内野聖陽からもコメント到着!劇団こまつ座「井上ひさしメモリアル10」ラインナップ発表

来る2019年は、 井上ひさしが亡くなりちょうど10年目。 「井上ひさしメモリアル10(テン)」と名付け、 色とりどりの舞台を上演。
すでに発表になっている3作品(『どうぶつ会議』、 『イーハトーボの劇列車』、 『木の上の軍隊』)に加え、 今回新たに発表するのが『化粧二題』、 『日の浦姫物語』、 『組曲虐殺』となっている。

 

こまつ座第128回公演『化粧二題』
作・井上ひさし 演出・鵜山仁
出演・内野聖陽 有森也実
2019年6月3日(月)~16日(日) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
*全国公演(予定)
【兵庫】兵庫県立芸術文化センター
【島根】島根県立芸術文化センターグラントワ
【富山】富山県民会館
【福岡】そぴあしんぐう
【鹿児島】宝山ホール
【神奈川】関内ホール
【名古屋】ビレッジホール
【能登】能登演劇堂

こまつ座第129回公演『日の浦姫物語』
作・井上ひさし 演出・鵜山仁
出演・朝海ひかる 平埜生成 毬谷友子 辻萬長 ほか
2019年9月6日(金)~23日(月・祝) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
~日の浦姫の数奇な生涯を巡る一大絵巻~

こまつ座&ホリプロ公演『組曲虐殺』
作・井上ひさし 演出・栗山民也
出演・井上芳雄 上白石萌音 神野三鈴 土屋祐壱 山本龍二 高畑淳子  ピアニスト:小曽根真
2019年10月 天王洲 銀河劇場
同11月 福岡・大阪 他、 地方公演数ヶ所を予定
~美しいピアノの音色に乗せ贈る、 小林多喜二の評伝劇~

6、 7月に上演される『化粧二題』に出演の内野聖陽、 有森也実から、 熱い意気込みのコメントが!

<内野聖陽(『化粧二題』市川辰三役 )>
井上ひさし先生の戯曲を演じられる!しかも、 一人芝居!
今、 私は、 役者として久しぶりの喜びと興奮の中に居ます。
なぜなら、 素敵な物語を演ずる機会を与えられたからです。
捨てた母と、 捨てられた息子の物語。
ボクは、 捨てられた男を独りで演じます。
井上ひさし先生の作品は『箱根強羅ホテル』が最初。
この時も“遅筆堂”の看板はご健在で、 完成台本が上がったのは初日3日前ぐらい!ファックスが夜中にカタカタとなり出し、 原稿が1,2枚やってくる。 ところが私の出番は一向になく、 稽古場に行ってもやることがなく先輩俳優だけが台詞をもらい、 その日の稽古に合わせてブツブツ台詞を唱えている。 「うわぁ~俺は稽古がしたくても本が来ないよ~!」と気が狂いそうな毎日でした。
ところが今回は、 もう手元に本がある!!
井上ひさし先生のホンなのに目の前にある!!
もうこれだけで私は幸せ者と言うほかありません。
そして、 美しくやさしい日本語と、 心にしみる素敵なお話。
これだけ揃って燃えなかったら男じゃない、 役者じゃない、 …とばかりに喜んでいます。 今度は稽古をいっぱいできます。 天国で井上先生が丸いメガネの奥でニコニコしながら「内野君、 これでダメな舞台だったらぼくのせいじゃないよ。 だって本はできてるんだからね」と語られている感じです。 天国にいらっしゃる井上ひさし先生にも笑って泣いていただけるように頑張ろうと思ってます。
そして、 劇団を辞めてから実に21年ぶりにタッグ組ませて頂く鵜山仁さん。 実は、 鵜山さんは、 ボクが文学座研修生の頃、 初めてのプロの舞台に抜擢してくださったまさにその人なのです。 21年経って、 内野は、 その程度かと、 軽く足払いなのか、 お、 内野なかなか力をつけたな…となるのか、 とにかく、 鵜山さんの演劇人としての大きな胸に体当たりして、 思いもよらぬエネルギーが爆発するのを楽しみにしているところであります。
この本を初めて読んだとき、 “男のやせ我慢”のカッコよさ、 いじらしさに泣けました。 虚勢を張ったり、 武士は食わねど高楊枝みたいな姿はあまり見かけなくなったように思いますが、 この本には、 いつの時代にも変わらない男子の生き様があると思っています。 母に捨てられてから再会するまでを、 井上さんの巧みな独り対話劇で魅せていく手法は、 僕にとっても刺激的な冒険と戦いになるはずです。 どうぞ内野聖陽の挑戦を目撃しに劇場まで足をお運びくださいませ!!!

<有森也実(『化粧二題』五月洋子役)>
はい、 演ります。 演らせて下さいとお返事したものの、 今は怖くて怖くて震えています。 『頭痛肩こり樋口一葉』、 『シャンハイムーン』と2作品に出演させていただきました。 井上先生の台詞は手前に道がついているんです。 その道を歩かないと台詞に辿り着かない、 発見の道で幸せな時もあるんですが、 大抵は大変。 今は交通許可書を貰ったといったところでしょうか、 稽古までは一人旅、 まず台本の活字を追って右往左往、 稽古が始まれば心強い鵜山さんとカンパニーが一緒です。 今回は女優の役、 そして一人芝居、 今こそ自我を棄て捨身で取り組むチャンス到来と震えながら覚悟を決めています。 そして、 気の早い話ですが、 本番は1幕が跳ねた後で毎日内野さんの舞台が観られるなんて贅沢です。

◎鵜山仁(演出)
『化粧二題』という作品には、 芝居の面白さと難しさ、 そして芝居が果たすべき役割についての期待、 恐れ、 決意がみなぎっています。
初演のパンフレットの前口上で作者は、 この芝居は「二つの自己発見劇」だと表現しているわけですが、 さて、 ごまかしのない自己発見のシミュレーションが、 どう舞台に立ち上がるか…。
有森、 内野両座長の気合が、 孤独で華やかな一人芝居の魅力を一層輝かせてくれることを、 今から楽しみにしています。

◆ものがたり◆
さびれた芝居小屋の淋しい楽屋。 遠くから客入れの演歌が流れ込んでくるやいなや、 大衆演劇女座長・五月洋子は、 座員一同に檄を飛ばし始める。 開演前の支度の最中も、 口上や十八番の演目である「伊三郎別れ旅」の母と子が再会する場面の稽古に余念がない。 そこへ捨てた息子との対面を、 と出演依頼を携えたお客がやってきた…。
うってかわって、 クリスマス間近の芝居小屋の楽屋。 大衆演劇の座長・市川辰三は。 夜の部も迫った40分前、 大事な役を背負った役者が一人いなくなり、 切羽詰まった様子で座員一同に口立て稽古を始めている。 そこへ孤児院でお世話になった一人の先生がやってくる。 恩師との逢瀬に喜ぶ辰三だったが、 なにやら大切な話がある様子で…。

< 詳しくはこちら>
▼こまつ座HP: http://www.komatsuza.co.jp/
▼こまつ座ツイッター:@komatsuza
▼『組曲虐殺』公演ツイッター @KUMIKYOKU2019