2018年3月にTOKYO FMホールで上演され、大きな反響を呼んだ音楽 朗読劇「ジギルvsハイド」に続く、田尾下 哲演出の音楽朗読劇シリーズ、現在「シラノ・ド・ベルジュラック」が上演中だ。 原作戯曲は映画や舞台としても有名な作品、世界中で愛される純愛物語の名作。登場人物は3人。彼らが織りなす、数々の言葉は、音楽にこだわったこの朗読劇ならではの 新しい世界の扉を開く。音楽の茂野雅道は映画「バタアシ金魚」「きらきらひかる」「萌の朱雀」などを手がけている作曲家。
<演出: 田尾下 哲からのコメント>
“俳優の生の声で、舞台では表現できないキ ャラクターを描きたい”
よく知られた欧米作品の中から、声による表現でこそ描くことの出来る物語を選び、朗読劇として上演したいという思いから、このシリーズは始まりました。映画などの映像作品では、別撮り画面の合成や CG によって可能となる“変身”や“一人での複数役”、“一瞬で年齢を増減する”…そんな キャラクターの演じ分けを、特殊メイクや技術を使うのではなく、俳優の声の力と音楽、そして観客の想像力を借りて描くことがこのシリーズの特徴です。世界の名作を、朗読劇だからこそ表現可能な朗読劇として翻案する。映像や特殊技術の発展した 21 世紀だからこそ、“物語を紡ぐ”ことの原点に戻り、余計な装飾は行わずに衣裳 で キャラクターや時代設定を伝え、最小限の美術と照明だけで、物語を、場面を、そしてキャラクターを自由に想像してもらいます。また、俳優の個性によって キャラクターの描き分けも十人十色で、異なる組み合わせや俳優によって、同じ台本でもまるで違う作品のようにお楽しみいただけるのもこのシリーズの特徴です。今回はエドモン・ロスタン作『シラノ・ド・ベルジュラック』を翻案しています。シラノは芸術にも学問、武術にも通じた才人ですが、大きな醜い鼻のコンプレックスのために恋を諦めてはいま すが、遠くから従妹のロクサーヌを想い続けるロマンティストです。ロクサーヌは姿の美しいパリへ出てきたばかりの近衛の兵士クリスチャンに恋をしますが、クリスチャンの口からロマンティックな言葉を聞くことを期待します。ですが、クリスチャンは戦いには自信がありますが、言葉には全く自信がありません。シラノはロクサーヌの気持ちを知って、二人の恋の仲立ちをすべ く夜のバルコニーでクリスチャンに言葉を授けます。この作品の白眉はシラノがクリスチャンに言葉を授けるこのバルコニーシーンですが、途中で言葉に詰まったクリスチャンに成り代わって代弁から自らの愛を語り始めるシラノの声の演技は、朗読劇ならではの表現になると思います。前作『ジキル VS ハイド』では、ジキルとハイドの声での描き分けをテーマにしましたが、今回はシラノの詩人としての饒舌さと、言葉を授けながら自分の切ないまでの想いを吐露する 叙情的な場面を朗読劇だからこその表現で追求しようと思います。
【公演概要】
公演タイトル:朗読で描く海外名作シリーズ 音楽朗読劇 「シラノ」
原作:エドモン・ロスタン
翻案・演出:田尾下 哲
音楽:茂野雅道
日程:2018/8/7(火)~10( )、13(月)~15(水) 計7日間
場所:TOKYO FMホール
出演:
8月7日(火)19:00:福島潤、伊東健人、徳井青空
8月8日(水)13:00:鈴木裕樹、谷佳樹、豊原江理佳
8月8日(水)19:00:岸尾だいすけ、小松昌平、伊波杏樹
8月9日(木)13:00:武内駿輔、村田太志、伊波杏樹
8月9日(木)19:00:諏訪部順一、村田太志、伊波杏樹
8月10日(金)13:00:谷佳樹、輝山立、豊原江理佳
8月10日(金)19:00:石川界人、濱野大輝、田所あずさ
8月13日(月)13:00:柏木佑介、輝山立、豊原江理佳
8月13日(月)19:00:代永翼、八代拓、田所あずさ
8月14日(火)13:00:中島ヨシキ、伊東健人、吉岡茉祐
8月14日(火)19:00:中島ヨシキ、西山宏太朗、吉岡茉祐
8月15日(水)13:00:福島潤、伊東健人、徳井青空
8月15日(水)19:00:岸尾だいすけ、小松昌平、伊波杏樹
制作協力: MAパブリッシング
後援: TOKYO FM
主催製作: ステラ ャステング/東京音協
公演 フィシャル HP: http://musica-reading.jp//