脚本家、演出家 マキノノゾミによる企画Makino Playの第2弾公演はハリウッドを舞台にする「モンローによろしく」、22年2月上演。
今作は1993年にマキノ主宰の劇団M.O.P.にて上演し、同年、東筑紫学園戯曲賞を受賞した作品で初の再演。
主演のハリウッドスター男優キースを演じるのは時代劇から2,5舞台まで幅広く活躍する財木琢磨、そして女優志望の娘シェリーに今年だけでも6a作品の舞台に出演している那須凜。そしてオーディションで選ばれた出演者と共に脇を固めるのは劇団M.O.P.の劇団員でもあった三上市朗。 1940〜1970年代のハリウッドを舞台に現代のエンターテインメント界が抱える問題と、⺠主主義の危機の今を生きる我々がどこに向かうべきかを問いかけていく。
物語は1941年、映画の都ハリウッド。新進気鋭の映画監督ビリーとその親友でもあるスター男優のキースは、これまでの常識を打ち破る野心作の製作にあたり、相応しいヒロイン役の女優が見つからず頭を悩ませている。だがそこへ飛び込んで来た女優志望の娘シェリーの中に輝く才能を発見する二人。二人三脚の映画作りが始まるが、やがて日米開戦。終戦後のレッド・パージ(赤狩り)。 世の中がエンターテインメントに望むものも次々に変貌してゆき、映画に賭ける彼らの純粋な想いは容赦なく時代の波に 呑み込まれてゆく。
<マキノノゾミより>
わたしの原点
『モンローによろしく』を書いたのは28 年前で、わたしの作品中でもかなり初期のものです。初めて戯曲として賞をい ただいたこともあって、個人的には格別な思い入れのある作品です。 まだまだ戯曲の書き方といったものを、無手勝流に、手探りで模索していた時期でもありました。 今となっては「翻訳劇調の台詞でハリウッドの赤狩りのことを書く」などという荒唐無稽なアイデアを一体どこから思い ついたのかもよく覚えていません。ただ、この作品が、現在に至るわたしの戯曲スタイルの原型であり、演劇というもの についての、わたし自身の考え方を決定したものであったことは事実です。 かねてから、原点に戻る意味で、この作品をさらにブラシュアップしてみたい、それを新しい俳優たちと上演して、現代 の観客に再び投げかけてみたいという思いを密かに抱いておりました。
今回はその夢を実現しようと思います。
<Making Playについて>
Makino Playは、脚本家・演出家のマキノノゾミによる企画公演。2021年1月本多劇場にて「東京原子核クラブ」を上演し、今回はその第2弾。マキノノゾミが他団体へ書き下ろした作品含め、過去の作品を改めて自らの手で上演していきたい、新たな俳優、スタッフとの出会いも広げていきたいという想いからスタート。
<概要>
日程・会場:2022年2月3日〜2月13日 座・高円寺
脚本・演出:マキノノゾミ
出演:財木琢磨 那須 凛 / 石川湖太朗 岩男海史 鹿野真央 古河耕史 林 大樹 菊池夏野 / 三上市朗
スタッフ:美術:奥村泰彦 照明:中川隆一 音響:佐藤こうじ 衣装:三大寺志保美 ヘアメイク:今野ふき子 音楽:清水一雄 映像収録:ワタナベカズキ 演出助手:齊藤理恵子 舞台監督:矢島 健 イラスト:徳永明美 宣伝美術:江口伸二郎 WEB:牛若 実 制作助手:高本彩恵 制作:関根明日子(明後日) 渡辺順子