ミュージカル「メリー・ポピンズ」、いよいよ開幕!

 

既にプレビュー公演も始まり、好評を博しているミュージカル「メリー・ポピンズ」、シアター・オーブに向かう途中、メリーやバートの大きな広告が目に入る。電車を降りた瞬間から、なんだか期待してしまうようなシュチュエーション。

本公演に先がけて、マスコミ陣にほんのちょっとだけ、ハイライトシーンが公開された。

客席に着くとまず、凝った緞帳が目に入る。よく見ると無数の煙突から煙が立ち上っている。しかも窓の明かりも微妙に色が違ってたりする。

まずは「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(Supercalifragilisticexpialidocious) 」のシーンから。その前にオリジナル演出のサー・リチャード・エアから簡単な挨拶があった。「この作品は人を幸せにする物語」と述べ、さらに「たくさんの愛情と技術を込めて創りました」とコメント。それから演出補のジャン・ピエール・ヴァン・ダー・スプイからこの場面に関する解説があった。「何を見るかではなく、どう見るかが大切」というのが、このナンバーの肝。愉快な楽曲ではあるが、奥が深い。まずはメリーは平原綾香、バートは柿澤勇人、ジェーンは浅沼みう、マイケルは坂野佑斗。既にプレビュー公演は実施しているので、一糸乱れぬ、そして勢いのあるダンス、ジャンプの瞬間も揃っており、レベルの高いパフォーマンス。さらに、皆、満面の笑みで楽しさが生き生きと伝わってくる。最後の決めポーズは、なんと撮影陣に大サービス!10秒以上、静止で瞬きもしないで最大級の笑顔、流石!それからメリーは濱田めぐみ、バートは大貫勇輔、ジェーンは渡邊おとは、マイケルは加藤憲史郎。こちらも負けじとばかりに張り切ってパフォーマンス、2チーム、続けてパフォーマンスをすることは、基本ないので、観ている方は「一粒で二度美味しい」!

 

 

それからあの有名過ぎるナンバー、「チムチムチェリー(Chimchimcheree)」、作品は知らなくても、この曲だけは知ってる!という人も多い楽曲だ。この曲について演出補から「この言葉が出てくるたびに物語が進んでいきます」と語る。映画でもそうだが、節目毎に、この曲のメロディが流れるので、観劇の予定があるなら、映画を鑑賞してから観ると興味深いかもしれない。

まずは平原綾香&柿澤勇人コンビから。まずは屋根の中央にバート、それからスーッとメリーが現れる。「光と影が混ざり合う」と歌う。煙突の中に入った経験はないが、どんなに明るくても煙突の中は暗闇、しかし、出口に近づくにつれて光りが差し込む。そんなことを想像させてくれる。時間にするとちょっと短めなシーンであるが、メランコリーで雰囲気のある楽曲、ちなみにこの曲はオスカーを獲得している名曲。「投げキッスでも俺はラッキー」と歌う。考えてみると、ちょっと切ない。映画よりもムーディな印象もあり、ここも注目シーン。屋根をつたって歩く柿澤バート、そのふらつき方がちょっと可愛くもあり、一瞬「おお〜」という感じ。そして濱田メリー&大貫コンビ、大貫はダンス巧者らしい動きで柿澤バートとは異なる雰囲気。ここもちょっと注意して観て欲しいポイント。

そして「ステップ・イン・タイム(リプライズ)〜ハウス(Step In Time)」、ここはタップのビッグナンバーだ。映画もそうだが、大勢の煙突掃除屋が出てきて小気味好いタップを、しかも大勢で踏む、ハイライトシーンだ。

幕開きはスローモーション、そして勢いのあるタップシーンになる。ここの切り替えが鮮やかで圧倒される。そしていつの間にやら、バンクス家の居間、ドタバタ騒ぎ、ここの主人であるジョージ・バンクスの狼狽ぶりがとにかく可笑しい。ウィニーフレッド・バンクス夫人も最初は驚きを隠せなかったが、途中で楽しくなっちゃいました状態で踊る、踊る!なにがなんだかわからないくらいの大騒ぎぶりが楽しいシーンだ。ここはメリー&バートもさることながら、ここはバンクス夫妻とミセス・ブリル、ロバートソン・アイに注目したいシーン。

 

それから囲み会見があった。まずはクリエイティブ・スタッフ、オリジナル演出のサー・リチャード・エア、日本プロダクション演出のジェームズ・パウエル、振付のジェフリー・ガラット。

 

 

サー・リチャード・エアは「日本語の台詞に感動しました、素晴らしいと思いました」と開口一番。そして「責任を持って創りました」とコメントしたが、世界レベルの作品を創ったという揺るぎない自信に満ちた発言だ。振付のジェフリー・ガラットは「日本は素晴らしい!」と最大級の賛辞。日本プロダクション演出のジェームズ・パウエルは俳優陣については「ご自分のものになさった」と語り「どこの国でも同じだが、個性、キャラクターを出している」とコメント、さらに「アンサンブル陣は世界最高峰」と絶賛。またサー・リチャード・エアはこの舞台作品をきっかけに映画を観たそうで率直に「感動しました」と語る。さらに「この話は家族の物語、これは背骨になる部分です。不幸な家族、不幸な子供達、メリーがどこからか現れて幸せにする話です……メリーは魔法でみんなを幸せにする訳ではないのです……幸せになったら離れます。不幸が幸せになるのは美しい、これは世界共通のもの、誰でも共感出来る、始めから考えていたことです」とコメントしてくれた。

公演PRということでジェフリー・ガラットは「世代を超えた作品で胸が熱くなるショーです」とコメント、続けてジェームズ・パウエルは「日本は素晴らしい!マジカルな時間を!」と締めくくった。

 

 

 

 

それから主要キャストの登壇、プレビュー公演中であるが平原綾香は「これからもっと、もっと!今は自分のことに必死ですが」と気を引き締める。濱田めぐみも「ようやく完成形が見えてきた、世界観がわかってきた、本番に向けて力を合わせて」と語る。大貫勇輔も「オーディションから長い時間をかけて……胸が熱くなりました……さらに磨きをかけて」と本番に向けてビシッと。柿澤勇人は「怪我とか怖いですね」と言いつつ、「ビッグナンバーは観どころ」としっかりとPR。

あと柿澤と平原の最初の出会いはちょっと印象がよくなかったようで、しかし、コミュニケーションをとり、苦楽を共にするうちに今ではなかなかのよいコンビぶり、そのGOODな関係は劇場で!

また、今日は公開されなかったが、最長のフライングがあり、これに関して濱田から「1F、2F、3Fと見え方が違うと思います」とコメント。そして「かなり長いです、しかも魔法で!」さらに「重力がなくなる瞬間があるんです!」と発言!

最後に平原は「全てが観どころ」と語り、濱田は「この作品で知らない自分に出会えた」と言い「自分自身に出会って!」と締めくくり、会見は終了した。なお4人が着用しているシャツはロビーで絶賛発売中!

 

ミュージカル『メリー・ポピンズ』 メリー・ポピンズ役 濱田めぐみさん 特別インタビュー

 

ミュージカル『メリー・ポピンズ』 バート役 大貫勇輔さん 特別インタビュー

 

ミュージカル『メリー・ポピンズ』 メリー・ポピンズ役 平原綾香さん 特別インタビュー

 

ミュージカル『メリー・ポピンズ』 バート役 柿澤勇人さん 特別インタビュー

 

クオリティ高し!ミュージカル「メリー・ポピンズ」稽古快調!

 

 

 

【公演データ】

ミュージカル『メリー・ポピンズ』
<東京公演>
プレビュー公演:2018年3月18日~3月24日
会場:シアターオーブ
2018年3月25日~5月7日シアターオーブ
<大阪公演>
2018年5月19日~6月5日
会場:梅田芸術劇場

<出演>
濱田めぐみ、 平原綾香/大貫勇輔、 柿澤勇人/駒田一、 山路和弘/木村花代、 三森千愛/島田歌穂、 鈴木ほのか/コング桑田、 パパイヤ鈴木/浦嶋りんこ、 久保田磨希/小野田龍之介、 もう中学生 他

公式サイト:http://hpot.jp/stage/marypoppins

文:Hiromi Koh