『えんとつ町のプペル』THE STAGE 東京公演開幕! 空を、星を知らぬ町で萩谷慧悟、須賀健太らが真実を求める。

2020年1月21日(火)から神戸・AiiA 2.5 Theater Kobeにて開幕した『えんとつ町のプペル』THE STAGEが、1月30日(木)に天王洲 銀河劇場にて東京公演の幕を開いた。本作は、キングコング西野亮廣が脚本・監督を務めた人気絵本作品「えんとつ町のプペル」の舞台化作品。

2016年に発刊以来累計発行部数42万部を記録している人気絵本作品「えんとつ町のプペル」。その舞台版となる本作は、西野自らが脚本を手掛けるオリジナルストーリーが展開し、絵本には描かれていないキャラクターの登場と物語の全貌が描かれる。

出演は、プペル役に”7ORDERproject”のメンバーでもある萩谷慧悟、ルビッチ役に舞台や映画など幅広く活躍する須賀健太、ルビッチの父ブルーノ役になだぎ武のほか、宮下雄也、尾関陸、北乃颯希、谷津翼、皇希、佐久本歩夢、町田マリーと個性豊かな10名となっている。

物語の舞台は、4000メートルの岸壁に囲まれ、煙突だらけの「えんとつ町」。朝から晩までそこかしこから煙があがり、町の住人は青い空と輝く星の存在すら知らない。そんな町で、ルビッチが煙突の上で亡くなった父親ブルーノの紙芝居のことを思い返すところからストーリーが始まる。

ブルーノはこの町にも晴れた空と、輝く星があると自作の紙芝居で住人たちに話していたが、嘘つきと相手にされていなかった。しかし、ルビッチは父の言葉を信じていた……。

ある日、ハロウィンの夜に“ゴミ”人間のプペルが町に現れ、ルビッチと出会うが、町を脅かす存在としてプペルは町を支配する異端審問所から追われることになってしまう。ルビッチはプペルと逃避行を繰り返しながら、様々な人々と出会い、この町の“秘密”に隠された“ひとつ”の真実へと迫っていくことになる……。

とにかくファンタジックな絵本の世界が劇場に飛び出したかのごとく魅力的な世界観がステージ上に広がっている。映像や照明だけでなく、キャストたちが自ら転換を行うセットの数々、そして物語を彩る様々なナンバーが組み合わさり、絵本的な優しさを持ちつつも、煙に包まれた町という少しダークさを併せ持つ幻想的な空間が作り上げられている。

そこに、ゴミ人間でありながら、純粋無垢で無邪気なかわいらしさを持つプペルを萩谷が胸を打つ歌声と共に体現し、亡き父の言葉を信じる一途さがありながら、常に陽気で朗らかな少年ルビッチを須賀が好演。その2人と、本役以外にアンサンブルなども兼ねる他のキャスト陣たちの支えによって、「えんとつ町」の隠された真実を巡る壮大さと心を振るわせる感動の物語が綴られている。

なお、ゲネプロ前の東京初日会見には、萩谷、須賀、なだぎ、演出・児玉明子が登壇し、意気込みや見どころなどを披露した。

萩谷慧悟:
今回、ゴミ人間という役なんですけど、西野さんとお話させていただいた時に「正解がないから大変だよ」と言われて、まさにどうしようかと毎日考えていました。衣装もとても素晴らしくてかわいらしいものが上がってきまして、これをどう扱うのかというところで、一からいろんなことを作り、それが皆さんにプペルとして生きているゴミ人間が映ればいいかなと考えて演じています。

須賀健太:
原作が絵本なだけにあって、神戸公演では客層がお子さんから男性の方などすごくいろんな方々がいらっしゃいました。僕個人としてはそれがすごくうれしくて、それだけでも今回の公演のすごく良かったと思うポイントの一つです。それだけ原作がどの層にも響いているということなので、僕たちは嘘をつかずに一公演ずつ新鮮にやらなければと毎回思っています。今回、僕は役柄的には13歳か14歳ぐらいの少年のつもりでいるんですけど、僕自身は25歳になりまして、おっさんに片足が入りかけているので(笑)、今回は若々しい心を忘れずにやっていきたいと思います。

なだぎ武:
西野の絵本が原作ということで、西野がこの絵本を書いた時にいじってやろうかなと当時に絵本を読んだんです。だけど、うかつにもに泣いてしまい、そっと本を閉じて「西野、いい作品をありがとう」といじることなく終わったんです。それが時を経て、舞台になったときに、舞台に携わる機会を頂きまして、これも何かの縁だなと張り切っています。私はすでに死んでいる役なんですけど、現世で頑張っている息子ルビッチと、あの世から見守っている父ブルーノというこの関係性が舞台で出せればいいかなと思っています。

児玉明子:
脚本を原作の西野さんが書いてくださったので、原作者にしか書けない、絵本にはないストーリーがあります。その中になだぎさんとか、ほかにもまだ絵本には出てこないキャラクターもいるんですけど、そのストーリーが原作者にしか書けないと思うので、そこがまず魅力です。絵本の世界を舞台に表現するというのはすごく大変だなと思ったんですけど、でもそれが舞台ならではのアイデアとか、今の時代には映像もありますし、人間の役者さんの力も使いながら、照明機材とかありますし、そういうのを組み合わせて、舞台ならではの表現で、「煙突町のプペル」の世界が表現できるよう頑張っています。老若男女の皆さんが楽しんでいただける舞台になっていると思うので、観劇デビューは本作でというぐらいな感じで見てほしいです。

【公演概要】
作品名:『えんとつ町のプペル』THE STAGE
日程・会場:
<神戸公演>
2020年1月21日(火)~1月26日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
<東京公演>
2020年1月30日(木)~2月5日(水) 天王洲 銀河劇場
原作:『えんとつ町のプペル』 (著作:にしのあきひろ/幻冬舎刊)
演出:児玉明子
脚本:西野亮廣
キャスト:
プペル役 萩谷慧悟
ルビッチ役 須賀健太  他
主催:ネルケプランニング
公式HP:https://www.nelke.co.jp/stage/poupelle/
公式ツイッター:@poupelle_stage
©POUPELLE THE STAGE PROJECT 2020
取材・文:櫻井宏充