声優男子12名「レスティリズム ~1carat~」 公演始動!明日まで!! 《Lune》公演 速報レポ テーマは重いけど、唄って踊る♪ 両方観ると物語が立体的に見えてくる

声優男子12名が形作る朗読劇「レスティリズム 〜1 carat〜」の公演が11月10日、新宿村LIVEで始まり、もう明日楽日。本日昼午後の公演の《Étoile》の速報レポに続けて《Lune》の速報を。明日が楽日の公演。《Lune》は石毛翔弥、渡辺紘、市川太一、米内佑希、小林千晃、室元気のチーム。演出は《Étoile》と同じく畑中晋太郎。

『Team Etoile』と『Team Lune』と出だしの言葉はどちらも同じである。そこから会話が「分岐」する。
作品の解説は先に揚げた《Étoile》のレポをお読み頂くことをお願いしたい。簡単に触れると、幕が開けると、アメジストが独り言。これは実は《Étoile》のエメラルドのそれと同じセリフ。そこに突っ込みが入るが、それへの返しかたが異なる。同じセリフでも性格やキャラクターが違えば、リアクションも異なる、というもの。
《Étoile》同様に、一度に全ての宝石が登場はしない。2つのチーム、それぞれで物語を紡いていく。ここでもキーになる少女が登場するが、少女はあくまでも話題に上るだけで、その少女をめぐって宝石たちがやはり語りあってゆく同じ構造にある。
この物語に登場するキャラクターは宝石の擬人化ではない。宝石は特別な力があるとされており、宝石が主の力によって人の姿になっているという設定である。また花言葉のように宝石にもそれぞれの『石言葉』もある。

『Team Lune』の初日公演を観た。速報的にお伝えすると。
ムーンの独り言にアメジストが突っ込む。彼らはそこにいないサファイアが気にかかる。ガーネットはつぶやく「サファイアがいてくれたら」と。
不安を払拭したいかのように会話する宝石たち。大鏡に映る少女のシルエットに宝石たちが驚く。
影を有効に使った演出、照明で状況を彩る。そしてラスト、宝石たちの心に一筋の光が差し込む。それは希望と再生、そこからきっと新たな物語が始まるはず。

宝石たちは人間の姿をしている、しかし、主の力が弱くなってそれに伴ってだんだんと彼らの能力が失われようとしている。人に笑顔を・・・・・それが彼らの喜びであり、使命でもあり、その笑顔が主のエネルギーとなる。宝石たちは個性的で、それぞれの特徴を感じさせるやり取り、それがちょっと微笑ましくもあり、心が温かくなる。また、演じているのは声優なので早口言葉も飛び出し、ここはちょっと笑えるところ。
宝石たちは今の状況に悩み、閉塞感を感じていた。それは人の姿だったのが、だんだんと元に姿になりかけているからだ。そして一人の少女が話題に。彼女は何者なのか、生きているのか、それとも・・・・・・。「救えなかった」と責めるサファイア。それは優しさの現われ、そんなサファイアを気遣う。この謎めいた少女について、彼らの捉え方が『Team Lune』と『Team Etoile』では異なる。真実はどこにあるのか?という謎解きの要素もあり、また何よりも大切なのは彼らは何故ここにいるのか?存在意義、そこに希望はあるのか、ないのか、かすかな夢、自分は何者なのか、心が再生していくとともに彼らに変化が訪れる。
若手声優陣の声が響き、照明や音楽で世界観を彩る。また6人、ずっと舞台に出ずっぱりではない。状況に応じて動き、そして声だけではなく、表情や手ぶり身振りでも表現するが、ここは極めて演劇的。そして両方のチームを観劇することにより、物語は立体化する。宝石たちの関係性、少女はどこにいるのか、どうなっているのか、こういった要素がラスト近くになってくるに従って、その輪郭が見えてくる。そして一筋の光が彼らの心に差し込む。絶望的な想いからの再生、きっとそこからさらなるストーリーが待っているに相違ない、そんなエンディング。12の宝石たちが織り成す言葉。
なお、同じストーリーのドラマCDも発売されている。

《公演概要》
公演名: 朗読劇「レスティリズム 〜1carat〜」
日程:2018年11月10日(土)・11日(日)
11月10日(土)
12:00 1.1carat Étoile 朝霧友陽/山本和臣/山下誠一郎/野上 翔/坂田将吾/小林竜之
14:30 1.2carat Étoile 朝霧友陽/山本和臣/山下誠一郎/野上 翔/坂田将吾/小林竜之
18:00 1.3carat Lune 石毛翔弥/渡辺紘/市川太一/米内佑希/小林千晃/室元気
20:30 1.4carat Lune 石毛翔弥/渡辺紘/市川太一/米内佑希/小林千晃/室元気
11月11日(日)
12:00 1.5carat Lune 石毛翔弥/渡辺紘/市川太一/米内佑希/小林千晃/室元気
14:30 1.6carat Lune 石毛翔弥/渡辺紘/市川太一/米内佑希/小林千晃/室元気
18:00 1.7carat Étoile 朝霧友陽/山本和臣/山下誠一郎/野上 翔/坂田将吾/小林竜之
20:30 1.8carat Étoile 朝霧友陽/山本和臣/山下誠一郎/野上 翔/坂田将吾/小林竜之

会場: 新宿村LIVE
当日券: A席 4,500円 ※全席指定、税込

〈スタッフ〉
演出:畑中晋太郎(SAB-on)/脚本:冬堂 薪(とうどう まき) /キャラクターデザイナー:すめらぎ琥珀/ 振付:猪狩和真/舞台監督:藍/舞台美術:照井旅詩/音響:佐藤優(DISCOLOR Company)/ 照明:山岡茉友子(DISCOLOR Company) /音楽制作 ironic crown member:yuh(lyrics)&tetz(music)/ 音楽監修 白滝 哲(ironic crown:tetz)/制作:プレアデスアニメーション

【プロフィール】
演出:畑中晋太郎
1989年生まれ 福岡県出身。
蜷川幸雄、福田善之、志賀廣太郎、鴻上尚史、篠崎光正、鈴江敏郎、
岡安伸二など様々な世界観を持った演出家・俳優・劇作家に師事。
19歳の時に自身が執筆した作品「茜さす日」を上演。
福田氏・鴻上氏・篠崎氏より好評を得る。
更にそこから、「茜さす日」を観劇した鴻上氏の提案から着想を得た作品
「徒桜」を執筆、上演し好評を博す。
時代劇から現代劇、ミュージカルからアイドルが多く出演する
エンターテイメント性が強い作品など様々な公演に
演出・プロデューサーとして参加。
2015年には自身初のプロデュース公演「徒桜」を上演し、
翌年には舞台「晒場慕情」において、総勢50名以上の出演者の演出も担当。
2018年2月頭に「徒桜」を再演し好評を博す。
「ナチュラリズムとドラマチックの融合」をベースにした演出スタイル。
オーストラリア国立演劇学院(NIDA)、ドイツのエルンスト・ブッシュ演劇大学において短期研修過程修了済み。

脚本:冬堂 薪 (とうどう まき)
1988年生まれ。兵庫県出身。
蜷川幸雄、篠崎光正、岡安伸二などの演出家・劇作家に師事。
学生時代から多くの脚本を執筆、舞台の主宰なども務める。
最近では漫画のシナリオやゲームシナリオをなどを担当することもあるが、
朗読劇の脚本の執筆は今回が初となる
。
公式サイト:http://lasterisme.com
©2018 L’asterisme
文:シアターテイメントNEWS編集部