TPAM(ティーパム)‒ 国際舞台芸術ミーティング in 横浜は、 1.アジアと世界の舞台芸術の最新動向を伝える主催公演プログラム、 2.国内外の重要フェスティバル・劇場・芸術文化団体から舞台芸術関係者が集まる交流プログラム、 3.日本の新人アーティストにとって観客開拓・海外公演のチャンスとなる公募プログラムから成る世界有数・国内唯一の国際的舞台芸術プラットフォームとして、 2011年以来毎年横浜で開催されてきました。 1995年に「芸術見本市」として東京で開始し、 今回で25回、 横浜に会場を移して11回、 「TPAM」としては最後の開催となり、 次回(2021年12月)から「YPAM ‒ 横浜舞台芸術ミーティング」(仮称)として新たな展開を目指していく。 (今回はプログラムの規模や形態が例年と異なります)
表現と集会の自由は舞台芸術の、 移動の自由は国際交流の成立条件だったと言えます。 新型コロナウィルス感染症対策の影響でこれらの自由に否応なく制限がかかり、 これまでの舞台芸術と国際交流の概念が解体・再構築されつつあります。
そうした状況下での開催となるTPAM2021は、 「いま・ここ」との遭遇とその経験の共有としてのライブ・パフォーマンスの意味を再考する場でありたいと考えています。 来場参加を基本としながら、 プログラム間の競合を従来より大幅に減らし、 会期前に助走期間も設け、 余裕を持ってご参加いただけるようにしました。 来場が難しい方や遠隔地・海外からのオンライン参加も一部可能です。
また、 この状況下で活動を継続・展開しようとしているアーティスト、 カンパニーのみなさまへの連帯の表明として、TPAMフリンジの登録料は無料。 TPAMフリンジは12月20日まで登録受付、 プロフェッショナルの参加登録・公演予約の受付は12月上旬開始、 一般向けチケットの発売は1月を予定(参加登録やチケットについては「開催概要」をご覧ください)。 舞台芸術の創造・普及・活性化に取り組むみなさまのご参加をお待ちしています。
■プログラム概要(★はオンラインでの観賞・参加が可能、 今後追加の可能性あり)
1.主催公演プログラム「TPAMディレクション」
ホー・ツーニェン(YCAM とのコラボレーションによる)[シンガポール/日本]『Voice of Void』(ワーク・
イン・プログレス) 1月24日(日)~2月7日(日)BankART Temporary(ヨコハマ創造都市センター)
あいちトリエンナーレ2019出品作『旅館アポリア』が大きな話題となったホーが、 京都学派をテーマに山口情報芸術センター[YCAM]とのコラボレーションで取り組むVR作品。 2021年4月にYCAMで発表予定の新作の創作過程を共有します。
山下残[日本]『何だかすべて忘れられないね』★ 1月24日(日)~2月14日(日)TPAM2021ウェブサイト
ダンスの概念を拡張し続けるTPAM主催プログラム最多出演アーティスト、 山下残が、 1995年の第1回TPAM参加以来25年に渡って展開した国際的活動、 出会った人々、 見たもの、 晒された視線、 経験した変化について、 事実のみを語る虚偽のインタビュー。
ホセ・マセダ[フィリピン]作曲『Udlot-Udlot』(1975) 2月8日(月)横浜市役所アトリウム(予定)
フィリピンの民族音楽のリサーチを通して新しい音楽を作り出した作曲家、 マセダによる「30人から数千人の演奏者」のための音楽。 横浜市新市庁舎の開放的なアトリウムで、 TPAMのオープニング・セレモニーの一環として演奏します。 音楽監督:恩田晃。
アイサ・ホクソン[フィリピン]『Manila Zoo』(ワーク・イン・パンデミック) 2月9日(⽕)~11日(木・祝)KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
ディズニーにおける「幸福」の表象をハックする連作パフォーマンス「Happyland」最新作のワーク・イン・プログレスならぬ「ワーク・イン・パンデミック」。 ディズニーの動物キャラに着目し、 人間/動物の監禁状態を「変化」の共同的希求へ転化する試みです。
DULL-COLORED POP[日本]★ 福島三部作 第一部『1961年:夜に昇る太陽』、 第⼆部『1986年:メビウスの輪』、 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』 2月9日(⽕)~14日(日)KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
福島で生まれ、 原発技術者を⽗に持つ劇作家・演出家、 谷賢一が2年半に渡るリサーチを経て書き下ろした合計約6時間の三部作。 東日本大震災から10年、 第64回岸田國⼠戯曲賞受賞の大作を一挙再演。 英語字幕つきで世界にオンライン配信します。
2.交流プログラム「TPAMエクスチェンジ」★
作品やプロジェクトを紹介し合う、 テーマを設定してミーティングを主催する、 舞台芸術の状況をめぐるディスカッションに参加する-新しい情報を得てネットワークを広げるために様々に活用していただける、 TPAMのベースとなるプログラムです。 様々な芸術支援団体やネットワークと提携してのシンポジウムも実施。
国際的移動が難しい状況の中での開催となる今回は、 ほぼ全てのプログラムを来場/オンラインのどちらでも参加可能とします。 TPAM参加者に愛され、 本音の議論と出会いを生み、 多くの「商談」をも成立させた伝説のレイトナイト・ミーティング・ポイント「Amazon Club」もオンラインで再現。 最新情報はウェブサイトでご確認ください。
3.公募プログラム「TPAMフリンジ」★
TPAM会期中に横浜・東京エリアで実施される公演やプロジェクトを国内外の舞台芸術関係者と一般のお客様にご紹介する、 ジャンル不問の公募プログラム。 国内/海外での公演やプロジェクト展開につなげるきっかけとして、 また新たな観客層を開拓するツールとしてご活用いただいてきました。
国際的移動の制限により海外の舞台芸術関係者の来日が減少し、 例年並みの「機会」が提供できない可能性が高い今回は、 参加登録料を無料とし、 会期をプレイベント期間まで拡張しました。 12月20日まで参加募集中。 オンラインで観賞可能な公演の参加も予定されています。 困難な状況下で真摯に取り組まれる上演やオルタナティブな上演形態の作品の登録が期待される今回のフリンジにご注目ください。
■TPAMからYPAMへ
1995年に「芸術見本市/Tokyo Performing Arts Market」として開始したTPAMは、 2011年に名称を「Market」から「Meeting」に変更し、 開催地を横浜に移しました。 通算25回、 横浜での11回の開催を通して、 パッケージされた作品の売買にとどまらない多様な企画、 交流活動、 関連団体との協力を積み上げ、 2015年からはアジアとの国際共同製作にも参画。 現在では国内唯一かつアジアで最も影響力のある舞台芸術プラットフォームとして国際的に認知されています。
2021年12月、 TPAMは、 創造都市横浜との連携を強化し、 地域へのコミットメントと国際的芸術交流を同時に追求する「YPAM ‒ 横浜舞台芸術ミーティング」(仮称)として再出発する予定です。
■開催概要
名称 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2021(TPAM2021)
会期 2021 年2 月6 日(土)~ 14 日(日) プレイベント期間:1 月24 日(日)~ 2 月5 日(金)
主会場 KAAT神奈川芸術劇場、 BankART Temporary(ヨコハマ創造都市センター)、 横浜市役所アトリウム(予定)、 横浜⾚レンガ倉庫1号館
主催 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2021 実行委員会(公益財団法人神奈川芸術文化財団、
公益財団法人横浜市芸術文化振興財団、 PARC ‒ 国際舞台芸術交流センター)
助成 公益財団法人野村財団
協力 BankART1929
後援 外務省、 文化庁、 神奈川県、 横浜市
提携事業 横浜ダンスコレクション2021、 舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)、 ヨコハマアート
サイトラウンジ、 舞台芸術AiR ミーティング、 JaDaFo ダンスシンポジウム2021、 アーツコミッション・ヨコハマ、 ブリティッシュ・カウンシル
公式ウェブサイト: https://www.tpam.or.jp/2021/