2017 年上演された冨士山アネットのデュオ[ENIAC]が インドネシアに初上陸!

昨年上演され好評を博した、ドキュメンタリーを用い長谷川寧の辞め時を 舞踏家・石本華江に相談する、という衝撃作[ENIAC]が、Jakarta Arts Council の招聘によりフェスティバル/Jakarta Teater Platform で上演される。 日本からは冨士山アネット(東京)の他に MuDa(京都)も招聘。インドネシアを始め世界各国の作品が上演される中、新シーンを追加し更に深 まった[ENIAC]。9月13日、上演!

[ENIAC]
冨士山アネットにより「統計」をテーマにした三部作の最終章として上演される新作。
冨士山アネットにパフォーマーとしても、ドラマトゥルグとしても参加してきた石本華江と長谷川寧によって、 様々な質問と対話を交えて描き出す。
ENIAC(Electronic Numerical Integrator and Computer)。
ENIAC とは 1946 年、アメリカ陸軍の弾道研究室での砲撃射表の計算向けに設計された黎明期の電子計算機(コンピューター) の事。発表当時の報道では「巨大頭脳」と称され、その計算速度は当時の電気機械式計算機に比べて千倍であったと言われている。その演算能力と汎用プログラム能力に当時の科学者・実業家等は興奮したそう。当初、真空管は毎日数本が壊れ、修理には毎回 30 分ほどかかったとも言う。その後改良を重ねるが、当時の故障の大部分は電源の投入・切断時に 起きていた。その様に直しても直しても壊れ、それでも高みを目指そうとするその人間の原動力は何処から来るのか・。
冨士山アネットの新作は、ENIAC という当時の発明と徒労に掛かっていた莫大な労力をモチーフにした作品。 これを様々な舞踊に携わって来たパフォーマー・石本華江のバックボーンを重ね、 ダンサーとして生きる事、ダンサーが生きる事を問掛け、ひいては芸術家の徒労とその先に何が見えるのか、 という現状を、様々な統計と共に描き出す。果たして芸術活動は何処からが報われるのか、芸術家と金銭の関係は。 「アーティスト」という活動そのものに視点を当てる作品。

 

インドネシアのレジデンス施設 Sanggar O でのリハーサルの様子

<ENIAC/初演時トレイラー>
https://www.youtube.com/watch?v=SRrJNaGH-7Q

<上演に寄せて>
現在ジャカルタから更に 2 時間程離れたボゴールという場所のレジデンス施設、Sanggar O という場所で 最後の詰めのリハーサルをしております。こちらでは上演の他、WS やディスカッション、バイオグラフィ を紹介する等の充実したプログラムが組まれています。只行って上演するだけなら海外公演は字幕やテクニ カルの問題など大変さは割に合わないかもしれません。
初演の会場・のげシャーレは 100 席強の会場でしたが、今回の会場 Graha Bhakti Budaya は 800 席強。 これをデュオで上演するというのを最初に聞いた時にまあどうしようかと逡巡もしましたが。 ですが結局行って得られるだけのものがそこにある。だからこそ行く訳です。 行っただけで終わらない関係性を、ジャカルタで築いて来れたら幸いです。

2018.9.11 冨士山アネット 長谷川 寧
FujiyamaAnnette Ney Hasegawa

※写真はインドネシアのレジデンス施設 Sanggar O でのリハーサルの様子

【概要】
冨士山アネット [ ENIAC ]
インドネシア公演
構成・演出・振付 長谷川寧
振付・出演 石本華江
2018年9月13日 20:00ー
ジャカルタ/Graha Bhakti Budaya (フェスティバル / Djakarta Teater Platform 参加)

冨士山アネットHP:http://fannette.net/index.html