ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊単独公演『Caribbean Groove』が上演中であるが、この作品はteam柊の公演、という趣向。それをリアルでやる、まさに虚構とリアルの狭間、2.5次元舞台と呼ばれているものは、原作の世界観をそのまま舞台にのせる、というもので、2.5次元舞台自体が虚構とリアルの狭間なのだが、これはその『中』、いうなれば、『劇』が『入れ子状態』なもの、とでもいうのだろうか。この趣向自体が仕掛け、というわけだ。
開演前は客席に波の音が静かに響く。そして前説は陽気な海賊たち。日替わり挨拶(31日のマチネはマルゲリータ)に声出し、拍手の稽古があるので早めに席に着いておきたい。そして別の海賊が奥から箱(漫画とかでよく見るお宝が入っていそうな・・・・・)を持ってくる。そこには紙が・・・・・宝の地図か?!と思いきや諸注意が書いてある紙。書いてあることをアナウンスしたところで轟音が!「うわーーーーー!!!!!」、お決まりの始まり方だ。そしてオルゴールの音、キャストが登場、「海に囲まれた小さな島・・・・・」ここで物語の設定が語られる。「ブラックなんとかってやつを海の藻屑にしないと気が済まねーー」と元気よく。そして後方に船が・・・・・「やつらの船だ!」せり、盆を使い、セットはキャストが動かす、威勢のいい歌、オープニングらしい楽曲だ。ダイナミックなステージング、舞浜アンフィシアターの舞台機構をふんだんに使った場面、ここで劇場は『Caribbean Groove』の世界に。「俺たちはカリブの海賊」とクリス(辰己琉唯/演:櫻井圭登)、歌が続けざまに披露される。カップを使って音を出すコリオもあり、一気にこの物語に登場する“ブラッディ・ロジャー”の様子が描かれる。このめっぽう強い“ブラッディ・ロジャー”の面々、彼らもよく知らない秘密があった。それが徐々に明かされていく。それを歌、芝居、ダンスでスピーディに見せる。彼らの個性、関係性、想い、彼らは仲間を大切にする。クリスは情に厚くジョバンニ(戌峰誠士郎/演:丹澤誠二)に向かって「大事な仲間」と言うが、ジョバンニは悩んでいる様子。そして圧政に苦しんでいる国、民は言う「新しい王は前の王を殺した、前の王は優しかった」と。13年もの間、苦しんでいる民、ついに立ち上がる「暴君を玉座から引き摺り下ろすんだ!」と。勇壮な歌、ダイナミックで展開の早いダンスで表現、クリスは言う「懐かしい気がするんだ・・・・・」。
意外なキャラが意外な行動に、クリスもよく把握していない自分自身のこと、周囲の思惑、本当の王を求める人々、それらが大きなうねりとなって物語を動かし、登場人物を動かす。キャラクターたちの心境の変化、本当に大切なものは?それぞれの登場人物たちがそれぞれの決意を固め、真の平和に向かって団結していく。「俺も戦う!」「勝利を我らに!」そしてラストは言わずもがな。正統派ミュージカルな構成、ドラマチックなストーリー展開、円形の舞台、全てが『正面』、キャラクターの様々な表情、視覚的な面白さ、そして場所柄、ちょっとした仕掛けも施し、アトラクション的な楽しみもあり、『本編』はおよそ1時間45分強であるが、ぐいぐいと惹きつけるステージ、終わってエンドロール。そして・・・・・・、そう!ただの海賊のミュージカルではない!これはteam柊単独公演、『Caribbean Groove』、team柊らしいショーが!ステージ衣装で元気よく!客席も使い、ノリノリで!全部で2時間ほどのステージ、ちなみにタイトルにも使われている”Groove”の意味、基本的には音楽用語のひとつとされており、俗語としての意味は「楽しく、愉快なこと」とか「いかすもの」などの意味がある。タイトル通り、ノリの良い舞台、公演は6月2日まで!
<ストーリー>
時は海賊黄金時代。
カリブ海にたなびく、真紅の海賊旗。
そのシンボルマークに因み、
彼らの通り名は“ブラッディ・ロジャー”
5人のリーダーが率いる、血染めの海賊。
そんな彼らには、誰にも知られていない秘密があった。
<主要キャスト配役>
辰己琉唯 as クリス(演:櫻井圭登)
戌峰誠士郎 as ジョバンニ(演:丹澤誠二)
卯川晶 as アンリ (演:星元裕月)
虎石和泉 as ティエラ (演:高野洸)
申渡栄吾 as アルベール(演:北川尚弥)
<コメント>
◆演出:吉谷光太郎
[見どころ]
舞浜アンフィシアターだからこそ出来る、空間と機構をフルに使ったアトラクションのようなミュージカルです。
楽しい楽曲に包まれた物語がジェットコースターのように進みます。
そこにメインチームの歌とダンス、プロダンサーたちによるダンス、またアンサンブルが脇を固めるパフォーマンスで彩ります。アクションシーンも豊富で、ラストにはレビューショーも。あっという間の2時間のショーです。
難しい物語ではありませんので、誰でも楽しめる内容です。
ミュージカル「スタミュ」1から絆を紡いできたteam柊メンバーだからこそ出来る息のあったパフォーマンスをぜひお楽しみください。
◆辰己琉唯役:櫻井圭登
[見どころ]
色んな形に変わるセットで、景色も変わる。お客さんからの見え方も違ってくると思うので、そこを是非、毎シーン注目していただけたらな、と思います。
また、新曲は全体的に見て欲しいですね。それぞれペアで歌う曲も多いので、キャラクターの心情や、感情も含めて。気持ちを込めながら歌っているので、その点も注目していただきたいです。
今回苦労した点は、やはり、歌です。ミュージカルとして、歌のクオリティを上げないと。前回よりも物語を深く掘り下げた内容なので、繊細に伝えないといけない事がたくさん増えて、それを歌の中でどう伝えるか、とすごく悩みました。
[お客様へのメッセージ]
『SHUFFLE REVUE』公演を経て、また更にパワーアップしたteam柊がお見せできるんじゃないかと自信を持って言えるので、期待して待っていただければ嬉しいです。是非、ご声援のほどよろしくお願いします!
◆申渡栄吾役:北川尚弥
[見どころ]
前回よりもお話しが深く掘り下げられていて、アトラクションのような演出になっています。芝居だけでなく、景色、演出など全体が見どころです。
ミュージカル「スタミュ」の本編とは違った一面を楽しんでいただけると思います。
キャラクター的にも掘り下げられている分、芝居を詰めていく機会があり、アルベールの心情であったり、葛藤している部分を表現するのが大変でした。あとは、自分が出ていないシーンでも物語が進んでいくので、そこの自分の心情や周りとの関係性を繋げていくのが、今回大変でした。また、キャストが増えた分、殺陣などやることが増え、前回よりもスケールアップしたと感じました。体力的にも、こんなに疲れるのか!と(笑)。
[お客様へのメッセージ]
スタミュ約2年間続けてきて、「Caribbean Groove」もこれで2回目となります。キャストも増えてスケールアップした公演を、全体を見て楽しんでいただけたらいいな、と思っております。
芝居の面でもレベルアップしたものをお客様にお届けして、楽しんでいただけるように精一杯やるのみ、と思ってます。
この5人が揃ってteam柊としてやるのは、これが最後。お客様にはその目に焼き付けていただき、一生残るものになっていたらいいなと思います。
◆戌峰誠士郎役:丹澤誠二
[見どころ]
オリジナルキャラが増えたことで、今まで見えていなかった伏線も描かれていて、より深く物語を楽しんでいただけたらと思います。
自分の見どころとしては、“ジョバンニ”はシリアスなシーンがあるので、今までは見えなかった“戌峰誠士郎”と違った一面を見ていただければと思います。
[お客様へのメッセージ]
この円形会場ならではの、後姿や横顔だったり、それぞれ今まで見えなかった部分も注目していただきたい。メインキャストだけでなく、ダンサー、アンサンブル、スタッフも“全員で”作り上げている、色んな人の気持ちが集まって出来上がっている作品だと、みなさんにも感じて、楽しんでいただきたいです。
◆虎石和泉役 高野洸
[見どころ]
前回の単独レビュー公演を経て、今回の本公演「Caribbean Groove」が完成しました。
セットの動きとか照明とか、舞浜アンフィシアターならではの迫力があって、ずっと絵が変わっていって、見飽きないと思います。
前回に比べ、お芝居の要素が増えて、取り組み方もそうですし、より繊細になるイメージがあるので、気持ちを上げていけたらと思います。新曲も増えて、僕らも新しいものをやるって気持ちでいるので、ドキドキしています。
[お客様へのメッセージ]
虎石和泉を演じるのが今回で最後。こんな素敵な環境でやらせていただいて卒業できるっていうことが、凄く嬉しく思いますし、本当にやりきらないとなって思っています。
全力で最後まで、悔いの無いように僕は頑張りたいですし、team柊が学園でエリートとしてずっと維持しているものをを引き継ぎたい。ちゃんと成功させたいです、この舞台を。
普通の舞台より公演期間は短いですけど、全公演しっかり、一つ一つ大事にして頑張りたいなと思っています
◆卯川晶役 星元裕月
[見どころ]
舞浜アンフィシアターは普通の劇場と勝手が違うので色々なことに気をつけなきゃいけないですが、それも楽しみながらやらせてもらっています。
アンリというキャラクターは若くて、13歳の役をやることはなかなかないので、アンリとの向き合い方を毎日考えながら過ごしてきました。アンリとアンリが大好きなブラッディロジャーの活躍を楽しんで頂ければと思います。
[お客様へのメッセージ]
今作は、去年の単独レビュー公演とは違って物語性が強いし、この5人でしか見せられないものをお客さんにも感じてもらえると思います。とにかく何を見て欲しいとかというよりも、見たものをそのまま心に受け取っていただけたらなと思っています。
【公演概要】
ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊単独公演『Caribbean Groove』
日程・場所:2019年5月30日(木)~6月2日(日)舞浜アンフィシアター
原作:ひなた凛
脚本:ハラダサヤカ
演出:吉谷光太郎
振付:ただこ、Jungo、U-SK
制作:パルコ・ポリゴンマジック
主催:ミュージカル「スタミュ」製作委員会
出演:
<team柊> 辰己琉唯役:櫻井圭登、申渡栄吾役:北川尚弥、戌峰誠士郎役:丹澤誠二、虎石和泉役:高野洸、卯川晶役:星元裕月
ジョルジュ役:春山翔、アモルテ役:森山晶之、ピエール役:澤邊寧央
<ダンサー>Jungo、U-SK、yuichimen、Que、YUTAROU、akira
<アンサンブル>仲田祥司、池田謙信、五十嵐胤人