木津つばさ主演 舞台「地獄楽」開幕 「死んでも生きて帰る」

『地獄楽』(じごくらく)は、賀来ゆうじによる日本の漫画。この4月からのアニメ放映に先駆けて舞台版が開幕。
江戸時代後期、死罪人・画眉丸らが不老不死の仙薬を探しに向かう忍法浪漫。美麗かつ悲壮感あふれるタッチで、過酷な状況下の力強い人間ドラマを描き、『J+』の人気作品。連載終了後、テレビアニメ化および舞台化がそれぞれ発表され、大きな話題を呼んだ。

物語の出だし、「不老不死の薬を探せ」の声が響く。不老不死(ふろうふし)は、永久に若く死なないこと。秦の始皇帝は実際に不老不死の薬を求め、かえって死期を早めたと言われている。歳を取らない、人類の永遠の希望でもある。画眉丸(木津つばさ)、死罪人、だが、死なない、どんなことをしても。それは、修行により得た超人的な人体のため、あらゆる処刑方法でも死ぬことがないから。釜茹でにされたりしても、死なない、衝撃的な始まり。


だが、「打ち首執行人」の山田浅ェ門 佐切(白本彩奈)に出会い、初めて死を身近に感じる。佐切が自分を殺す力を持っていると悟り、生への執着と妻への愛情を再認識する画眉丸。佐切は無罪放免となるための条件を画眉丸に提示。それは、極楽浄土と噂される島へ向かい、不老不死の薬・仙薬を手に入れること。画眉丸と佐切は、共に島に渡った死罪人&「浅ェ門」の肩書きを持つ山田家の面々と共に、島を支配する天仙たちと戦いながら薬を探す、というのが大体の流れ。

見どころは、やはりアクション、殺陣。アクションは、文字通り、体を張って、スピード感あふれる動き、そしてコンテンポラリーダンスの動きをするアンサンブル陣。通路を使う演出もあり、臨場感たっぷり。

そこに映像演出、色彩が美しく、血飛沫が飛ぶ瞬間がアートなだけでなく、どこか妖艶な雰囲気を醸し出す。彼らに立ちはだかる未知の化物や謎多き仙人たちー”天仙”。
当初「死にたい」と言っていた主人公。それは生きることへの執着。そこから、物語が動く。「画眉丸」は石隠れの里の筆頭を示す屋号。渾名はがらんの画眉丸で、血も涙もない「がらんどう」な人間という意味。小柄な体と白髪が特徴。幼少期に石隠れの里長に両親を殺され、忍者として育てられた、そんな画眉丸。

彼を取り巻く登場人物も個性的、画眉丸ら、彼らの生き様、刀剣の試し斬りや処刑執行人を務め、“首斬り浅”と呼ばれている山田一族の娘・佐切、女性ながら刀剣の達人。白本彩奈の華麗なる刀さばきは必見。お色気全開キャラの杠(太田夢莉)、亜左弔兵衛(松島勇之介)は「オレの主君はオレだ」と叫ぶ、そんな兄を尊敬する桐馬(田淵累生)など、どのキャラも”濃い”。
キャスト全員、アクション、殺陣を華麗にこなす。天仙役の高橋健介、文字通りの”7変化”。


なお、特筆すべきは音楽。和楽器、三味線、琴は生演奏。しっとりとした場面、あるいは戦いの場面、真逆のシーンだが、その音色が作品世界をよりクリアーにさせる。また、パペットを使用、これもなかなかにアートに存在感を示す。


色彩に溢れ、エモーショナルな、泣かせるシーンも多く、ラスト近くのバトルはあらゆる演出手段を使ってガッチリと見せるので、ここは必見。ラストは光が見える。
なお、千秋楽は生配信が決定。早くもBlu-rayとDVDの発売も決まっており、特典映像多数。詳細は公式サイトを。

公開稽古の前に簡単な会見が行われた。

ゲネプロ前に実施された囲み取材では、木津つばさ(画眉丸役)、白本彩奈(山田浅ェ門 佐切役)、松島勇之介(亜左 弔兵衛役)、田淵 累生(山田浅ェ門 桐馬役)、高橋健介(天仙役)が登壇した。
「稽古の段階で誰1人欠けずにここまでこれたことは奇跡」と松島勇之介。通常の稽古より前に“事前アクション稽古”を実施し、“2シーンに1回は登場する”という殺陣シーンに向けて、しっかりと鍛錬を重ね、信頼関係も生まれたそう。キャラクター同士の間で芽生える様々な”絆”が魅力の『地獄楽』。画眉丸を演じる木津は白本彩奈について「こんなにもピッタリな人がいたんだ!」と驚きつつ、稽古で時間を重ねるにつれて、「今では諭してくれるおかん(お母さん)のようです。(笑)」と笑わせた。ちなみに白本彩奈は20歳。松島勇之介、田淵累生は兄弟役「稽古を通じて、何をやっても許される信頼関係を築くことができた」と町島がいえば、「いかなる時もチャレンジ し、空き時間もずっと台詞や殺陣の練習をしている、そんな姿を尊敬の思いで見ていた」と田淵。民谷 巌鉄斎(郷本直也)&山田浅ェ門 付知(宮崎湧)の微笑ましいシーン、山田浅ェ門 士遠(中村太郎)&山田浅ェ門 典坐(飯山裕太)&ヌルガイ(吉浜あずさ)、師弟の強い絆。とにかく見どころが多い本作、天仙役の高橋健介が「2人1組での役づくりがうらやましい」とコメントしたが、氣(タオ)の力で様々な姿に変化する天仙を、声色を変えながら1人7役に挑戦、ここも見どころ。メイは澤田理央・高乘蒼葉のWキャスト、公開稽古では澤田理央だったが、可愛さ全開。「山田浅ェ門 仙汰を演じる森さとるは、役のために13キロ増量したらしい」ということで、役者魂全開。

「皆さんの目・耳・鼻、全てを使って、会場全体を巻き込んだ舞台をお楽しみいただきたい」と高橋健介、俳優陣の演技のみならず、クリエイティブスタッフ陣の”お仕事”にも拍手。
「今日までつくりあげたものが間違いなかったと思えるように、みんなでエネルギーを 交換しあって、全力で佐切を生きたい」と白本、木津は「熱く熱く作品に向き合い、『地獄楽』が大好きな人も知らない人も、全ての人が楽しめる作品にしていきたい」と締めて会見は終了した。

イントロダクション
賀来ゆうじ原作・マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」よりシリーズ累計発行部数400万部を突破した大人気コミック『地獄楽』がついに待望の舞台化‼
時は江戸時代末期ー
かつて石隠れ最強の忍として 恐れられた囚われの死罪人 “画眉丸”は
打ち首執行人を務める“山田浅ェ門 佐切”から無罪放免になるための条件を突きつけられる。
それは極楽浄土と噂される島 “神仙郷”から「不老不死の仙薬」を持ち帰ることー
画眉丸は最愛の妻と再会するため、佐切とともに島へ向かうことを決意するが、
同じく無罪放免をかけ仙薬を求める死罪人たちが2人の前に立ち塞がる。
さらに島に潜む未知の化物や 謎多き仙人たちー”天仙”が彼等を待ち受けておりー
混沌渦巻く神仙郷で、画眉丸は仙薬を見つけ出し生きて帰ることが出来るのか—!?
永遠の生と死の狭間でもがき、彼らが手にする答えとは―⁉
生死を賭け、己が信条の為に戦う 忍法浪漫活劇、いざ開幕!

概要
日程・会場:2023年2月16日(木)~26日(日)  ヒューリックホール東京
原作:「地獄楽」賀来ゆうじ(集英社 ジャンプ コミックス刊)
演出:加古臨王
脚本
Spacenoid Writers’ Room(月森葵、野ノ栖千晶、会沢青)

出演
画眉丸:木津つばさ
山田浅ェ門 佐切:白本彩奈
亜左 弔兵衛:松島勇之介
山田浅ェ門 桐馬:田淵累生
杠:太田夢莉
山田浅ェ門 士遠:中村太郎
山田浅ェ門 典坐:飯山裕太

ヌルガイ:吉浜あずさ
民谷 巌鉄斎:郷本直也
山田浅ェ門 付知:宮崎湧
山田浅ェ門 仙汰:森さとる
メイ:澤田理央・高乘蒼葉(Wキャスト)

天仙:高橋健介
ほか
スタッフ
音楽: 佐々木久夫(SeanNorth)
美術: 乘峯雅寛
技術監督:寅川英司
舞台監督: 横川奈保子
照明:大波多秀起
音響:前田規寛
映像:O-beron inc.
衣裳:雲出三緒
ヘアメイク:木村美和子(do:t)
小道具:平野雅史
アクション:船木政秀
演出助手:櫻井裕代
振付:富田 彩
宣伝美術:五島英一
制作:Office ENDLESS
主催:エイベックス・ピクチャーズ
・特報PV:https://youtu.be/5DkDxfE8PYw
・公式サイト:https://jigokuraku-stage.jp/
・公式Twitter:@jigokuraku_st