おぼんろ初の翻訳劇 ラマエ・ダバースク×末原拓馬 劇団おぼんろ第22回本公演 『ゲマニョ幽霊』上演 コメントも到着

様々な場所で物語を紡いできたおぼんろが、この冬、初の翻訳劇に挑戦。
知っていますか?
かつて、呪法劇という学問があったことを
それが、あまりに強大な力を持つがゆえ、
歴史の闇に隠されたことを 演劇の手法を用いた
人智を超えた秘密の儀式を おぼんろが再現。

1600年代、五カ国から契約を乞われ断った呪法劇作家ラマエの歴史の中に隠蔽された伝説の作品を21世紀、世界初上演。

末原拓馬コメント
この度、おぼんろは1600年代に残された伝説的な文献を日本で初めて翻訳し、当時の儀式を再現しようと考えています。原始の頃、世界中のほとんどの国で政治の基盤はまじないや儀式、占い、予言、によって行われていたことはご存知と思います。
その中に、神々の前で演劇を捧げると言うものがありました。
それが、呪法劇です。その上演、−―芝居をやると言う儀式によって、霊的なるものを地上に降臨させ超常的な力を借りる、そんなことが実は1600年代まで続いていたそうです。錬金術などが有名ですが、科学が発達していなかった中世の世界では、今では信じられないようなことに国策として取り組んでいる国家がたくさんありました。
ラマエ・ダバースクは呪法劇が最も盛り上がりを見せていた1600年代、東欧で活躍していた呪法劇の名手でした。その実力は確かなものだったらしく、いくつもの国家がラマエを自らの国で召し抱えようと画策したそうです。
僕がラマエの物語に出会ったのは大学の文化人類学の授業でした。教授が印刷してくれた原文の数ページをみただけでしたが、戯曲というよりは儀式の説明書のような形でした。
数年経って本格的に演劇活動を始めてからもずっとラマエのことが気になり、あらゆる手段を用いて文献を探しましたが、どんな本屋、図書館を巡ってもその書籍はどこにも見つかりませんでした。何年もの間、僕は途方に暮れて諦めていましたのですが、近年、出版社などともお仕事をさせていただいている関係で、ついに1600年代に描かれたラマエの書籍にたどり着くことができたのです!
昨年の冬にこの文献を手にし、長い時間をかけて自分なりの言葉で翻訳をしました。
『ゲマニョ幽霊』はロシア・ポーランド戦争が行われた頃、ラマエが描いた物語とされています。誰が依頼主だったのか、果たしてどのようなことを成し遂げるために描かれたのか、そして、呪法と言う意味で、どのように世界に実際の影響をもたらしたのか、諸説が入り乱れ正しいことはわかっていません。
執拗なまでに研究を続ける学者たちがいる一方で、呪法劇についてはあまり知られていないことは不思議でなりません。
近年、演劇の世界で様々な体験をさせていただき、自分たちは命を賭して、一体なんのために演劇をやるのかということについて考え続けてまいりました。その、一つの答えとして、おぼんろがこの冬、1600年代に東欧で生まれた短い呪法劇を、特設の芝居小屋にて上演します。
様々な作法や制約があるため、一般的な劇場では上演できないという判断です。
『ゲマニョ幽霊』が日本で上演されることはおそらく初めてでしょう。そればかりか、おそらくは20世紀以降、世界のあらゆる場所ででも上演されたことはないのではないでしょうか。
どうか、共にこの呪劇を完成させる参加者として、劇場を訪れてくだされば幸いです。

おぼんろ主宰 末原拓馬

<劇団おぼんろとは>
劇団おぼんろは大人のための寓話を紡ぎ出すことを特徴とし、その普遍性の高い物語と独特な舞台演出技法によって注目を集めてきた。主宰の末原拓馬の路上独り芝居に端を発し、現在は4000人近くの動員力を持つ劇団に成長。抽象舞台を巧みに用いるおぼんろは廃工場や屋形船、オリジナルの特設テントなど様々な場所でも公演を行い、どんな場所でもまるで絵本の中に潜り込んだようなエンターテインメントを紡ぎ出してきた。語り部の息遣いが聞こえ、温度さえも伝わる迫力に参加者(観客)は胸を高鳴らせ、日常を忘れて物語の世界に浸る。2019年にはサーカスパフォーマンスとの融合にも挑戦し、老若男女、国内外の観客から絶大なる人気を誇る。

概要
日程・会場:2023年1月19日(木)〜22日(日)試験公演  2月9日(木)〜26日(日)本公演 ゲマニョの芝居小屋にて
翻訳・脚本・演出:末原拓馬
翻訳協力:前田蓮蔵
出演:さひがしジュンペイ/わかばやしめぐみ/末原拓馬/高橋倫平
おぼんろ公式サイト: https://www.obonro-web.com
おぼんろ公式Twitter:@obonro_new
問い合わせ: おぼんろ制作部 obonro.info@gmail.com
主催:劇団おぼんろ