観て「かっこいいな!」と思った気持ちを、お客さんと分け合いたいと思います。
映画の英題は『A Better Tomorrow』。誰もがよりよい明日を求めているんです。今回は天安門事件をスタート地点に、自由を求めて香港に流れ着いた主人公たちの行く末を描いていきますが、明日に希望が持てる物語にしたいと思います。
松倉海斗
原作の映画がとにかく、渋くてかっこよくて。ガンアクションも観ていて声が出そうなくらい迫力がありますし、好きなシーンがたくさんあって、それを自分が演じるのかと思うと、本当にワクワクします。
Travis Japan全員で舞台に立った経験はあっても、二人で主演というのは初めての経験なので、如恵留との絆もいっそう深まりそうですし、ほかの出演者の方々とも、熱く語り合いながら、この作品をつくりあげたいです。一つの物語の最初から最後まで、生のお芝居で届けられるのが、舞台のいちばん素敵なところ。そのためにも、ちゃんと軸を持って、舞台上で役として生きられるよう頑張りたいと思います。
川島如恵留
アクションもお芝居も、すべてがつくりこまれた傑作だからこそ、映画の世界だけで終わるのではなく、舞台化できることを嬉しく思います。音楽劇になるというのも大きな変化ですし、舞台のアクションシーンはどう演出されるのか、僕たち自身も楽しみにしつつ、稽古に、本番に体当たりしていきたいです。舞台は僕を育ててくれた“畑”のような場所。こうしてまた主演というかたちで立てるのは本当に嬉しいし、この作品を自分たちの代表作として、再演を重ねていければいいなと思っています。一寸の手抜きもなく、自分たちも、そしてもちろんお客様にも満足していただける作品にしていきます。
ストーリー
1989年北京。民主化運動に参加し、天安門事件で手傷を負ったホー(青柳翔)は、親友で弟分のマーク(川島如恵留)から、香港に渡って新生活を送ることを提案される。
7年後の1996年。ホーは、返還を目前に控えた香港で、マークと共に犯罪組織の三合会に加わり、偽札の製造、取引に関わっていた。病気の父・ディエンと学生の弟・キット(松倉海斗)を養うため、幹部として仕事をこなすホーだったが、キットの大学卒業と警官としての就職を機に足を洗うことを父に約束し、最後の仕事として台湾での取引に向かう。
だが、取引は密告されており、警察に取り囲まれたホーは、ボスの息子・シンを逃して、自首。一方、香港では、取引の失敗を受けた三合会が、口封じのためにホーの家を襲撃。ディエンは殺され、キットは尊敬する兄が組員だったことを知ってしまう。さらに事情を知ったマークは報復を決意、裏切り者の一派が集うレストランに単身で乗り込み、敵を皆殺しにするが、足を負傷してしまう。
8年の服役を経てホーは出所した。だがキットは父の死の原因をつくり、出世の妨げともなっている兄を受け入れようとはしない。それでもホーは和解を願い、今度こそ堅気となって穏やかに暮らそうとするのだが——。
概要
公演名称 音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』
公演日程・会場
東京 2024年6月24日(月)~7月8日(月) 日本青年館ホール
大阪 2024年7月12日(金)~7月16日(火) オリックス劇場
脚本・演出 鄭 義信
原作 映画『男たちの挽歌』 監督 ジョン・ウー
出演 松倉海斗 川島如恵留
青柳 翔 岡田義徳 尾上寛之 上瀧昇一郎 清水 優
中村まこと 福井晶一 神保悟志
加藤照男 進藤ひろし 松上順也 五味良介 羽鳥翔太 稲葉俊一 嶋村昇次 森野憲一 榊 海搭
音楽 久米大作
美術 石原 敬
照明 増田隆芳
音響 藤田赤目
映像 ムーチョ村松
衣裳 木場絵理香
ヘアメイク 宮内宏明
振付 青木美保
アクション 渥美 博
歌唱指導 石井雅登
稽古場ピアノ 佐藤拓馬
演出助手 山田 翠
舞台監督 榎 太郎
宣伝 宇都宮桃子 原田七海
制作 原佳乃子 藤本綾菜
制作統括 笠原健一 佐々木弘毅
プロデューサー 熊谷信也
制作協力 プラグマックス&エンタテインメント レプロエンタテインメント
企画製作 キョードー東京
主催 キョードー東京 TBS イープラス
公式HP: https://abt-stage.com/
“Based on the Film A Better Tomorrow owned by Fortune Star Media Limited”