加藤健一事務所vol.111『叔母との旅』 11月 サンシャイン劇場にて。

24人の老若男女の登場人物をたった4人の男優で演じ分ける、銀行を早期退職した甥とエキセントリックな叔母が閉鎖的なイギリスを離れて、開放的な風土を求めて旅に出る、奇妙で幻想的で笑いの冒険、ロードムービー的躍動感!の風刺劇、11月サンシャイン劇場にて上演!。12月 京都, 所沢でも。

英国を代表するストーリーテラーであり、映画『第三の男』で知られているグレアム・グリーンの小説を戯曲化した「叔母との旅(Travels with my aunt)」は、1993年度ローレンス・オリヴィエ賞ベスト・エンタテイメント賞を受賞した、日本でも演劇ファンに人気の高い作品。
脚色は英国の劇作家であり俳優でもあったジャイルズ・ハヴァガル。彼がこの作品を4人の男優だけで表現する戯曲に。日本初演は1995年、「演劇集団円」の橋爪功、有川博、勝部演之、吉見一豊のベテラン俳優が演じ、好評を博した。
老若男女20役以上ものキャラクターを4人の男優だけで演じ分ける手法、さらに語り手でもあり、主人公でもあるヘンリーすら複数の男優が演じ分ける。会話の途中でも一人の役者が瞬時のうちに複数役を演じ分ける。疾走感、そしてスリリングな展開、役者の力量が求められるのが、この作品の特徴。舞台設定も、ロードムービーのような走行距離、英国から南米まで行きつ戻りつ、時空を自由に飛び交い、さらに20以上のキャラクターを4人で演じ分ける、生身の俳優の存在と表現、そして彼らから発せられる言葉だけで物語を、テーマを伝える、この秋、必見の舞台。

<STORY>
2年前、勤めていた銀行を53歳で早期退職、庭のダリアをいじるだけの平穏な暮らし、それがヘンリーの日常。
父は40年前に他界、86歳で亡くなった母の葬式で、母の妹であるオーガスタ叔母さんが不意にやってくる、実に50数年振りに再会。生真面目なヘンリーとは対照的に、年齢や常識にとらわれないエキセントリックな叔母、奔放な人生を歩んできたようで、彼女から出てくる話はどこか怪しくて…。 思いがけず一緒に行くことになった旅先で、スーツケースに金塊は入ってるし、ホテルに警察は乗り込んでくるし、関わる男は指名手 配犯?おまけに留置場まで体験してしまった。 叔母に巻き込まれたスリリングな日々は、これまで静かに暮らしてきた男の本能を刺激し始める。 人生に、今更スタートできないものなんて無いのかもしれない。

<原作:グレアム・グリーン(1904-1991)>
小説家。英国ハートフォードシャー出身。
オックスフォード大学在学中に英国国教からカトリックに改宗。
卒業後、「タイムズ」でジャーナリストとして4年間勤務。
1929年、処女長編作『内なる私』で小説家デビュー。
その後、『スタンブール特急』(1932年)、『ここは戦場だ』(1934年)、『ブライトン・ロック』(1938年)などを発表、1930年代には人気小説家となる。
キャロル・リード監督映画でも注目を集めた『第三の男』(1950年)、『情事の終わり』(1951年)でその名声を不動のものに。
第二次世界大戦勃発から1943年まで、英国諜報機関MI6に所属し諜報活動に従事。
 『叔母との旅』は、1972年に名匠ジョージ・キューカー監督により映画化、叔母オーガスタを演じた英国女優マギー・スミスは、この作品で同年のアカデミー主演女優賞ノミネート。1976年、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞巨匠賞を受賞。

<脚色:ジャイルズ・ハヴァガル(1938-)>
演出家、俳優。英国エディンバラ出身。1969年から2003年までグラスゴー市民劇場のディレクターを務め、劇場運営に大きな革命を起こし、英国を代表する劇場のひとつとしての地位を築き上げた。
任期中の1989年に同劇場にて『叔母との旅』初演、ハヴァガル自身もヘンリー・プリング役とオーガスタ叔母さん役(カトケンと同じ配役)を演じている。

<概要>
日程・会場:
[東京]2021年11月22日~28日 池袋・サンシャイン劇場
[京都]2021年12月4日 京都府立府民ホール“アルティ”
[所沢]2021年12月11日 所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール
原作:グレアム・グリーン
脚色:ジャイルズ・ハヴァガル
訳:小田島恒志
演出:鵜山 仁
出演:
加藤健一
天宮 良
清水明彦(文学座)
加藤義宗
公式HP:http://katoken.la.coocan.jp
公式ツイッター:https://twitter.com/katoken1980

★2022年3月『サンシャイン・ボーイズ』上演!