ーー鬼才マーティン・シュレップァー率いるバレエ・アム・ライン、9月に「白鳥の湖」公演!斬新な演出でヨーロッパでは完売!日本人ソリスト・中ノ目知章出演!ーー
バレエ・アム・ラインは昨秋10月にドイツにて当バレエ団 芸術監督で振付家のマーティン・シュレップァー演出「白鳥の湖」を発表。チャイコフスキーが 1877年に制作した原典譜 を採用し、またその当時の初版台本に基づいて登場人物を設定するなど、オリジナルを尊重しつつ単なる古典への回帰で はなく、きわめて普遍的な人間ドラマに仕立て上げ、不屈の 名作を復活させたどころか新しい息吹をもたらしたことにより、チケットが売り出されるや否や完売。ヨーロッパバレエ 界では話題作品に。
そして2019年9月にはドイツ国外初の海外上演となる≪白鳥の湖≫ を引っ提げてカンパニーが初来日する。
‟21 世紀バレエ芸術のパイオニア“と称される、鬼才マーティン・シュレップァー率いるカンパニー、ここの所属である日本人ダンサーである中ノ目知章の会見が実現した。その前に公演の映像が流れた。ほんの少しではあるが、公演の片鱗を見ることができた。従来の、よく知られている「白鳥の湖」をイメージしていると、それは完全に裏切られる。ある意味、リアルでしかも幻想的。その表現方法は斬新で、一般的なクラシックバレエの概念を覆される。
このカンパニー所属の中ノ目知章は「白鳥の湖」ではオデットの継母の側近を演じる予定だ。ちなみに、このオデットの継母は従来のよく知られている「白鳥の湖」にはいないキャラクターで悪役だそう。これだけでもかなり興味をそそられる。
そして中ノ目知章は様々なカンパニーを経験しているが、現在のこのバレエ・アム・ラインには4年前に所属となったそう。ここのカンパニーの特徴は「環境が一番、今までいたところよりも環境が整っています。スタジオも5つありますし、サウナもあり、マーッサージもいつでも受けることができます。レパートリーも充実しており、バランシンなど、幅ひろいレパートリーがあります。監督自身のレッスンが週に一回あります。ダンサーに指導しますので、この4年間、他のカンパニーにいた頃より成長できたと思います」とコメントした。
作品については、「クラシックは綺麗でなくてはならない。特に『白鳥の湖』は白いチュチュを着用しますが、ここの『白鳥の湖』は美しさだけではなく陰と陽がある、僕の演じる役は悪役の側近役なので陰の部分を見せるのですが、そこにも美しさはありますが、バレエ的な美しさだけでなく、演出家は陰と陽の美しさを求めているのだと思います」とコメント。さらに「表面的な部分ではなく、『中』の部分に焦点を当てたのだと思いますね」と語る。内面からのもの、心理的なものを出さなければならないので、なかなか難しそう。「出演者一人一人、自分の個性が出てないといけない」と中ノ目知章。「普通でしたらロットバルドだけが悪役です。しかしロッドバルドよりもオデットの継母に焦点を当てています。この継母に4人の側近がいます。この4人と継母は全員アジア人で統一されています」とコメント。振り付けに関しては「これはこういう役なのでこういう風に」という指示はないそう。ダンサー本人が持つものを尊重しているようだ。
普段のトレーニング重視で「舞台の上で失敗を恐れない」がモットーのようで「失敗しないように簡単に踊るとすぐに怒られる」と語る、ここがマーティン・シュレップァーらしいところかもしれない。失敗しても全力投球!
また、普段のレッスンは『ウォーミングアップ』と位置づけるのが一般的であるが、ここはそうではなく「レッスンしながら自分の肉体の限界、自分を高めていくための時間」ということ。常に『ガチ』である、ということのようだ。
作品については「『白鳥の湖』という曲の美しさ、作品の見所はキャラクターの個性がでていること、ここが見所だと思います・・・・・普通は踊っている人の個性をだしたら成り立たないと思うんです。でも、マーティンの場合は(個性を)出していい、それで見ている方が驚かれるのだと思います」と語る。また、やってみたい役は「王子」、本人も思わず笑う。
また自分自身が所属するドイツのバレエカンパニーが日本初来日!しかも出演!に関しては「考えても見なかったことですごくありがたいことです。決まった時は『本当かな?』と思いました(笑)」と率直な感想を述べた。
またバレエを始めたきっかけは「姉がバレエをやってたので」とコメントし、目標は「世界一のバレエダンサーになること」と語る。そして「まずは劇場にきてダンスを感じて欲しい」とPR。終始、和やかな雰囲気で会見は終了した。
<中ノ目知章:プロフィール>
1992 年生まれ、神奈川県出身。現在27歳。 児玉克洋、宮木百合子に師事。2007 年第 18 回全日本バレエコンクール、第 40 回 埼玉全国舞踊コンクールに於いてジュニアの部第一位。
2008 年ハンブルクバレエ学校よりスカラシップを得て 2 年間留学。ジョン・ノイマイヤー、ケヴィン・へイゲンらの指導を受ける。 同校卒業後、ドルトムント劇場と契約、その後キール劇場、ノルウェー国立バレエ団、そしてハーゲン劇場所属を経て現在ドイツ・デュッセルドルフ/デュイス ブルクに拠点を置くバレエ・アム・ライン ソリストとして活躍中。
今秋 9 月のバレエ・アム・ライン初来日公演 シュレップア―版≪白鳥の湖≫で はオデットの継母の側近役(予定)。
【公演概要】
日程・場所:
<東京公演>
2019年9月20、21日 オーチャードホール
<兵庫>
2019年9月28日 兵庫県立文化センター KOBELCOホール