宅間孝行 作 演出 矢島舞美,古屋敬多,松本幸大etc.出演 タクフェス第12弾 名作『夕 -ゆう-』開幕

バリバリのヤンキーな2人。固い友情。

宅間孝行 作・演出を手掛けるタクフェスの第12弾として、『夕-ゆう-』開幕。
舞台は長崎のとある町にある海の家兼民宿「あいかわ」。相川家のヤンキー3兄弟と、女子高生の夕と薫の初恋を描く甘酸っぱい青春ラブストーリーだ。一見どこにでも、誰にでも経験のあるような青春時代の思い出。そして最後には思いも寄らぬ衝撃の展開が、感動の嵐を巻き起こす。
主演は、元「℃-ute」のリーダーとして活動後、現在は映画、ドラマ、舞台等、俳優として活動中の矢島舞美がタイトルロールの夕を演じる。先日第1子が誕生したことを報告し、本作が出産後の復帰作。
”本編”が始まる前に宅間孝行が作品の説明をしてくれるので初見でも大丈夫。それから始まる。
物語の舞台は長崎の民宿「あいかわ」。誰かの葬式の準備。喪服を着た人たち。そこへ夕(矢島舞美)がパリから帰ってきた。そこで唐突に現れるヤンキー姿の元弥(古屋敬多)。夕とタメ口、舞台は暗転し、時が遡る。

時代は1980年代、ポスターが貼ってある、おニャン子クラブの映画「おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!」(1986年)。観客の中には「観た」という人もいるかもしれない。その時代の空気感。西高の番長である坂田(大薮丘)が元弥とタイマンを張るために待っていた。

表情に注目。

「タイマンを張る」とは1対1のケンカをすること、準備万端な様子。そこへ番長として名を馳せていた憲太郎(松本幸大)がやってきた。予期せぬ”登場”、坂田は動揺。

そこへやってきたのは…。
ビビる坂田。

元弥の父の登(宅間孝行)が経緯を説明、元弥と憲太郎はタイマンを張ったことがあり、元弥は憲太郎の前歯を折ったがそれ以降は意気投合して親友になった。ちょっとビビる坂田(可愛い)。そんなタイミングに夕が薫(中村静香)と信子(三戸なつめ)を連れてやってきた。

手にしている缶ジュースとお菓子に注目。メガネのフレームも懐かしい。
バリバリのヤンキーな2人。固い友情。

実は薫は憲太郎が好きだったので夕は元弥に頼んで憲太郎を連れてきたのだった(もちろん、告白させるために)。そこへ兄の欣弥(住永侑太)がやってきて母親に怒鳴り散らす(ビデオのスイッチを入れたかどうか)。その姿をみてさらにビビる坂田…元弥、欣弥、雅弥は「長崎のキングギドラ」、ヤンキー3兄弟だった!

気のいいお母さん。
民宿を切り盛りしている父。
2人の微妙な距離感。

特別なことは何一つ起こらない。諍いも起こるが、側から見たらどうでもいいことの連続(おニャン子クラブのファイナルコンサートのビデオテープに「ウキウキウォッチング」重ね撮りとか)。そして誰は誰が好きだけど片想い、”10代あるある”。夕は元弥が好きだが、元弥は薫が好き、当の薫は憲太郎が好き。これは…言い出しにくい!そんなこんなの恋のもつれ、片想い、時は流れていき、友情と恋心が重なり合っていく。

ピッチャー、醤油差し、純一巻き、時代を感じる。
胡座をかいてる夕。ビールは自分で。

80年代の垢抜けたファッション。
見た目が…。

暗転のたびにポスターが変わる。最初は「おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!」だったが、次は「花火大会」、時間の経過を映像で表示する舞台作品もあるが、これはそういった小道具やファッションなどで示す。肩パットスーツもガングロコギャルも!高校を卒業し、社会人になったり、結婚したり、夢に向かって歩いたり、変わっていくものもあるが、変わらないもの、人の想い、誰かを想う気持ち、友情。仲良し女子3人、見た目はヤンキーだが、純情で素朴な男子、彼らを温かく見守る大人。

手にしてるのは矢沢永吉の「成りあがり」。

ガングロ!

「あいかわ」はそんな彼らの人生のスクランブル交差点のよう。変わらぬ畳の部屋、ちゃぶ台、壁に貼ってあるメニュー、”THE 昭和”なモノたちが雰囲気を盛り上げる。ピンクの電話も現役で使ってたり。

変わらぬ友情。

セリフは長崎弁、登場人物一人一人の人生が見えるようなキャラクター設定、どこかにいそうな市井の人々。やたら明るく、ちょっと空気が読めない元弥が愛おしい存在。そんな彼を見ている夕の眼差し、夕の友人の薫の初恋などなど、どこかしょっぱい、でも甘い青春。ラストが切なく、外は夕顔の花でいっぱい、夕と共に涙。

チラシの裏に書かれていたのは…。

本編終了後は、タクフェス恒例のダンスタイム。揃いのTシャツで!

ゲネプロ終了後に簡単な会見が行われた。
宅間孝行は「10年ぶりに上演します」と言い矢島舞美は「プレッシャーもありましたが、やるからには今までの作品を越えてやりたい。意気込み十分で取り組んでいます。笑いと涙をお届けしたい」と語る。古屋敬多は「頑張ります!」藤田朋子は「宅間さんのお父さん…若い人たちに混じって頑張りたい」とコメント。ダンスでは”夫婦”意気のあったダンスを披露。松本幸大は「楽しく演じさせていただいてます。楽しい気持ちと好きな気持ちを皆さんと共に」中村静香は「初参加です。楽しみとプレッシャーと」三戸なつめは「劇場に入って客席見てワクワク感が増し増した。1公演、1公演みんなで頑張って最後まで」とコメント。

それから質疑応答
矢島舞美は「ここからもっと上を、もっともっと良くなっていきます、自分に厳しく」と意気込みを。また、ダンスでは古屋敬多(Lead)と松本幸大が共に踊る。宅間孝行は「業界再編!」と。さらに宅間は「おととしぐらいまでなかったことが見られるのはすばらしいじゃないですか」と語る。松本幸大が「未来に向かって良い変化をしているということ。隣で踊っているのもうれしい」と笑顔。浜谷健司は最初の挨拶で滑ったので気を取り直して「俳優の浜谷健司です」と挨拶(笑)。また、最後のダンスシーンについて宅間孝行は「上手な人が多い」とコメント。最後に「タクフェスはお芝居はきちんと。終わった後も楽しんでもらおうと色々な企画しています。『夕』は入りやすい作品ですので、ぜひ!劇場へ」と締めて会見は終了した。

イントロダクション
言葉にできなかった想いの行方は・・・・・・ 最高に切ない夏の物語
ボディコン、DCブランド、校内暴力、そしておニャン子クラブ。 好景気に沸いた1980年代の⻑崎から物語は始まる。
舞台は⻑崎のとある町にある海の家兼⺠宿「あいかわ」。 そこに住むヤンキー兄弟、相川欣弥、元弥、雅弥の3人は地元では「⻑崎のキングギドラ」の異名で恐れられていた。
そして、底抜けに明るくて底抜けにおバカな次男坊、 元弥こと「もっちゃん」に淡い恋心を寄せる隣に住む幼馴染の三上夕。 伝えたいけど伝えられない⻘春の片思い真っ只中!! でも、そんな想いをしらない元弥は夕の親友である高橋薫に夢中、そんでもって薫はというと元弥の親友の塩屋憲太郎に恋をしてたりなんだりするからもう大変!
恋と友情の板挟み。これぞ⻘春!これぞ初恋!!切ないとはこういう事だ!!!
そして⻘春時代の甘酸っぱい想いを抱えたまま大人になっていく夕たち。 それぞれの初恋はどんな結末を迎えるのか、伝えきれず言葉にできなかった想いの行方は……
誰にでも身に覚えのある淡い初恋の思い出。どこにでもあるような平凡なラブストーリー。 しかし!だからこそ泣ける!!その想いがわかるからこそ泣ける!!
宅間孝行が恥ずかしげもなく描いた切ない⻘春ど真ん中ラブストーリー。 あなたは劇場で今までに聞いた事のない量のすすり泣きを聞くことになる!?
あなたを⻘春時代にお連れしましょう。

<2019年公演レポ>

舞台「夕-ゆう-」歳月を重ねても人が人を想う心は変わらない。

概要
タイトル:タクフェス第12弾 『夕 -ゆう-』
出演:矢島舞美、古屋敬多(Lead)/松本幸大、中村静香、久保田秀敏、住永侑太、三戸なつめ
浜谷健司/廣瀬智紀、市島琳香福、大薮丘、吉田英成、吉川真世(劇団4ドル50セント)/藤田朋子/宅間孝行
作・演出:宅間孝行
日程・会場:
東京
2024年11月1日〜10日 サンシャイン劇場
大阪
2024年11月14日〜17日 梅田芸術劇場 シアタードラマシティ
長崎
2024年11月20日 アルカスSASABO 大ホール
福岡
2024年11月23日 キャナルシティ劇場
名古屋
2024年11月29日〜12月1日. ウインクあいち大ホール
札幌
2024年12月12日 カナモトホール
協力:テイクオフ
企画:タクフェス
製作:エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ

公式サイト:http://takufes.jp/bansan2023/