インド舞踊・東欧音楽・マーシャルアーツダンス_ 「『穴姫』~未来に捧げるオマージュ讃歌~」 虚構の中、至極個人的なノンフィクションが演じられる。そこは、網目のような『記憶の交差点』。

インド舞踊や女優で活躍する山崎春が立ち上げた「Kinema工房」が初めての公演「穴姫」~未来に捧げるオマージュ讃歌~ を、11月19日・20日にシルクロードカフェ(錦糸町)にて上演する。

主催する「Kinema工房」は、文化芸術の発展を目的とする、多分化共生につながるイベントや公演の企画·制作を始めたばかり。
初めての公演となる 「穴姫」~未来に捧げるオマージュ讃歌~ は、
オリエンタルでスラブの香りの中、原作戯曲と出演者らの至極個人的記憶と経験の、交差点となるステージになる。
https://www.youtube.com/watch?v=0z-ihhDw4dU
出演は7組13名。
山崎自身がパーフォーマでもある東インド古典舞踊を、師でもある篠原英子とともにSWASTIKAで出演。

Team IMPALAの加世田剛と横山真希は、中国武術によるオリエンタルなマーシャルアーツ·ダンスで出演。

石井静は創作舞踊と構成、美術で参加し、市&雷仁が共に出演。

20年振りに穴姫を演じる奈賀毬子。年月が経ち、新たなKinema工房の中で『穴姫』をどの様に演じるのか楽しみである。

音楽は生演奏でトラペ座が参加。東欧、バルカン半島、黒海沿岸、コーカサス地方の民族的メロディや、映画音楽へのオマージュ曲が彼らの音楽だという。

「販売」でクレジットされているマサラワーラーは、本公演チラシを描いた画家の武田尋善と、シタール演奏家でContiメンバーの鹿島信治のふたり。会場内でインド料理を販売するとのことだが、きっと、それだけじゃないようだ。

原作はKinema工房を主宰する山崎春の養成所時代の稽古台本。彼女からは「穴姫の物語世界と自身の記憶の交差から生まれる舞台となる」と本公演にあたって述べている。
このステージが、観客で訪れた方々は自身の記憶の交差点で彷徨うことになるだろう。

 

〈あらすじ (原作)〉
名前がないばかりに、本来自分の心中にあるべき”何か”の欠落に気づくことなく、
終日ひたすら穴を掘り続ける女。
彼女の心の声を聞いたのか、海彦、山彦がやってきて、
「何で穴を掘っているのか」と
問いかける。
そして、彼らには名前があるということ、そして、彼らが自分の声で自分の唄を
うたっている姿をみて、
穴姫の内部に変化が生まれていく。
山彦が彼女に「穴姫」と名前をつける。
山彦が穴姫に 「今日からは自分の責任で、自分の心で生きていく。….
やっかいなことだが、悲しい時には素直に涙を流し、嬉しい時には大声で叫ぶ…もう私を呼ばないでくれよ…」
と言葉を残し去っていく。
名前がついた穴姫は、
はじめて美しい夕陽に気がつく…

 

〈「穴姫」公演にあたり  山崎 春〉
これは、私が「キネマ工房」という俳優養成所にいた時の稽古台本です。20年前、私はどこまで理解して稽古をしていたのか。そして、
穴姫は今、自分の唄を歌えているのか… 私は、穴姫が山彦を呼んだように、故人で原作者の昭麿さんを呼んだのかもしれません。そして、この作品を通して自分の唄を探しているのだと思います。
今回の作品では、彼女の掘っている穴を「記憶の穴」と見立て、穴から聞こえる歌や踊りによって穴姫が何かしら変化していく、という設定にしました。この作品は私の至極個人的な記憶と経験を通したノンフィクションの作品です。 ただ、今回この作品にご参加していただく皆様もそれぞれの記憶と経験をもち、この「穴姫」という虚構の作品の中で、至極個人的なノンフィクションを演じていただき、その網目のような「記憶の交差点」がどのように科学反応するのか… そのようなことをやりたいと思っています。そして何よりも、目の前のお客様にとって記憶に残る公演になればと願っています。
〈概要〉
日時:2021年11月19日(金) 19:00/20日(土) 14:00/18:00
会場:シルクロードカフェ   https://www.silkroad-cafe.com/access/
JR・東京メトロ 錦糸町駅の会場に近い出口から徒歩3分
料金:3,500円 / 高校生以下 2,000円  ※消費税込
申込 kinemakoubou2021@gmail.com
出演:
 SWASTIKA (東インド古典舞踊オリッシー)
 篠原英子  山崎春
Team IMPALA (マーシャルアーツ·ダンス)
 加世田剛  横山真希
トラペ座 (演奏)
 多田葉子:Clarinet, Soprano Sax
 大野慎矢:Accordion, Gaida, 歌
 菅原雄大:Cello
石井静/市&雷仁 (ACT)
マサラワーラー (販売)
奈賀毬子 [肯定座] (ACT)
原作:加島昭麿/加島春海 脚色:山崎春 構成:石井静
チラシ絵:武田尋善 舞台監督:茨城ヲデル
美術:石井静 舞台撮影:金丸雅代
チラシ製作:大塚利秋 広報:千田浩司(テイメント)
協力:株式会社Kiesselbach、桜井徹 企画·制作:Kinema工房