舞台「薔薇王の葬列」稽古快調

2022年6月に上演予定の舞台「薔薇王の葬列」。
5月20日、取材会が行われた。また、ジャンヌダルク役に佃井皆美が発表になった。
この日、公開されたシーンは、冒頭、この物語の主人公・リチャードがヘンリーと出会う重要な場面。そして薔薇戦争が題材なので、動きのあるアクションシーン。また、リチャード役はWキャスト(若月佑美/有馬爽人)となっている。

松崎史也(演出)
稀代の悪役で醜い男、というイメージで知られるリチャード三世を、二つの性を持って生まれ、母親からも愛されなかったという、ジェンダーやネグレクトといった現代的な問題に置き換えた「薔薇王の葬列」は、そう表現するのか!と驚きで、演劇で表現してみたいと強く思いました。シェイクスピアの戯曲の解釈はコミックスにもアニメにもシンパシーを感じるので、演劇としてできることや表現したいことを全部やろう!と楽しみにしています。人間の力で作るからこそ表現できる感情、アナログさを大事にしながら、素晴らしい役者達と作るこの作品、今から成功を確信しています。どうぞご期待ください。

若月佑美(リチャード/Wキャスト)
シェイクスピアの面白さもありながら、2.5次元作品としての美しさもあり、とても面白い作品だと感じます。その素晴らしさをしっかりと表現していきたいと思います。原作に対して全員がリスペクトと愛をもって演じています。皆さんと稽古を重ねる中で、リチャードの人物像がわかってきました。Wキャストの有馬(爽人)さんと話していると、自分とは異なる捉え方をしていて、同じ役でも全く同じではないリチャードになっていると思います。観にいらっしゃる方によって、見え方もいろいろと変わってくると思います。持ち帰っていろいろ話して、考察してもらえると嬉しいです。

有馬爽人(リチャード/Wキャスト)
今回の舞台は新たな挑戦が多いです。稽古を始めて、日に日にリチャードの体の痛みや心の痛みを感じるようになっていますので、本番までにリチャードとしても、もっと成長して原作以上のものを届けられるようにしたいと思います。男女のWキャストは珍しく、最初は不安もありましたが、若月(佑美)さんとたくさん話し合っていた中で捉え方の違いなどがあり面白いなと思いました。作品に出てくるキャラクター、1人1人、濃い物語ですし、自分が演じるリチャードと若月さんが演じられるリチャードもあるので、1回観ただけでは、足りないと思います。様々なパターンをぜひ、劇場に足を運んで楽しんでいただけたら嬉しいです。

和田琢磨(ヘンリー)
この作品は、王家の物語でもありますが、コミックスを読んで自分の地位や権威、人の欲望、愚かさが醜いがそれが美しく見える反比例な存在です。Wキャストの方が男性女性ということで、両方のパワーも感じ、キャストのいろいろな表情を観るのがとても楽しみですし、それをお客さんに観て頂くのも楽しみです。

君沢ユウキ(エドワード)
王家に生まれたことでの幸せなこと、不幸せなこと、そしてリチャードの運命の物語です。自分の好きなセリフで“なんびとも運命には逆らえない”というものがあります。愛し合ってはいけないという苦しみも描かれ、奥行きの深い物語が描かれています。男性と女性の間で苦しむリチャードを男女のWキャストで演じることなど、いろいろな部分を楽しんでいただきたいです。

高本 学(ジョージ)
テクノロジーにこだわらずダンスや歌、お芝居だけで表現することがチャレンジングな作品だと思います。演劇のパワーと主演の男性女性のWキャストで退屈させない作品になっています。この演劇と真摯に向き合って表現したいと思います。

加藤 将(ケイツピー)
この作品で、ジェンダーが語られている側面もあると思います。“性別などがなければもっと自由”、というところがあり、ものすごく共感しました。そういう部分も含めてお客様に影響を与えられる作品になっていると思います。また、ケイツビー役としては、Wリチャードを見守れる存在になりたいと思います。

瀬戸祐介(ウォリック)
演じるウォリックは実直で素直だと思います。私自身、演劇界のウォリックと自負しておりますが(笑)、これから稽古を重ねて、それを確信したいと思います。松崎さんの演出する作品に出演できることも嬉しいです。シェイクスピアは、長い間語り継がれてきた存在ですが、この作品で松崎先生を“シェイクふみや”として後世に語り継げるような舞台にしたいと思います!

廣野凌大(エドワード王太子)
この作品のキャラクターは、性と愛に純粋にしがみついています。今回は、2.5次元舞台ではありますが、テクノロジーに頼ることなく、人間のパワー・エネルギーでのまっすぐ演じたいと思います。

星波(アン)
演じるのは貴族に生まれた娘で、もちろん私自身の環境とは違い、自分の思いを優先できない貴族という立場ですが、まっすぐで純粋で素直なキャラクターだと思います。リチャードとの絡みも多いので、お二人それぞれの違いをキャッチしながら、演じていきたいと思います。

藤岡沙也香(セシリー)
リチャードとの関係性をとことん突き詰めていきたいと思います。何を言われても自分の考えを通していくセシリーを、まだまだ課題は山積みですが、精一杯演じられるよう、頑張っていきたいと思います。

佃井皆美(ジャンヌ・ダルク)
作品の中で重要な役割を担う役を演じさせていただけること、とても身が引き締まる思いでいっぱいです。主演二人との関係を深め、素晴らしい作品をお届けできるよう、精一杯お稽古に励みたいと思います。

田中良子(マーガレット)
本読みをした段階で色っぽい役者さんが揃っていて、この作品にふさわしい役者さん達が勢揃いしている!と、感じました。皆様と共にこの作品を作れること、楽しみにしています。一人の母として存在できるよう、頑張ります。

谷口賢志(ヨーク公リチャード)
独身で元々外食が多かった僕は、ここ2~3年のコロナ禍で色々と寂しい思いをしていますが、稽古場に来れば、可愛い子供たちと妻がいて、幸せです(笑)。演劇の必要性が問われる中、演劇の力を信じて可能性をもっと広げること、まさにシェイクスピアが伝えたかったことなのではと思います。もっと娯楽と社会とを繋げていけるように戦っていきたいと思います。

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物語
中世イングランド。
白薔薇のヨーク家と赤薔薇のランカスター家による王座を巡る戦い――“薔薇戦争”。
ヨーク家の三男として生を受けたリチャードは、同じ名を持つ父の愛を一身に受けるが、実の母セシリーには「悪魔の子」と呼ばれ蔑まれていた。
戦乱の中、父・ヨーク公爵を王にすることを願うリチャードは、森で羊飼いの青年・ヘンリーと出会い、束の間の逢瀬に心を通わせる。互いの正体を知らぬ二人。しかしヘンリーの正体は、宿敵ランカスター家の王・ヘンリー六世その人であった。
リチャードは運命の戦禍を必死に生き抜いていく。
その身に宿す「男」と「女」、二つの存在に身を引き裂かれそうになりながら――。

概要
日程・会場:2022年6月10日〜6月19日 日本青年館ホール
原作:TVアニメ「薔薇王の葬列」
演出:松崎史也
脚本:内田裕基
[出演]
リチャード:若月佑美/有馬爽人(Wキャスト)
ヘンリー:和田琢磨
エドワード:君沢ユウキ
ジョージ:高本 学
ケイツピー:加藤 将
ウォリック伯爵:瀬戸祐介
エドワード王太子:廣野凌大
アン:星波
セシリー:藤岡沙也香
ジャンヌダルク:佃井皆美
マーガレット:田中良子
ヨーク公リチャード:谷口賢志 ほか

制作:バンダイナムコクリエイティブ/Office ENDRESS
主催・企画:舞台「薔薇王の葬列」製作委員会

公式HP:https://officeendless.com/sp/baraou_stage/
公式ツイッター:https://mobile.twitter.com/baraou_stage

オフィシャル稽古写真・取材会写真撮影:角田大樹