1998 年の初出より現在までシリーズが描き続けられている石原理の人気コミック『怜々蒐集譚』より「其は怜々 の雪に舞い」を中心として初舞台化&映像化となるこの作品、映画&舞台 連動興行『怜々蒐集譚(Reirei Syusyu Tan)』が開幕した。
一人の男のモノローグ、彼の名前は南(溝口琢矢)といい新人編集者である。ことあるごとに挿絵画家である出泉七朗(藤原祐規)に呼び出される。そしてこの日も彼は出泉に呼び出され・・・・・。
烏鷺公外(相葉裕樹)の遭難を軸に物語が展開し、人間関係やそれぞれの想いがあぶり出されていく。烏鷺と乙貝紅葉(相馬圭祐)は文壇を賑わす作家であった。乙貝紅葉は長年にわたり、新作を書かず、自堕落な日々を送っている。キノドラマの方ではすでに烏鷺は遭難しており、舞台上には登場しない。そこに存在していないにもかかわらず、存在感は抜群、そう、皆彼に『翻弄』されているからである。彼が遺した原稿、才能溢れるものであったが、それはなぜか乙貝紅葉のところにあった。
好敵手であった烏鷺公外と乙貝紅葉、嫉妬、愛情、彼らを取り巻いている人々、乙貝紅葉の婚約者であったが、今は烏鷺公外の妻となった烏鷺公美子(瀬戸早妃)、複雑な想い、関係性、そして『謎』、これを飄々として好奇心旺盛な出泉と怖がりな南、そして花形役者の幽興斎葛葉(味方良介)がもつれた糸をほぐすがごとくに一つ一つの謎を紐解いていく。
時折映像が使われるが、昨今流行りの先端技術のものではなく、その映像を使うことによってレトロ感が醸し出され、大正時代の雰囲気や作品世界を具現化していく。そして『ミステリー』、これが不思議と大正時代のモダニズムに合う。さて事件の先にある景色は?
映画の方はキノドラマの『前日譚』、若き日の2人の作家が描かれている。両方見ると物語が立体的になる仕組み、もちろんそれぞれ単独でも楽しめるのだが、せっかくなので舞台と映画両方見るのがおすすめ。
<Zu々プロデュース作品、初の DVD 化決定!>
キネマ(映画)&キノドラマ(舞台)連動興行『怜々蒐集譚』DVD 発売!
☆キネマ 4,200 円(税込)/キネマ・キノドラマ二枚組 9800 円(税込)
※キネマ、キノドラマそれぞれに特典映像収録 公演期間中、劇場内で予約受付中(送料無料)
期間限定Zuオンラインショップ 予約受付中 (2月16日~4月30日) http://shop.zuu24.com
2019 年 5 月下旬発送予定
[主催者より]
舞台演劇には”瞬間芸術”としての儚い美しさがあります。Zu々はこれまで、演劇の持つその”瞬間性” にこそ価値があると考え、DVD 化をせずに参りました。 一方、映画は”銀幕(スクリーン)に焼き付けることのできる芸術”です。本公演でも、是非大きなス クリーンでその美しい陰翳をご覧いただきたいとの想いがあり、またその作品を「何度も御覧頂きたい」 という願いを可能にするものでもあることから、この度キネマ(映画)を DVD 化することを決定いたしまし た。 今回の興行は、「怜々蒐集譚」の世界観を二つの手法で同時期にご覧いただく試みでもあります。どちら か片方の作品のみのご鑑賞でも十分に楽しんでいただけるよう、脚本などに工夫を凝らしておりますが、 両作品をご覧いただければ、より一層作品世界を深く味わっていただけるようにもなっています。 そこで、キネマ(映画)+キノドラマ(舞台)の2枚組という形式でも販売いたします。ただし、舞台はあくまで も「生」で”瞬間”をお楽しみいただくものとの個人の考えから、キノドラマ(舞台)のみの販売はございません。
<STORY>大正末期。雪山で遭難した小説家・烏鷺(相葉)の未発表原稿が、同業者である乙貝(相馬)の家で 発見された。かつては誰よりも親しく、そして婚約者・公美子(瀬戸)を烏鷺に奪われ、決別したはずの乙貝 が烏鷺の原稿を所有していた理由とはーー。二人の傑出した小説家が互いに対して抱く想いの正体に、人気 挿絵師の出泉(藤原)と新人編集者の南(溝口)、歌舞伎役者の葛葉(味方)が迫る。
【公演概要】
キネマ(映画)&キノドラマ(舞台)連動興行『怜々蒐集譚(Reirei Syusyu Tan)』
日程・場所:
2019年2月16日(土)〜2月27日(水) 新国立劇場 小劇場
<出演>
南:溝口琢矢
出泉七朗(いでいずみななお):藤原祐規
幽興斎葛葉(ゆうきょうさいくずは):味方良介
来島(くるしま);鯨井康介
烏鷺公美子(うろきみこ):瀬戸早妃★
吉乃(よしの):宮地花衣 ★
カフェのボーイ:野尻大介
医者:岸博之★
カフェの女給:宮下舞花
乙貝紅葉 (おとがいこうよう):相馬圭祐
烏鷺公外(うろこうがい) 相葉裕樹☆
☆キネマ(映画)のみ
★キノドラマ(舞台)のみ
公式HP:https://www.zuu24.com/rrsysy/
取材・文:Hiromi Koh
撮影:NORI