『明治座新春純烈公演』`25年1月7日、開幕。
歌謡コーラスグループ純烈。明治座で3回目となる座長公演。芝居とコンサートの2部構成で上演。第1部の芝居「俺たちはダディじゃねえ!」は 1950 年代のアメリカを舞台にした書き下ろしコメディ。
純烈を取り巻くメインキャストには、ウォルターに連れられ父親を捜しに来るルーシー役に、子役として人気を博し、現在は女優として新境地を拓く谷花音、上院議員のロナルド役には軽妙な演技が持ち味の松竹新喜劇の曽我廼家寛太郎、ルーシーの母親で、ポップスの大スター、アマンダ役に『おしん』の幼少期を演じてブレイクし、テレビ、映画、舞台と幅広く活躍する小林綾子という多彩な顔合わせ。純烈からの卒業を発表した岩永洋昭が出演する劇場公演は今回が最後となる。
第1部は「俺たちはダディじゃねえ!」、いわゆる古き良き時代のアメリカが舞台。ジャージーな楽曲、一人の男が登場、彼の名はウォルター(後上翔太)、物語の設定を語る。そして華やかなショーのシーン。絶対的人気を誇っている歌姫・アマンダ(小林綾子)の歌唱シーン、1930年代のサウンド、「黄昏のリバーサイドメモリー」は彼女のヒット曲。アマンダはウォルターの遠い親戚、アマンダは実は1955年不慮の事故でこの世を去ってしまった。葬式の場面(これが湿っぽいどころか客席から笑いが)そのアマンダの一人娘・ルーシー(谷花音)の父親探しをしている。
残された日記を調べ、突き止めたのが3人の男。花形パイロットのポール(白川裕二郎)、コメディ俳優のリッキー(岩永洋昭)、大リーガーのロック(酒井一圭)。この3人を呼び寄せるウォルター、3人にルーシーの父親である可能性を告げる。まさに青天の霹靂、思わず「俺たちはダディじゃねえ!」と…それでもウォルターは疑いの目を。ルーシーは見た目はキュートで愛らしいが、かなり生意気、強気(笑)。
そんなこんなのところに上院議員のロナルド(曽我廼家寛太郎)がやってきて…トンデモ勘違いを!モテ男・ポールにある疑惑を持っており、その疑惑でポールは思わぬ窮地に陥る、というかなりのドタバタな展開を予想させる設定。その予想を裏切らず(笑)、舞台上をドタバタ!
とにかく細かい笑いが多く、客席は笑っぱなし。葬式のシーンではロナルド演じる曽我廼家寛太郎が毛がない頭に櫛を入れたり、また、話し言葉がコテコテの関西弁(ここはアメリカじゃなかったのか)。
曽我廼家寛太郎は明治座の純烈公演、皆勤賞!とにかく随所で笑わせてくれる存在。純烈の4人もキャラクター的に適材適所。最初の登場シーンでは大リーガーのロックの衣装が、どこか関西のおばちゃんを彷彿とさせる格好で(笑)。リッキーの妙な作り笑い、コメディ俳優という設定、笑顔を作るシーンでは客席からも笑いが。
ポールはモテ男、しかも酒癖が悪いという設定でスッチーたちに取り囲まれる場面はかなりの笑えるシーン。ルーシーは嘘泣き連発(笑)。オチは劇場で!であるが、そこに至るまでの過程が面白おかしく、それでいてハートウォーミング。アマンダ演じる小林綾子は出番は少な目だが、インパクトのあるキャラクター、華やかな歌手という役柄であるが、その内面が優しくホッとする場面も。ノンストップの90分、新春初笑いにはもってこいの作品。
30分の休憩を挟んで第2部 純烈コンサート2025。ペンライトなどの応援グッズはOK以上に”推奨”。舞台セットは台湾という設定、大きな看板「純烈夜市」、細かいところではそこかしこに出てる看板にメンバーの名前が!「あった、あった」と探すのも一興。
まずは一曲目「たった2秒の恋」、客席は即ヒートアップ、ペンライトが揺れる。それからメンバーの挨拶、大晦日の紅白の話も飛び出し、卒業までカウントダウンの岩永洋昭、チョコチョコといじられたり。
それから2曲続けて。純烈がいったんはけ、この台湾の街の人々のアカペラ、これが超上手い。そしてメンバーカラーの衣装に着替えたメンバーが登場、歌唱、そして客席を回って握手、リーダーは握手だけじゃなく!席にちょこっと座る場面もあり、客席は大ウケ。
握手が終わり、「純烈大辞典」コーナー、初日は「い」、6人の頃の伊東温泉の話と石川県に行った時の思い出話、ここは毎回変わるので、お楽しみなところ。そして「バッチグー」、客席もタオルぶんぶん!ここで映像、メンバーの映像が立体的でここは21世紀!いろんな衣装のメンバーが、一番ウケたのは浴衣姿、最初は普通に着用してるのだが、徐々に「ギリギリ」ショット、どういうふうに「ギリギリ」なのかは劇場で(笑)。また、恒例の誕生日コーナー、この日お誕生日のお客様は4名、最高齢は60代、ということで映像でろうそくが60本立ってる特大ケーキが!そして歌のプレゼント。
歌唱の最中に帽子を投げたり(もちろん回収されます)、もう大大大サービスなショー。撮影OKの時間もあるのでスマホの充電はしっかりと!ラスト残り1曲となり、リーダーの酒井が客席に向かって「面白かった?」と呼びかけ大きな拍手。
芝居もショーもとにかく見せ場が多く、てんこ盛りな内容、新春にふさわしい楽しい二本立て、公演は28日まで。
初日が終わり、それから取材会、フォトセッション、公演直後にも関わらず、サービス満点の純烈。
まずは挨拶。
リーダーの酒井一圭、「3回目の座長公演です」と挨拶。新春の初っ端はお初。白川裕二郎は「やっと無事に幕が開きました」年末は紅白出演、純烈メンバーフル稼働!後上翔太は「あけましておめでとうございます!良い1年になるようにという思いをこめて!」そして岩永洋昭からは「お客さんの反応を見ながらスタッフキャスト一同協力して全力で臨みたいと思います」とやや緊張気味に。
売れっ子ならではの悩み、リーダーの酒井は「年末年始のスケジュールもあって皆さんにはちょっとご迷惑をおかけして…無事に初日を迎えることができました。ハイタッチ会でお客様と触れ合ったとき、『面白かったよ!』と言っていただけたので、明日以降も自信を持って」」とコメント。白川裕二郎は「3回やらせていただいてますが、やっぱりこの明治座さん、結構緊張します。お客様から温かい反応をいただくことができてやりやすかったです」とかたり、岩永洋昭は「もうちょっとブラッシュアップしていけるのかなっていうふうに感じた初日、もっと高めていきたい」とコメント。白川裕二郎は「歴史ある神聖な明治座さんの新春公演ということで、スーパー銭湯で積み重ねてきたような雰囲気を…1ヶ月の新春公演でトライしてみたいな…と」とコメント。
また、昨年12月に後上翔太と元AKB48の横山由依が結婚を発表したが、そのことについてリーダーの酒井は「後上は結婚してからすごく変わりました」と言い「家族ができて、より一層がんばろうという気持ちを感じる」とコメント。当の本人は「独身だった頃と違って家に帰ると新鮮」と語る。また、卒業までカウントダウン状態の岩永洋昭は「実感は今のところないです。純烈のメンバーでいられることをかみ締めながら、3月31日まで駆け抜けようと。(酒井を指して)死に別れるわけでもないし(笑)事務所一緒なので」と語る。それを受けて酒井は「3人っていうのは寂しいやろうな」と言いつつ「3人でやってみて、スタッフやお客さんに聞いてみて、5人がいいとかいろいろ出てくると思うし、48まで行くかも?」と笑わせた。
また元日は今、それぞれに過ごした様子で酒井は「休まず」後上は「鍼にいきました」、白川は「奥さんの実家に行きました」岩永は「坂道ダッシュ」。
最後に酒井は「原点回帰で、また10年後5年後、皆さんが全く思いもよらなかったフェーズになるかなっていうチャレンジが今日の初日から、実は始まっていたという感じですね…28日が千秋楽になります。是非とも!ご興味ある方は!」と呼びかけて取材会は終了した。
<2021年公演レポ>
<2023年公演レポ>
第 1 部「俺たちはダディじゃねえ!」あらすじ
1950年代のアメリカ。ポール(白川裕二郎)は花形パイロット。リッキー(岩永洋昭)はコメディ俳優。ロック(酒井一圭)は大リーガー。そんな 3 人の前に、ウォルター(後上翔太)という男が現れた。彼は 3 人をホテルの一室に呼び寄せる。そこには、ルーシーと いう若い娘(谷花音)が待っていた。このルーシーはウォルターの親戚・アマンダ(小林綾子)の娘だという。アマンダはポップスの大ス ターで、かつて 3 人の知り合いだったが、数ヶ月前、事故で亡くなってしまったのだ。そして、ウォルターは言う。「彼女の残した分厚い日記を読めば、君たち3人のうちの誰かがルーシーの父親に間違いないんだ!」。驚くポール、リッキー、ロック。それぞれ身に覚えのあるよ うな、ないような….。なんとか逃げだそうとする3人だが、ウォルターは彼らを逃がさない。ルーシーは生意気だが、同時に可愛げがある娘。どこか母親のアマンダにも似ており、3人の父親候補に悪態をついたりする。そんな中、上院議員のロナルド(曽我廼家寛太郎)が突然現れ…。
概要
公演名:明治座新春純烈公演
会期会場:2025 年 1 月 7 日(火)~28 日(火). 明治座
第1部「俺たちはダディじゃねえ!」
作:横山一真 演出:村上大樹
出演:純烈(酒井一圭 白川裕二郎 後上翔太 岩永洋昭) 谷花音 曽我廼家寛太郎 小林綾子
今林久弥 千代田信一 留依まきせ 長田拓郎 手塚学 / 相沢菜々子 三田萌日香 澄人 鈴峯ゆい 古沢朋恵 伊藤友惠 西部涼介 岡部雄馬 小松まり
第2部 純烈コンサート2025 構成・演出:村上大樹
制作協力:株式会社ジースター・プロ 株式会社クレバーエンタープライズ
後援:日本クラウン株式会社
企画・製作:明治座
公演問合:明治座 03-3666-6666 (10:00~17:00)
舞台写真撮影:田中亜紀