ーー1994 年の加藤健一事務所による日本初演をきっかけに、各劇団で上演されるようになった傑作。再演から 10年ぶり、満を持して上演する“本家本元”の公演は必見！ーー
今年だけでもかなりの作品が上演されているレイ・クーニーの戯曲。ノンストップの笑いの連続、それも単なるドタバタではなく、根底には作家の愛ある視点も感じられ、日本でもファンの多い作家だ。この作品は1994年に加藤健一事務所で初演、以来、数え切れないほど、様々なカンパニーで上演され続けてきた。最近では宝塚歌劇団の専科公演、轟悠主演で2019年1月から2月にかけて上演、タイトルはもちろん『パパ・アイ・ラブ・ユー』（原題は「IT RUNS IN THE FAMILY」）。昨年の2018年にはラフィングライブ第四回公演「パパ、アイ・ラブ・ユー！」（演出：野坂 実。加藤健一事務所俳優教室出身）もあったが、この邦題は加藤健一がつけたもの。これだけでも加藤健一事務所公演は『本家』と言い切っても差し支えないであろう。
また加藤健一事務所では、この作品以外のレイ・クーニー作品では昨年の2018年に「Out of order～イカれてるぜ!～」を上演しているし、それ以外のカンパニーでは、今年の７月〜8月にかけて三越劇場で山本一慶主演で「Run For Your Wife」を上演。
今回の演出は加藤健一本人が行う。レイ・クーニー作品を知り尽くしている加藤の手腕は期待大である。
＜レイ・クーニーと加藤健一のコメディー論＞
レイ・クーニーは「最高の笑劇は悲劇である」と論じている。 加藤も、役者がシリアス作品とコメディー作品を演じる上での違いはほとんどないと語る。「観る方は違うだろうが、演じる方は大 して変わらない。役の作り方はほぼ同じで、コメディーはちょっと“ずらす”だけ。コメディーは笑い話だが、ストーリーの中の人物は、 ハッピーではなく不幸に見舞われている。他人事だから観ていて面白い。」
＜キャストコメント＞
[加藤健一]
再演時(09 年)に初めて演出も行いましたが、主役を演じながらの演出は非常に大変でした。お客様は笑ってくださいましたが、いつか 出演と演出の両面で 100%以上の力を出したいと思っていました。今回チャンスを得たので、これまで以上に舞台上を駆け回りたいと思 います。ただでさえ、大人は子どもに比べて笑う頻度が少ないのに、最近、世の中は心からの笑いが本当に少なくなっていると感じます。 この機会にぜひ劇場でたくさん笑って、たくさん元気を持ち帰ってください。
[清水明彦]
「次はどうなるのだろう?」と気になって台本をどんどん読み進めてしまう、面白くて楽しい作品です。レイ・クーニー戯曲は他劇団の別作品 で出演経験がありますが、お客様の笑いが途絶えなかったことが印象に残っています。レイ・クーニーの台本は非常に演劇的に書かれて おり、細かな指示書きが、その役が起こす条件反射と一致していて、とても説得力があると感じます。今回ダブル主演である加藤健一さ ん、そして再演時(09 年)に同役を演じた村田雄浩さんを超えられるよう、頑張りたいと思います。
[加藤忍]
リアルタイムで初演(94 年)を観ました。それまでの演劇に対する概念を覆され、笑いっぱなしの自分の大声に驚き、観終わってからは何 とも言えない爽快感に包まれた舞台でした。これまでもレイ・クーニー作品には出演経験がありますが、今作はイチオシの作品です。たま には 2 時間笑いっぱなしという舞台も、心と身体のために良いのではないでしょうか。観に来た方に絶対に損をさせない作品です。お客様に大笑いをしていただけるよう、精進します。加藤健一さんの演出も楽しみです。
[日下由美]
再演時(09 年)は別の役(ジェーン・テート役)でしたが、今回は加藤健一さんの妻役で出演します。加藤健一事務所公演「Out of Order~イカれてるぜ!~」(レイ・クーニー作/2018 年上演)に出演した際も、加藤健一さんの妻役でした。これまでの出演経験は、 今作に共通する部分が多いため、経験を活かして楽しめるのではと期待しています。物語に登場するキャラクター全てが不死身で前向 きなので、私自らも不死身で前向きになれるよう、エネルギーを持って稽古に挑みたいと思っています。
＜コメント動画＞
https://www.youtube.com/channel/UCwhrqh2_KYiKwF4f05cd15w
＜ストーリー＞
クリスマス直前の英国、とある病院の医師談話室。デーヴィッド(加藤健一)は講演に向けて準備中だが、同僚ヒューバート(清水明彦)が 邪魔をしてきて、全く集中できない。さらにそこに、かつて秘密の関係を持った元ナースのジェーン(加藤忍)が、とんでもないことを知らせに 来たものだから、もう天地がひっくり返りそう! 妻ローズマリー(日下由美)にこのことがばれないよう、“口からの出まかせ”でどうにか逃げ切るしかない!
【公演概要】
2019年10月11日〜10月20日 本多劇場
出演：
加藤健一、清水明彦(文学座)
田代隆秀、辻 親八、石坂史朗、藤波瞬平、久留飛雄己(青年座)
加藤 忍、日下由美、頼経明子(文学座)、かんのひとみ(道学先生)、橘 杏
公式HP：http://katoken.la.coocan.jp/
公式ツイッター：@katoken1980
公式インスタグラム：@katokenjimusyo1980
