《インタビュー》 「Promise You」 DIAMOND☆DOGSリーダー 東山義久

2003年に結成したDIAMOND☆DOGS、博品館劇場でデビュー、今年、2021年で結成18年となる。2018年に2名卒業し、2019年にフレッシュなメンバーが加入。今年は2014年以来、7年ぶりのCRUISING SHOWとなる。前半一部はあるテーマ/モチーフに沿ってダンス&ソングで織り成すステージ、後半二部は全く違うテイストでライブ感覚で楽しめる構成、 DIAMOND☆DOGS 「Promise You」、約束。東山義久が演じる男の栄光と挫折の物語が綴られる。ひとりの男が様々な人々と出会いを通じて、どのような新たな一歩を踏み出すのか…。男を取り巻くのは彼を見守る店主やボーイ、身体に不自由があろうとも懸命に生きるアーティストたちや彼のライバル、仲間、彼は昔の約束を思い出して新たな世界への大きな一歩を踏み出す、というもの。DIAMOND☆DOGSらしく、ダンスや歌で綴っていく。第二部は、ショートプレイ。長澤風海の脚本、しかも脚本執筆初挑戦となる。ワンシュチュエーション・シリアスコメディ…シリアスでコメディ!? ここはサプライズ。出演はゲストなし、DIAMOND☆DOGSの7名だけ。今回、リーダーの東山義久さんのインタビューが実現、結成当時のこと、思い出や、今回の作品についてなどを語っていただいた。

――今回、久しぶりの公演ですが。立ち上げ時の思い出を振り返っていただけますか。

東山:僕はまだ構成や演出もしたことがない時で、舞台の経験さえそれほどなかった時期ですね。ただし、僕がいちばん年上。下は20歳とか19歳とかいましたから。はじめはどうやって作ったらいいのかもわからない状態。でもとりあえず「やりたいことを7人でやる」ということをぶちまけよう、と構成して物語も作ったんです。公演名も「”未完成”」という舞台でやらせていただきました。そのころは音楽なども今みたいに現場で手直しができなかったり、作る人も初めての参加だったり、みたいな状況でした。本当に手探り、手作り、手作業で作りました。「この7人で2時間以上の2幕をどうやって作るんだ」という思いで…今でも鮮明に覚えていますね。

――2003年に立ち上げてから、メジャーデビューも果たしましたが。メンバーも卒業、加入と繰り返しつつですが、今現在のチームについては?

東山:(廣瀬)真平、(新開)理雄、Homerの3人は2年前に入ったばかりだったんですが、コロナ禍でもあったりして、彼らと“ゼロから”作るということをまだしていないませんでした。今まであったナンバーをやるということをしていました、これまでは。だけど今回、はじめて今の7人で作るということで、やっとこのSUPER“D-☆”CRUISING SHOW「Promise You」を通して、スタートラインに立てた感じです。今、稽古を毎日朝から晩までがんばっているところですけれど、みんながようやく自分色のナンバーにして、歌詞や振り付けを入れていく作業を積極的にやっていますよ。

――やはりフレッシュな方が入ると雰囲気は変わりますか?

東山:今までは、一人が抜けたら一人入る、というペースだったんですよ。だから1対6というか。1人を6人で守るみたいな感じでしたが。3人も新しいキャストが入ると雰囲気が変わりますよね。だいぶ。今までのDIAMOND☆DOGSとは違う部分がそれだけ多いと思うんですけれど。やはり僕らはアイドルではなく、各々が舞台人であり、その集合体だと僕は思っているし、みんなもそのつもりで参加しているんです。しかしながらフレッシュな3人はまだ舞台の経験もそれほど多くはない。だから、新しさの一方、こちらにも合わせる必要がある。ライブではなく、あくまで舞台作品ですので、ノリだけではいけない。演じて歌えるか、演じて踊れるか。ここが大事で、いわゆるバックダンサーみたいな立ち位置とはまた違うところを求められます。なので、新メンバーの3人が入って面白い部分ももちろんありますが、一方では「もっとこう踊って、こう考えて」舞台に参加してくれればもっと表現も広がっていくのにな、とは思っていて…期待も込めたもどかしさというのもあるので、一人ひとりとたくさん話をしながら、ナンバーを作っています。なるべく、できない踊りに挑戦させるというよりも、もっと彼らがよく見える方法を考えながら振り付けを作るようにしています。一番大事なところは、今回「Promise」すなわち「約束」をキーワードにして、1幕を綴っているんですが、それぞれが決めた約束というものを歌と踊りに託した場合どうなるのか、ということを考えながらやっているところですね。

――ということは、今回はお芝居に寄せた内容になっている?

東山:CRUISING SHOWはもともとおおまかな構成ができていて、1幕はキーワード、今回でしたら「約束」に合わせて歌とダンスを綴るというのがCRUISING SHOWの作りなんです。打って変わって2幕の方は、それぞれにとってのスペシャルな歌や踊り、それもジャンルがバラバラではあるんですが、とにかく「やりたいことをやろうよ」というテンションでやっています。
そんな中で、毎回CRUISING SHOWでやらせていただいているのが、お芝居のコーナー。DIAMOND☆DOGSの音楽をBGMで使ったりして20分から30分、7人だけで……そして今回は長澤風海くんがはじめて書く脚本のもと、お芝居をする。特に2幕の見せ場になっているので、注目してほしいところではあります。

――長澤風海さんの脚本については?

東山:1年半くらい前に、違う舞台で一緒になったときに話をして、「脚本を書いてみたい」と言っていたんです。もともと一人の時間が好きな人でもありますし(笑)。そんななか、脚本に興味をもってシナリオや台本の書き方を勉強したらしいです。ちょうどその少し前から次のCRUISING SHOWの話をしていたところでしたので、プロデューサーとも話してみまして、どうなるかはわからないけど長澤さんに書いてもらおうか、と決めた次第ですね。

――稽古はすでに始まっているとのことですが、進捗状況は?

東山:やっている身としては、スケジュールが順調なのかそうでないのかがわからないんですよ(笑)。毎回メンバーと……特に、先導を取ってもらっている(中塚)皓平に「これ今順調なの?」と確認しながらやっている感じ。「僕もわからないから信じましょう」としか返ってこないんですけど(笑)。自分たちで演出も構成も振り付けもしているせいか、朝から稽古場のタイムリミットぎりぎりまで、ずっと7人で過ごしているんです。そのうち3時間くらいは確認作業で各々端にいるという奇妙な時間が流れるんですけれど。そもそも練習する内容を作るところまでが難しいですから。踊る技術よりも作る工程の方に苦労しているようですね。どうやって彼らに合う振り付けを、彼らに合う歌を、音楽をということを考えている状況ですね。進んでいると信じたいんですけれど。

――最後にメッセージを。

東山:今、ショウみたいなことをやるグループがもう珍しくなっていると思うんですよ。DIAMOND☆DOGSが7年ぶりに、ちゃんとゼロからメンバーたちが作っていくものを観てほしい部分もありますし、コロナ禍の状況でお呼びすることが果たしていいのだろうかと思うこともあります。それでもお客様をお迎えする体制は整えられるよう、そのための完全な対策も施しています、自分たちの歌や踊りを、お客様に観てほしいという気持ちはどこにも負けないので。「この人たちもがんばっているから私も、僕もがんばろう」と思わせるようなエネルギーを、舞台上から客席にお届けしたいなと思っています。

――ありがとうございました。公演を楽しみにしています。

<DIAMOND☆DOGS:Profile>
2003年、ダンサー5名+ヴォーカリスト2名の7名により始動。
同年、銀座 博品館劇場にて鮮烈なデビュー公演。その後、舞台を中心に活動を続け、 2013年メジャーデビュー。
2018年にメンバー2名が卒業し、一年間の充電期間に入り各々がソロで活動後、2019年夏に新メンバーを加えて再始動。

<公演概要>
日程・会場:2021年7月28日〜8月4日 博品館劇場
キャスト:DIAMOND☆DOGS
東山義久
中塚皓平 和田泰右 咲山 類 廣瀬真平 新開理雄 Homer
構成・演出・振付:D☆D
音楽:TAKA NASA
ACT脚本:長澤風海
プロデューサー:栫 ヒロ
企画・製作:博品館劇場/M・G・H
劇場公式HP:http://theater.hakuhinkan.co.jp
構成協力:佐藤たかし
撮影:金丸雅代
取材:高 浩美