「イケメン革命◆アリスと恋の魔法 THE STAGE Episode 黒のキング レイ=ブラックウェル」最高にして最強の魔法、それは恋、それは愛。

スマホ恋愛ゲームブランド『イケメンシリーズ』の『イケメン革命◇アリスと恋の魔法』の二度目の舞台化。
セットのお城がちょっとクラフト風でシンプルでありながらちょっとシックな色調、ファンタジックな曲調の楽曲、変化のある照明で幕開き、「お疲れ様でした!」と一人の若い女性、名はアリス(青木志穏)「帰らなきゃ」と言いすれ違いさまに人とぶつかる。ベージュの燕尾服を着たちょっと不思議な空気感の漂う男、時計を落とす、「落としましたよ!」・・・・ん?このネタは・・・・・誰もが知っている『不思議の国のアリス』だ。彼は大急ぎな様子、突然いなくなる。そしてアリスもまた・・・・・「あ〜〜〜」で『ここはどこ状態』、いきなり『お姫様だっこ』。彼の名はレイ=ブラックウェル(松村優)、アリスが迷い込んだところは科学の代わりに魔法が発達した世界、国を分かつのはトランプの紋章を掲げる『赤の軍』と『黒の軍』、レイは黒の軍の若きキング、俺様キャラでクールな面持ち。そこへ、赤の軍が、そこのキングはランスロット=キングスレー(丘山晴己)、カリスマ性を持ち、圧倒的な魔力を誇る。この対立に巻き込まれてしまうアリス、さあ、どうする?

ブラン=ラパン(室龍規)、通称白うさぎは言う「帰りたいなら、絶対にかかってはならない魔法が一つある」それは・・・・・「恋」。さらに次の満月の夜にならないと戻れないとも言われてしまう。さらに、さらに白うさぎは言う「君は不思議な力を持っている」と。とにかく元の世界に戻りたいアリスは「恋なんて絶対にしない」と心に誓う。元々、対立している赤の軍と黒の軍、「安心しろ。俺たちと手を取るかぎり、傷一つつけさせない」とレイに言われたアリスは黒の軍と行動を共にすることになったが・・・・・・。

基本的にアリスの恋愛アドベンチャーなのだが、それだけでなく黒の軍と赤の軍の対立も描く。よくわからないこの不思議な世界で懸命に生きるアリス、彼らの生き様に心惹かれ、中でもレイはアリスにとって気になる存在、それはレイとて同じこと。ちょっとしたほのぼのシーンを交えながら、ストーリーは進行する。アリスの力とは?黒の軍と赤の軍は?レイは「自由に生きていける国を!」と言う。キングの自覚を持ち、理想に燃える。そのためには戦うことをためらわない。そんなこんなで次の満月の日が迫ってくる。

魔法もの、異世界ものとなるとプロジェクション・マッピングに代表されるような映像を使うことが多いが、これは全くのアナログ表現。アンサンブルの身体能力も高く、アクロバットな動きで魅せる。各キャラクターもアクション、ダンスに長けており、見せ場も多い。ラスト近くの戦いのシーンは必見。そしてミュージカル的に歌唱も入り、こういった場面は文句なく楽しい。時折、客席から笑いも起こる。最後は思わず、感情移入してしまうくらいな熱いシーン。通路を使う演出、客席を巻き込んでのシーン、小ネタもあり、セリフも思わず、ウルウル。上演時間はおよそ2時間、展開もスピーディ、ルートは2つ『愛されルート』と『愛するルート』。ちなみに初日は『愛されルート』であった。

「イケメン革命◆アリスと恋の魔法 THE STAGE Episode 黒のキング レイ=ブラックウェル」稽古快調!公演は9月6日から開幕!演出家のコメントも到着!

【公演概要】

タイトル:「イケメン革命◆アリスと恋の魔法 THE STAGE Episode 黒のキング レイ=ブラックウェル」
日程:2018年9月6日(木)~9月11日(火)
場所:全労済ホール/スペース・ゼロ(提携公演)
原作:CYBIRD「イケメン革命◆アリスと恋の魔法」
原作イラスト:TCB
脚本・演出:米山和仁(劇団ホチキス)
キャスト:松村優、橋本全一、小南光司、荒一陽、白石康介、大見拓土、薫太、
田中彪、前田陸、室龍規、服部武雄、
青木志穏、丘山晴己、
工藤博樹、町田達彦、久保瑛則、近山祥吾、宮田龍樹、谷島圭祐
主催・製作:イケメン革命 THE STAGE 製作委員会
企画・制作:レジェンドステージ
公演HP:http://legendstage.jp/ikemen-kakumei/
原作HP:http://ikemen.cybird.ne.jp/of/title/kakumei/original/
©CYBIRD/イケメン革命THE STAGE製作委員会

文:Hiromi Koh