ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~

 

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~が開幕した。今回は幕末、しかももうすぐ明治維新というタイミング、まさに激動の時代だ。

慶応3年、近江屋。そこにいた者は不意打ちに遭い、斬り殺される。そこへ刀剣男士達。場面変わり、「どうでしたか、初任務は?」、巴形薙刀は答える、「よくわからない……」。
本丸のシーン「お手合わせ、お願いいたします!」という堀川国広、大和守安定と刀を交える。そこへ任務から帰ってきた3振りがやってくる。

 

 

 

「慶応4年に向かって頂きます」と声が響く。

向かうのは大和守安定(鳥越裕貴)、和泉守兼定(有澤樟太郎)、陸奥守吉行役(田村 心)、堀川国広(阪本奨悟)、長曽祢虎徹(伊万里 有)、巴形薙刀(丘山晴己)。巴形薙刀が隊長に任命される。
「刀剣男士、出陣せよ!」

任命のシーンの後は、メインテーマ、ここで観客のテンションは一気にアップ。トライアル公演から、このシーンは基本、変わらないが、こういった【お約束】は大事。そして物語が動き出す。

 

 

 

敵の狙いは土方歳三、この頃は残った隊士と共に新政府軍と戦っていた時期で、かなり不利な状況だ。それは歴史の授業や大河ドラマ等で先刻承知のこと。そして彼らがその後、どうなったかは語るまでもない。和泉守兼定は心中穏やかではない。彼は土方歳三の愛刀、室町時代、東国随一の名工兼定の作である。彼が使っていたのは会津兼定の十一代目と言われている。そして堀川国広もまた、土方歳三の愛用の脇差である。

 

 

 

 

土方はつぶやく「みんな、死んじまったな……」と。そんな折、近藤勇の首が届き、抱きかかえて泣く。

映像、回る盆、照明で物語を彩る。水墨画のような映像もあり、ビジュアル的に美しく、世界観をより一層際立たせる。敵との戦い、土方始め、生き残った新撰組の隊士との交流、そこで刀剣男士達は何を感じ、何を想うのか。シリアスな場面ばかりではなく、ちょっとした笑いのシーンも挟み込む。特に宴会のシーンは楽しく、カッポレを踊る。「俺の酒が呑めないのか〜〜」と叫ぶ土方歳三、つかの間の宴だ。
さて、土方歳三の他に登場する隊士、中島登は明治20年没。彼は「戦友絵姿」を残しているが、これは現在では新撰組を知る貴重な資料だ。劇中でも絵を描くシーンがあり、ここはちょっとした注目ポイント。

いよいよというところで土方は「俺は近藤さんのためなら何でもやった」、さらに自分を「優柔不断」とも言う。和泉守兼定は言う、「そんな風には見えない」と。そういう彼にむかって「生きたいように生きろ、自分の思った通りに、胸を張って……」と土方は語る。心打たれる場面、ここは秀逸だ。

 

 

 

 

榎本武揚との出会い、歴史は動く、そしてクライマックスへとなだれ込む。「今迄斬ってきた奴の顔は覚えている」と言い「次の時代のために……」と言う土方歳三。

我々は、この物語で何を学べるのだろうか?人は欠点だらけ、完璧な人間等はいない。ぎりぎりまで志を忘れずに命を燃やした1人の人間模様、それを目撃した刀剣男士達。本丸に戻っても、幕末に見たその景色は彼らの心に永遠に響く。

休憩をはさんだ後はライブ、およそ40分。

 

 

 

なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは、鳥越裕貴、有澤樟太郎、田村 心、阪本奨悟、伊万里 有丘山晴己、演出の茅野イサム。
鳥越裕貴は「いろんな歴史をミュージカルにしてきましたが、今回はより深く掘り下げた作品になっています。作品の見方が変わるかもしれません」とコメント、続けて有澤樟太郎は「男の色気、かっこ良さ、不器用さ、男らしい、男の魅力を!」と語る。 田村 心は「憧れの作品です。明るく元気に!」と語ったが、舞台上ではアグレッシブに元気よく登場。阪本奨悟は「本当に夢のような舞台です。全力で!」とコメント。伊万里 有は「新しい面白さ!ミュージカル『刀剣乱舞』の革命が起きています!」と胸を張る。丘山晴己は「出演はVERY HAPPY!気合入れてます。皆さんの力が頂点にきていると思います。楽しんで頂けるように!」と元気よくコメント。

 

 

 

演出の茅野イサムは「恐らく観てくださるお客様には、ミュージカル『刀剣乱舞』はここ まで踏み込むのか、と驚いていただけるかと。「結びの響、始まりの音」という題名、 もちろんそれは今回の作品そのものを表しているのですが、もっと広く言うと、僕たちが今までやって きたミュージカル『刀剣乱舞』を表している言葉、そういう作品になっていると思います。 5作目になりますが、この作品を以て一つの結びを迎えるな、と。そして、これから先の、僕たちのミュ ージカル『刀剣乱舞』シリーズに繋がっていく始まりの作品になっていくのだな、ということは、作りながらものすごく実感を持っています。奇しくも今年夏には「阿津賀志山異聞」をパリと東京で上演しますが、まさに「阿津賀志山異聞」 から僕たちのミュージカル『刀剣乱舞』は始まり、また「阿津賀志山異聞」をもちまして、これから先のシリーズが展開していくのだと。そういう意味でもそこへ繋がっていくこの作品は、すごく意味のある大切な作品だな、と……早くお客様に観ていただきたい、すぐにでもお見せしたい自信作です!」と熱く語る。

この2018年には日本とフランスの両国が連携し、パリを中心に“世界に知られていない日本文化の魅力”を紹介する大規模な複合型芸術イベントである「ジャポニズム2018」の公式企画としての参加が決定している。

 

 

【公演概要】

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~

<東京>
2018年3月24日(土)~4月1日(日)
日本青年館ホール

<大阪>
2018年4月8日(日)~4月15日(日)
梅田芸術劇場 メインホール

<東京凱旋>
2018年4月20日(金)~5月6日(日)
TOKYO DOME CITY HALL

原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より (DMM GAMES/Nitroplus)

演出:茅野イサム

脚本:御笠ノ忠次

振付:本山新之助

出演:

大和守安定役 鳥越裕貴
和泉守兼定役 有澤樟太郎
陸奥守吉行役 田村 心
堀川国広役 阪本奨悟
長曽祢虎徹役 伊万里 有
巴形薙刀役 丘山晴己

高木トモユキ
辰巳智秋
新原 武

藤田 玲

岩崎大輔
村中一輝
大野涼太
鴻巣正季
山口敬太
青木 謙
佐藤一輝
宮尾 颯
武石 晃
佐々木幸希
市川裕介
伊達康浩
佐藤文平
小島久人
栗本聖矢
下尾浩章
下島一成
晴本宏亮
松本直也
山口拓巳

ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
(ネルケプランニング ニトロプラス DMM.com ユークリッド・エージェンシー)

※全国の映画館でライブビューイング決定!

2018年5月6日 18時30分〜

※千秋楽公演LIVE配信決定!

PC、スマホでリアルタイムに公演が楽しめる!

※DVD&Blu-ray発売決定!

3月23日より会場、公式通販サイトにて予約受付中!

ミュージカル『刀剣乱舞』 公式ホームページ: https://musical-toukenranbu.jp/

ミュージカル『刀剣乱舞』 公式ツイッター: @musical_touken

(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

 

文:Hiromi Koh