女の会話は脱線が基本! 大人のほろ苦コメディー舞台「不機嫌な女神たち プラス1」開幕!

2019年10月19日(土)に舞台『不機嫌な女神たち プラス1』が東京・紀伊國屋ホールにて開幕した。本作は、女性3人と男性1人だけで繰り広げる、可愛い大人たちのほろ苦い日常をコミカルに描いた会話劇。

出演は、和久井映見、羽田美智子、西田尚美、谷原章介という超豪華俳優陣が名を連ねる。脚本を、NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」「ひよっこ」など数多くの国民的ヒットドラマを手掛けてきた日本を代表する脚本家・岡田惠和が特別に舞台向けに書下ろし、演出を笑いの中に人生の悲哀を描き出す田村孝裕が務める。

物語は、とある田舎町のはずれにある無人のカフェにタケオ(谷原章介)がやって来るところから始まる。そこに戻ってくるカフェのオーナーの郁子(和久井映見)と、郁子の幼なじみのさつき(西田尚美)。2人の存在に気づいたタケオはとっさに身を隠す。

郁子は数年前に旦那と離婚し、娘は都会へ行って全然戻ってこない。介護していた親も死んでしまい暇をもてあましている。そんな郁子と子供の頃から一緒に過ごしてきたさつきは地味で無口で、郁子にとって張り合いがない。

そんなとき、東京で作家になったはずの同級生の桂(羽田美智子)が帰ってくる。女3人が久しぶりに揃った夜、やっぱり昔話になって、やがて恋愛の話に。久しぶりの再会に話が盛り上がる中、身を隠していた「プラス1」の男・タケオが3人の前に姿を現す……。

舞台は一幕のみで2時間ぶっ通しの会話劇。岡田と田村という互いに厚みのある人間ドラマを描くクリエイターの初タッグが生み出すほろ苦さとコミカルさが入り混じったドラマが、同世代の女性3人と男性1人によって濃密な2時間の中で綴られる。

「女の会話は脱線が基本、脱線しない会話はつまらない!」という女性陣たちによって繰り広げられる、大人の女性ならではの女性あるあるが詰まっている会話の数々と、そんな女性陣に振り回されるタケオの姿がクスッと笑わせ、様々な経験を経た大人たちの想いがほろ苦く胸を打つ。

世話好きながら暇をもてあましている郁子を演じるのは、舞台の出演が約6年ぶりで2度目となる和久井。会話に本線がないというぐらいに、おしゃべりで脈絡のない会話を続ける郁子を、楽しげに、そして表情豊かに演じる。

そんな郁子と幼なじみで、腐れ縁のようにも見えるさつきを演じる西田はフシギ系な可愛らしさを見せ、プライドが高く波瀾万丈な人生を送ってきた桂を、羽田は洗練された都会の女っぽさがありながら、どことなく可笑しみを持った姿で演じる。

その3人にプラス1となるのが、かつてモデルで見た目も優しく女性にモテるという、まるで谷原を思わせるキャラクター像のタケオという存在だ。過去の行いが明かされるにつれて、かなり嫌な男と思わせるはずなのに、谷原の爽やかさによって憎めないキャラクターとなっている。

同世代から上の大人たちだけでなく、これからその世代を迎える人たちにもオススメできる、不機嫌な女神たち3人と憎めない男プラス1の再会がもたらす極上のほろ苦コメディーだ。

なお、ゲネプロ前の囲み会見には和久井映見、羽田美智子、西田尚美、谷原章介が登壇し、舞台挨拶を行った。

西田尚美:
舞台での会話が、私たちの実生活の会話となんら変わりがなくて、本当に新鮮で楽しかった稽古でした。一緒にいて、「なんだこいつ」とか平気でそういうことが言い合える同世代風なちょっと先輩なんですけど、そういう気持ちで舞台上でも振る舞えればいいかなと思って、楽しんでやりたいです。

羽田美智子:
脚本が岡田さん、演出が田村さんということで、緻密で寸分の隙も無い会話劇です。その中で私たちも50年近い人生を物語るという、2時間のステージで50年分を埋め尽くすみたいな会話劇になっていて、稽古中もとてもやり甲斐がありました。同世代の役者さんたちとこんなに密にご一緒させていただいて、中身の濃い時間を過ごさせていただきました。きっと素敵な舞台になるんではないかなと期待しています。

和久井映見:
2時間という上演時間の中でこんなにセリフをたくさん話したことは今までなかったんではないかなと思うぐらいの作品です。同世代のこの4人だけでセリフのやり取りをしていきますが、鏡前でも、稽古場でも、劇場に入っても、ずっと誰かしらが話していて、誰かしらが笑っていて、声が途切れることがないという時間を過ごしております。もうそのまま見ていただけたらと思う4人でおります。

谷原章介:
同世代の女性3人たちと関係をもってしまうという役でして、普通に考えますと本当にひどい男で、嫌われやすい役だと思います(笑)。でも、観客の皆さんにちゃんと嫌わせないで、この4人を温かく見守っていただけるように頑張っていきたいと思います。本の内容が今の僕の実人生にリンクしている部分があると言いますか、そういったものがキュッと詰め込まれて、しかも一幕の芝居なんです。2時間が実時間で、さつき、桂、郁子がずっとしゃべっていて、ずっと緊張感の中で緻密な会話劇を繰り広げるので、その緊張感がお客様に伝わって一緒に楽しんでいただけたらと思います。

【「不機嫌な女神たち プラス1」 概要】
出演:和久井映見 羽田美智子 西田尚美 谷原章介
作:岡田惠和
演出:田村孝裕
日時・会場:
<東京>2019年10月19日(土)~27日(日)紀伊国屋ホール
<愛知>2019年11月2日(土)・3日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
<大阪>2019年11月6日(水)・7日(木)サンケイホールブリーゼ
<福岡>2019年11月16日(土)・17日(日)イムズホール
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取材・文:櫻井宏充