パルコ・プロデュース 2022Death of a Salesman『セールスマンの死』
演出 ショーン・ホームズ × 主演 段田安則 4月4日、PARCO劇場にて開幕！
長野、京都、愛知、兵庫、福岡 巡演。
アーサー・ミラー作、エリア・カザンの演出により1949年ニューヨークでの初演されてから742回の上演という、当時としては画期的なロング・ラン公演に。トニー賞、ニューヨーク劇評家賞、ピューリッツア賞を受賞した近代演劇の金字塔となる作品。
『セールスマンの死』は、ウィリーが帰宅した月曜日の深夜から、自ら命を絶つ火曜日の深夜までの、わずか24時間が舞台です。わずか24時間の中に、初演当時としては斬新であったフラッシュバックの手法で、ウィリーやまわりの家族の過去の記憶が巧みに織り込まれていく。
ウィリーの保険金で家のローンが完済されたことを嘆く妻の独白で終わる。
そして今回、演出家には英国有数の劇場で数々の演出作を手がけ、本作と同じくアーサー・ミラーの『プライス(対価)』が評判となり、日本では2020年にサイモン・スティーブンスの新作戯曲『FORTUNE』のワールド・プレミアを開けたショーン・ホームズが担う。
日本でセンセーショナルな演出が記憶に新しいショーンと共に、新進気鋭の女性美術・衣裳デザイナー・グレース・スマートが、新たに作り上げる。主人公ウィリー役には舞台のみならずテレビ・映画の世界で、変幻自在に活躍、日本を代表する俳優となった段田安則。65歳の節目に、満を持してウィリー・ローマン役に挑む。
また、ウィリーを支える妻リンダ役にはテレビ・ドラマに幅広く活躍し輝き続け、本作が25年振り2回目の本格的舞台となる鈴木保奈美。長男ビフには福士誠治、次男ハッピーは林遣都、友人のチャーリーに鶴見辰吾、そして幻想の中に登場する兄ベンは高橋克実。さらに前原滉、山岸門人、町田マリー、皆本麻帆、安宅陽子らが出演。
公演に先駆けて取材会が行われた。まずはフォトコール、第1幕の中盤から後半にかけてのシーンが公開された。ウィリーは友人のチャーリー（鶴見辰吾）とカードゲームをするが、死んだ兄ベン（高橋克実）のことを回想しているうちに、現実と過去の区別がつかなくなり、ゲームを投げ出す。現在、過去回想、現実、現在と回想を彷徨う主人公・ウィリーの姿がぐっとクローズアップされてくる。
会見に登壇したのは、段田安則、鈴木保奈美、福士誠治、林遣都、鶴見辰吾、高橋克実。
まずは挨拶から。
段田安則「１週間ぐらい前は『大丈夫かな』と不安が。でもそこそこいけるんじゃないかなと。数々の名作舞台があったと思いますが、今回も失敗はないと…。主人公は理想を持っているが、そううまくいかず、現実とのギャップで苦しむ。息子たちに理想を託したことでそこでも挫折している、生き方の下手なおっさんです…演出が…途方もない空間『これがあの名作か』と。ぜひ、ご覧いただきたいと思います」
鈴木保奈美「 どうぞ、お楽しみください！」
福士誠治「観たことがある方もないかたもぜひ、劇場へ！」
林遣都「大変な世の中ですが、劇場へ」
鶴見辰吾「このパルコ劇場で『セールスマンの死』を披露するのを嬉しく思っています。渋谷という世界の中の大都会で、この芝居を見たお客様がどう感じるかを考えると演技のしがいがあります。家族の話ですが、とても深い戯曲です。二度三度見て味わっていただきたいと思います」
高橋克実「段田さん演じるウィリーの兄です。セットも斬新です。お待ちしております」
それから、質疑応答。
段田安則は「リアルというか、今までにない『セールスマンの死』、きっと斬新な、でも奇をてらったわけではなく、本質をついた演出。現実の24時間を描きつつ、ウィリーの頭から出る妄想と回想、ここが演出の腕の見せどころ、うまく視覚的に演出されている」とコメント。
また、舞台が久しぶりという鈴木保奈美は「私は、ただただ皆様についていくだけで。通し稽古と返し稽古、プレビューとゲネプロ、もう舞台の用語もわかってい（苦笑）。そのままやってきました（笑）…私は生前の父とあまりコミュニケーションが取れなかったので、さらけ出して、こんなに言い合える家族はうらやましいです」と語った。
また稽古については福士誠治は「充実した楽しい時間だったなと思っています。本読みやって、最初から最後まで通してやったりとか、二週目はより深く、三週目は、さらに深くなる、完成したと思ったら、さらに変化がある…深い戯曲だなと感じています。頭が一回も休まっていない状態」とコメント。
林遣都も「毎日、びっちり稽古、この約1ヶ月間の稽古は、部活のような日々でした。演出のショーンさんがみんなを集めて反しているところはまるで部活の監督のようでした。今日からみんなで試合に臨むような気持ちです」と意気込んだ。
鶴見辰吾は、「芝居のしがいがすごくあります。（ウィリーは息子への）愛情ゆえに空回り、夢を追っていた自分の亡き父を見ているよう、そんな感じです。ウィリーがベンに『父さんはどこ？』と聞くシーンは涙が出ます。段田さんは素晴らしいウィリーです」と語る。
高橋克実は「自分とウィリーと重なる部分が多い、『自分も子供のとき、親にこんな態度をとっていたな』と。演じると余計にそういう描写で心に触れてきますね」とコメント。
最後に座長でもある段田安則は「阪神があれだけ負けていることも、どこかに消えてしまうくらいに（笑）一生懸命取り組んでいます。我々の渾身の『セールスマンの死』をよろしくお願いします！」とあいさつして会見は終了した。
配役
ウィリー・ローマン(63歳。かつては敏腕のセールスマンだった)：段田安則
リンダ (ウィリーの妻)：鈴木保奈美
ビフ (ウィリーの長男)：福士誠治
ハッピー(ウィリーの次男)：林遣都
バーナード(ビフの友人。弁護士)：前原滉
ハワード・ワグナー(ウィリーの上司)
スタンリー(バーのウェイター)：山岸門人
女 （ウィリーの顧客）：町田マリー
ミス・フォーサイス(ハッピーの女友達)
ジェニーチャーリイの秘書）：皆本麻帆
レッタ・・・ミス・フォーサイスの友人：安宅陽子
チャーリー・・・ウィリーの友人。バーナードの父：鶴見辰吾
伯父ベン・・・ウィリーの兄：高橋克実
ストーリー
舞台は 1950年代前後のアメリカ、ニューヨーク。かつて敏腕セールスマとして鳴らしたウィリー・ローマンも、もう63歳。
得意先も次々と引退する中、思うようにセールスの成績も上がらない。かつてのような精彩を欠き、二世の社長からは厄介者として扱われている。
それでも地方へのセールスの旅を終え、いつもの通り帰宅する。
妻のリンダは夫のウィリーを尊敬し献身的に支えているが、30歳を過ぎても自立出来ない 2人の息子達とは過去のある事件により微妙な関係だ。
息子たちへの不満と不安もウィリーの心をつぶす。 セールスマンこそが夢を叶えるにふさわしい仕事だと信じてきたウィリーだが、
ブルックリンの一戸建て、愛しい妻、自分を尊敬する自慢の息子、 一度は手にしたと思った夢はもろくも崩れ始め、全てに行き詰まったウィリーは、家族のため、そして自分のために、ある決断を下す・・・・・
概要
パルコ・プロデュース2022『セールスマンの死』
作＝アーサー・ミラー
翻訳＝広田敦郎
演出＝ショーン・ホームズ
出 演：段田安則 鈴木保奈美 福士誠治 林遣都 / 前原滉 山岸門人 町田マリー 皆本麻帆 安宅陽子 / 鶴見辰吾 高橋克実
公演日程
東京
日程・会場：2022年4月4日〜4月29日 PARCO劇場
※松本、京都、豊橋、兵庫、北九州公演あり
問合： 03-3477-5858（時間短縮営業中）https://stage.parco.jp
制作協力＝ゴーチ・ブラザーズ
企画製作＝株式会社パルコ
撮影：金丸雅代
