ミュージカル「スタミュ」-3rd シーズン- 「舞台はみんなで作るものでしょ」(星谷悠太)、ステージの幕が上がる、ショーが始まる!

ミュージカル「スタミュ」-3rd シーズン-の東京公演が始まった。今回はオリジナルストーリーとなり、星谷らはフランスへ!
幕開き、アレクサンドル=ベルナルド(法月康平)が登場し、誰かと喋っている。「どうだい?向こうは?」「俺に何か用?」「いますぐパリに来い」「今、出演している舞台をあけるわけにはいかない」、どうも出演依頼をしている様子。そして電話の向こうの主がアレクサンドルに言う。「代わりに若手有望スターを紹介する」と電話の向こうの主が言う。これがことの発端だ。すぐにオープニング、ここで各チーム、各キャラクターの雰囲気などがわかるようになっており、継続して見てない観客でも大丈夫。
先ほどの電話の続き、「君の後輩なんて話にならない」「何色にも染まっていない」という会話。そして物語が始まる、星谷悠太(杉江大志)たちは修学旅行でパリにきていた。シャンゼリゼ通り、凱旋門、もうすっかりお上りさん状態で大興奮!ガイドブック片手にウロウロ(客席に降りてきて「声がけ」も!)。ニュースでパリに新しい劇場ができることを知る。芸術監督はアレクサンドル=ベルナルド、歯に着せぬ発言で常にマスコミに話題を提供してきた人物のようだ。そんな折に街中でスリの被害に逢うが・・・・・。そのスリを追いかけたteam鳳が・・・・・・。

思いがけず、team鳳がパリの舞台に?!レッスンに次ぐレッスン、アレクサンドルのの要求は高いが、それに必死についていく星谷たち。そして、『パリ初舞台』を迎えて・・・・・がだいたいのあらすじ。
セットをスピーディに動かして場面転換、中央に盆があり、そこに階段があるのだが、これがまさに七変化、階段自体は特に変化はないのだが、場面ごとに違う役割を担っており、ここは注目ポイントだ。そしてアレクサンドルの指導の元、星谷たちはパフォーマーとして成長する。パリでは無名だった彼らが1日にして注目の人物たちと変化する。そして2幕目では、なんと!フランシス(樋口裕太)が・・・・・・え?
試練を経て、team 鳳だけでなく、team 柊、team 楪、team 漣も合流、アレキサンドルら皆で一丸となって舞台を創り上げる、シンプルなストーリー構成であるが、キャラクターの心情、状況、そして心意気を歌やダンスで魅せる、という王道ぶり。物語は確かにオリジナルストーリーではあるが『本編』でも違和感のない話、そしてミュージカルナンバー、オリジナルストーリーゆえに新曲が多く、キャッチーで親しみやすいメロディー、音楽で綴る手法、有名なところでは「レ・ミゼラブル」などは音楽が切れ目なく続いていくが、このミュージカル「スタミュ」もまた、音楽は基本的にはほとんど途切れない。そしてなめらかなステージング、俳優がセットを動かしているのだが、曲に合わせて動かすので、場面転換自体も一つの『表現』となる。盆や動くセットが、視覚的な変化をもたらし、立体感のある舞台に仕上げている。

また、杉江大志はじめ、初演からのキャストもいれば、今回『初めまして』なキャストもいるが、そのバランスが良い感じでの緊張感を生み、馴れ合いにならない良い座組になっている。初演から持ち役にしている星谷悠太を演じている杉江大志、安定感もあり、すっかり『星谷悠太』に。劇中劇部分は、それだけ抽出することもできるような内容で、また舞台裏の『あるある』ネタ、リアルに扱いづらい題材かもしれないが、原作がアニメ、という設定を利用し、また物語の場所をフランス・パリにしたことによって妙な生々しさもなく、さっぱりとした表現で好感が持てる。
俳優を目指す若者たちの群像劇、成長と気づき、俳優陣のそれとリンクする。そして学園ものらしさ、ドタバタやすったもんだ、夢に向かって邁進する姿は、時代が変わっても共感できる部分。星谷悠太は「舞台はみんなで作るものでしょ」と言う。俳優だけが頑張ってもできない、スタッフや裏方が一致団結しなければ良い作品は生まれない。そしてアレクサンドルは「胸を張れ!」と鼓舞する。
ラストの劇中ショーは華やか、アニメも好評放映中、「スタミュ」と「スタミュミュ」、良い関係性で作品としても相互に成長、まだまだ星谷たちの物語は続くことであろう。

 

ゲネプロ前に囲み会見が執り行われた。登壇したのは、team 鳳のメンバーである星谷悠太役の杉江大志、那雪透役 の山中翔太、月皇海斗役の反橋宗一郎、天花寺翔役の橘龍丸、空閑愁役の新里宏太。そしてオリジナルキャラクターのフランシス役の樋口裕太とアレクサンドル=ベルナルド役の法月康平。
それぞれの見所は?の質問に杉江大志が皆に「なんだと思う?」と聞きつつ、オリジナルキャラクターを演じる法月康平は「オリジナルストーリーでオリジナルキャラクターで、ここが大きな違い。個人としては星谷と演じるシーンと、フランシスと演じるシーンとみんなで演じるシーンの3つがあります。自分が崩れていく瞬間っていうか、そういうところを見ていただけたら」とコメント。一見傲慢なアレクサンドルの変化は注目ポイント。そして杉江大志も「オリジナルキャラクターとオリジナルストーリーって言うのが一番、と言ってもいいくらい。日本じゃないしね、パリに飛び出して一体何が起きるのか、って言うところ」とコメント。「team 楪とteam 漣が今回、新しく登場して舞台でのオリジナルキャラクターも出てきて今までのスタミュがより広がっていった、今まで以上に色がついたかな?」と言うのは山中翔太。橘龍丸は「場当たりした時に照明と舞台セットがすごい、目で見て楽しめるのがいっぱいある」とコメント。それを受けて杉江大志も「回を重ねるごとにグレードアップ、セットがすごいので、演じる僕らはそれに負けないものを、といつも思っています。新生team 鳳・・・・・でももはや新生感はないなと(笑)、いつの間にかチーム感が出来上がったんじゃないかな、完成度を見て欲しいですね」と語る。反橋宗一郎は「アニメの声優さんが演じられて、それを引き継ぎましたが、ミュージカルでしかできないものを作ろうと臨んで、たくさん教えてもらいながら・・・・間に合ったんじないかな?と思います」とコメント。また新里宏太は「アレックスと関わるシーンが多いので・・・・関係性や最初の関わり合い、エンディングに向けての関わり合い、心情の動き、そしてフランシスの感情のかき乱し方・・・・ね。(「そこは観てのお楽しみ」と樋口裕太)」フランシスの言動はこのストーリーのキーとなってくる。「2.5でのオリジナルって言うのは初めて」と樋口裕太。「この作品が続いていく中で、オリジナルキャラクターが出る意味と新しい色を加えられたら」と続ける。
また、オリジナルストーリーなので、新曲もたくさん!新里宏太は一言「大変でした!原作にはないので、インスピレーションを引き出しながら」といえば、杉江大志も「どう歌おうかとね・・・・・ディスカッションできているのが幸せですね」とコメント。空き時間があれば、すぐに練習していたとか。また新里宏太も「オリジナル楽曲が魅力を引き出している」と語る。衣装の話になり、「かっこいい!」と皆で口々に。衣装が細部まで凝ってるので、ここはしっかりとチェックを。
最後に
「オリジナルキャラキターを演じるにあたり、ここまで愛されている『スタミュ』、こんなストーリーが原作でも出てきてくれたらなと。アレックスやフランシスが実際にいてくれたら、と思ってもらえるように演じたいと思います」(法月康平)
「オリジナルキャラクターとして出る意味をしっかり伝えて舞台上で新しい『スタミュ』を」(樋口裕太)
「今回、初参加となりまして、慣れないところもいっぱいありながら、そういうところも仲間と一緒にカバーして互いに支え合ってここまできたので千秋楽まで精一杯!」(橘龍丸)
「令和、一発目の夏、この気温に負けないくらいなステージにしたい!」(新里宏太)
「参加できて幸せだと思います。このミュージカルに出演して『上がったぞ』と言ってもらえるように頑張って行きたい」(反橋宗一郎)
「オリジナルキャラクターに動かされていく・・・・僕たちもステージ上で思うがままに純粋に演じていきたい」(山中翔太)
「本公演の第三弾、たくさんの方に応援していただいて支えていただき、こうしてここまでやってこれたなと。『スタミュミュ』って他の作品よりもお客様に支えていただいて、成り立っている作品だなと思っています。3つ目、『スタミュミュ』として集大成になるんじゃないかなと思っているので、この作品もみなさんに支えていただいて一緒に作品を作っていただけたらと思います。今回は原作に全くないお話なので、『こういう展開があるんだろうな』っていうのは予測できたのですが、それが全くなく『どうなるんだろう』ってお客様は観に来てくれるんだろうと思いますが、その『どうなるんだろう』っていうワクワク感を楽しんでいただいて、一緒に『スタミュ』の世界に飛び込んでいただけたらと思います!」(杉江大志)

<ストーリー>
STAGE は永遠じゃない。いつかは自分で幕を引く。最高の演出で。
それが――美学というものだ。
『憧れの高校生』を追って、音楽芸能分野の名門・綾薙学園に入学した星谷悠太は、team 鳳の仲間と共に、学園の花形であるミュージカル学科への入科を果たした。 2年生に進級し、新しい出会い、新しい試練を経て、ついに果たした憧れの高校生・鳳樹との共演。team 柊、team 楪、team 漣と いう仲間を得て、一回りも二回りも大きくなったカンパニー。 そんな星谷と仲間たちが迎える新たな物語の舞台は――フランス!?
夏の卒業記念公演と秋の綾薙祭公演を終えた星谷たちミュージカル学科2年生。冬の一大イべントである修学旅行でフランスのパリへとやって来た。束の間ミュージカル俳優の卵であることを忘れて楽しむ星谷たちだったが、蜂矢がスリに遭遇したことで平和 ムードが一変。スリを追ってパリの街に迷い込んだteam鳳が謎の男たちに拉致された!? 残されたメンバーの前に突然現れたのは、里帰り中(&付き添い)のあの人たち!?
時同じくして――フランス演劇界には大きな動きが……。 キーパーソンは新進気鋭の若手演出家・アレクサンドル=べルナルド(通称アレックス)。優秀だが傲慢な彼のお目当ては、日本ミュージカル界のプリンス・月皇遥斗。しかしブロードウェイ遠征中の遥斗は彼の舞台には立てないと告げる。その代わり、と遥斗が提示した未来の日本ミュージカル界の担い手たちとは……。
青春ドタバタ・ミュージカル、新たな幕が上がる――。
<出演>
星谷悠太役 杉江大志、那雪透役 山中翔太、月皇海斗役 反橋宗一郎、天花寺翔役 橘龍丸、空閑愁役 新里宏太 辰己琉唯役 櫻井圭登、申渡栄吾役 北川尚弥、戌峰誠士郎役 丹澤誠二、虎石和泉役 高本学、卯川晶役 星元裕月 揚羽陸役 大見拓土、蜂矢聡役 石田隼、北原廉役 澁木稜、南條聖役 小波津亜廉
楪=クリスチアン=リオン役 釣本南(Candy Boy)、漣朔也役 TAKA(CUBERS)
フランシス役 樋口裕太/アレクサンドル=ベルナルド役 法月康平

【公演概要】
作品名:ミュージカル「スタミュ」-3rd シーズン-
日程・場所:
<東京公演>
2019年8月12日(月祝)~25日(日)18公演/日本青年館ホール
<大阪公演>
2019年8月29日(木)~9月1日(日) 7公演/森ノ宮ピロティホール
原作 : ひなた凛
脚本 : ハラダサヤカ
演出 : 吉谷光太郎
振付 : ただこ
主催 : ミュージカル「スタミュ」製作委員会
公式HP : http://star-mumu.com
公式Twitter: @star_mumu
クレジット表記:© ミュージカル「スタミュ」製作委員会