赤松健さんの人気マンガ「魔法先生ネギま!」(2003年~2012年)を原作とした舞台「魔法先生ネギま!~お子ちゃま先生は修行中~」が2018年7月12日(木)から16日(月・祝)までAiiA 2.5 Theaterで上演中。
主演は5月に乃木坂46を卒業したばかりの生駒里奈。21人のキャスト全員が女性という非常に華やかで賑やかな舞台だ。
12日夜の公演に先立ち、ゲネプロが関係者に公開された。
ゲネプロ前の記者会見には、主役ネギ・スプリングフィールド役の生駒里奈、ヒロイン神楽坂明日菜役の松岡里英、近衛木乃香役の愛 わなび、宮崎のどか役の歌田初夏(AKB48)、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル役の北川愛乃(SKE48)、絡繰茶々丸役の西潟茉莉奈(NGT48)、雪広あやか役の神志那結衣(HKT48)ら21人のキャスト全員が登場した。
主演の生駒は、「今回は個性あふれるキャストの、かわいい女の子の沢山出る舞台というだけでなく「ネギま!」というたくさんの皆さんに愛されている漫画が原作の舞台です。(舞台が)開けてから生まれることもあると思うんですけど、稽古中に生まれた絆がこの2年A組には沢山あるので、そういうところも見どころに皆さん楽しんでいただけたらなと思います」とあいさつ。
「今回のキャストは、アイドルや大学生などと掛け持ちの子も多く、全員が集まっての稽古は難しかったが、そこを補いながら支えあって進めてきた。なんて素敵な女の子たちなんだろうと思っている」と稽古の苦労とキャストへの信頼を口にした。
舞台内容についても「今回初の舞台化で、戸惑いながらも、私たちがこれを作り上げるんだという気持ちで自信をもって作り上げてきた。皆さんにお見せするものは、キラキラ輝いた楽しいものになっていると思います」語り「必ず笑顔で皆さんを送り届けたいと思います」と意気込みを言葉にし、笑顔を見せた。
取材陣から「女の子ばかりのキャストをどういう風にネギ先生とまとめていったのか」との質問が委員長役の神志那結衣に飛び、神志那は「役柄では委員長だけど、役だけで全然まとめられてないんです。(松岡)里英さんや生駒さんが代表してまとめてくださってます。今回、年上の方が多くて、最年長は26歳の方もいらっしゃるので……」と大胡の方を見ると、大胡は「シー!」と慌てた様子を見せた。神志那は続けて「私は全然委員長としての役目を果たせていないとおもうんですけど、役柄ではしっかりまとめていきたいと思います」と一生懸命話す姿に周囲からは笑顔が漏れた。
乃木坂卒業後の初舞台に対して生駒は「よく質問されることなんですけど、やる本人は私で変わってないので、特に変化はないです。今までも今もそうですけど。初めて出会った人間と一つのものを作るという面白さは毎回変わらずありますね」と落ち着いた様子で語った。
今回の舞台は原作単行本の1~3巻、イギリス・ウェールズにあるメルディアナ魔法学校を首席で卒業し魔法使い見習いとなった10歳の天才少年ネギ・スプリングフィールド(生駒)が、立派な魔法使い“マギステル・マギ”になる修行として派遣された先、日本の麻帆良学園女子中学校で個性的な女子生徒達に振り回されたり、様々な事件に巻き込まれていく姿とそれによる彼の成長を描いている。
教育実習生として正体を隠したまま、自分より年上の女子中学生たちに英語を教えることになったネギは、学年最下位のA組の成績を何とかするためにヒロインの明日菜ら「バカレンジャー」と呼ばれる赤点連発の生徒たちの成績をアップに奮闘したり、生徒を狙った吸血鬼と戦ったりするなかで、生徒たちとの絆を深めていくのだが、この物語を彩っていくのが個性豊かな生徒たちだ。
強気だがどこか優しいヒロイン神楽坂明日菜、理事長の孫で関西弁の癒し系の近衛木乃香、おとなしいけどネギには積極的な宮崎のどか、いつも丁寧なお嬢様言葉で少々高飛車な委員長の雪広あやか、ネットアイドルにカンフー少女、吸血鬼やロボットまでいる。
彼女たちの存在とネギとの間に結ばれる絆が(それは契約という形で結ばれるものかもしれないが)、この物語に単なるネギの貴種流離譚ではない広がりと深さを与えている。それに舞台上で起きる様々な事件を通して、19人の生徒それぞれの個性が見え隠れするのがとても面白い。
委員長・雪広あやかとヒロイン・神楽坂明日菜のやり取りに漂う緊張感、神楽坂明日菜と近衛木乃香の間にある安心感、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルと絡繰茶々丸の間の信頼感、山でネギが出会う長瀬楓の修行中の安定感、等々。
なかでも感心したのが宮崎のどか役の歌田初夏の動きの愛らしさと雪広あやか役の神志那結衣の動きと立ち姿だ。ネギに対するのどかの思い、あやかの正しく委員長であろうとする姿が仕草や動きを通して伝わってくる。
そして本舞台のトリックスターである“オコジョ”アルベール・カモミールが引き起こす小さな事件と笑いが、物語の展開に緩急を与え更に楽しいものにしている。アルベール・カモミール役の斎藤亜美のコミカルで緩急のある動きと演技がすばらしい。
スピーディな展開と合間に挟まれる切れの良いダンスに、物語にぐいぐいと引き込まれていき、気が付けば1時間45分があっという間だった。カーテンコールに「もう終わってしまうのか」と残念に感じる面白さで、ネギたちの物語の続き、続編を求める声も多くなるだろうと感じた。今後、続編の舞台化への期待が高まる作品だった。
<ストーリー>
魔法が存在する世界―。 イギリス・ウェールズにあるメルディアナ魔法学校を首席で卒業し、魔法使い見習いとなった10才の少年、 ネギ・スプリングフィールド。通称ネギ。 ネギは、最上級の魔法使い〝マギステル・マギ′′になりたいと願い、日本にある麻帆良学園へ修行のために 派遣されることに。自分の正体を隠したまま教育実習生として、自分より年上の女子中学生達に英語を教え ることになったネギ。めくるめく、波乱万丈な修行の日々が始まる!!
【概要】
舞台「魔法先生ネギま!~お子ちゃま先生は修行中!~」
期間 2018年7月12日(木)~7月16日(月・祝)
会場: AiiA 2.5 Theater Tokyo
原作: 赤松 健『魔法先生ネギま!』(講談社)
脚本・演出: 畑 雅文
主演: 生駒里奈
松岡里英 愛 わなび 歌田初夏(AKB48) 北川愛乃(SKE48) ⻄潟茉莉奈(NGT48) 神志那結衣(HKT48)/
高槻みゆう(YOANI1年C組) 門田奈菜 榊 美優(STU48) 川上明莉
小野沢 蛍 森 憩斗 奥村優希 谷川愛梨(NMB48) 仲 美海(劇団4ドル50セント) 豊島美優 木原実優 斎藤亜美
竹内 夢 大胡愛恵/
公式サイト:https://www.nelke.co.jp/stage/negima/
公式ツイッター:https://twitter.com/stage_negima
主催: ネルケプランニング Y&N Brothers 講談社
©赤松健/講談社
©赤松健・講談社/舞台「魔法先生ネギま!」製作委員会2018
写真・文:菖蒲剛智