いま演劇界で注目の劇作家・横山拓也が新国立劇場初登場!
25年前に自分が傷つけたかもしれない男性の面影を追う、一人の女性のこころの物語。2022/2023シーズン中に日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画、【未来につなぐもの】の第二弾として、いま演劇界で注目の劇作家・横山拓也の新作を上演。
和歌山県の港町を舞台に、25年前に自分が傷つけたかもしれない男性の面影を追う、一人の女性のこころの物語です。ひとのこころの内面を静かに描く、まさに横山拓也ならではの劇世界。
演出は、新国立劇場では「こつこつプロジェクト」第一期として『スペインの戯曲』を手がけた、若手演出家・大澤 遊、丁寧で繊細な演出はこの作品の奥深い魅力をあますところなく伝えてくれる。公演は18日まで。
作・横山拓也 コメント
あまり見たことがないような舞台美術が建ちました。演出家と美術家のチャレンジに驚嘆します。これが奇を衒ったというわけではなく、きちんとこの劇の世界を立ち上げていて、見事なんです。こういう瞬間に立ち会わせてもらえるのも、劇作家の冥利。物語は、キャストの個性の配置が絶妙なこともあって、静謐さと賑やかさの不均衡に戸惑っているうちに、いつのまにかドラマに引き込まれていき、登場人物たちと同じ場所に立っているような気分になります。なんでしょう、この味わい。演出家・大澤遊さんが、すごく面白いものを作りましたよ。自分の戯曲でこんな感覚になった舞台ははじめてです。
演出・大澤 遊 コメント
25年前のことを思い出しつつ、当時を生きた人たちが今をどう生きているのかに思いを馳せながら、創作してきました。横山さんは、日常の中に潜む問題を繊細に描いています。それを俳優・スタッフの皆さんが丁寧に拾い上げ紡いでくださり、無事に開幕することができました。
ふとしたことがキッカケで急に過去が蘇り、心がざわつくことがあります。まさに登場人物の三桑もそうで、皆さんもご一緒にそんな過去と現在を旅してもらえたら嬉しいです。
あらすじ
和歌山県の港町。手書きの地図を持った女性が25年ぶりに訪れる。女性は大学時代、この港町にサークルの合宿でやってきて、たまたま寄り鯨が漂着した現場に居合わせた。まだ命のあった鯨を、誰もどうすることもできなかった。
ここは江戸時代から何度か寄り鯨があって、そのたびに町は賑わったという。漂着した鯨は”寄り神様”といわれ、肉から、内臓、油、髭まで有効に使われたと、地元の年寄りたちから聞いていた。
女性が持っている地図は、大学の同級生がつくった旅のしおりの1ページ。女性はその同級生を探しているという。彼女はかつて、自分が傷つけたかもしれないその同級生の面影を追って、旅に出たのだ。地元のサーファーの青年が、彼女と一緒に探すことを提案する。
☆稽古場&演出・大澤 遊コメント映像☆
☆ゆるイラスト相関図☆
【#夜明けの寄り鯨】
ゆるイラスト相関図、あります🐳
和歌山県の港町を舞台に、25年前に自分が傷つけたかもしれない男性の面影を追う、一人の女性のこころの物語。12/1~18上演!#横山拓也 #大澤遊#小島聖 #池岡亮介 #小久保寿人#森川由樹 #岡崎さつき #阿岐之将一#楠見薫 #荒谷清水 pic.twitter.com/ELvzzNbXYs
— 新国立劇場の演劇 (@nntt_engeki) November 22, 2022
演劇『夜明けの寄り鯨』公演概要
日程・会場:2022年12月1日(木)~18日(日)新国立劇場 小劇場
作:横山拓也
演出:大澤 遊
芸術監督 小川絵梨子
キャスト:
小島 聖 池岡亮介 小久保寿人
森川由樹 岡崎さつき 阿岐之将一
楠見 薫 荒谷清水
主催 公益財団法人新国立劇場運営財団、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp/
撮影:田中亜紀