倉持裕×向井理特別インタビュー公開 M&Oplays プロデュース『リムジン』

倉持裕×向井理特別インタビュー公開!!
いよいよ2023 年9 月2 日(土)にチケット一般発売開始!
一つの嘘が次の嘘を呼び、彼らが招いた取返しのつかない事態とは
小さな田舎町を舞台に人の愚かさを描く心理サスペンス

2023年11月3日 (金)~11月26日(日)本多劇場にてM&Oplays プロデュース『リムジン』が上演される。
東京公演後は、富山、愛知、熊本、福岡、広島、大阪と全国へ巡演。
本作は、主人公の男が自己保身のためについた一つの嘘が、次の嘘を呼び、逃げ場のないところまで追い詰められていく恐怖を、ブラックな笑いを交えて描くサスペンスとして、企画された倉持裕の新作。
20年コロナ禍で稽古前に全公演の中止が発表されたが、今回、キャストを変更することなく、満を持しての上演となる。

主演には、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』や、ドラマ『警部補ダイマジン』 テレビ朝日、秋開始のドラマ『パリピ孔明』など話題の作品に次々と出演、倉持とは初顔合わせの向井理、ヒロイン役には、22年に短編映画『おとこのことを』で初監督に挑戦、ドラマ『ブラッシュアップライフ』や2023 年後期連続テレビ小説『ブギウギ』などに出演、舞台出演は8年振りとなる水川あさみ。共演には舞台『QQ:A Night at the Kabuki 』ドラマ『警視庁アウトサイダー』などに出演、松尾スズキ、串田和美、野田秀樹など数々の演出家の公演に多数出演する名優 小松和重、舞台『おかしな二人』に出演するなど俳優活動の他、エッセイの連載や書籍を出版するなど多彩な才能を発揮する青木さやか、舞台『三十郎大活劇』や『暮らしなずむばかりで』、ドラマ『東京の雪男』、映画『おとななじみ』などに出演する個性派俳優 宍戸美和公、 舞台『綿子はもつれる』やドラマ『かしましめし』 テレビ東京 、大河ドラマ『どうする家康』 NHK) など話題作に次々出演する田村健太郎、舞台『千と千尋の神隠し』、映画『LOVE LIFE 』や配信ドラマ『サンクチュアリ 聖域 』などに出演、俳優、ナレーター、映画監督と多彩な顔を持つ田口トモロヲと、魅力的なキャスト陣が誰一人欠けることなく集結。

――もとは2020年に上演予定だった本作が、3年の時を経ていよいよ動き出しました。

向井 コロナ禍で出演作品が流れたのは、自分にとってはこの作品が初めての経験でした。でも当時から中止ではなく延期という言葉を使わせていただき、いつかはやるだろうなという思いでいましたね。3年後の今、こうして動き始めたことには何かしらの意味があると思いたいですし、その気持ちをバネにして取り組めたらいいなと思っています。

倉持 そうですね、責任をやっと果たせるというような気持ちですかね。別に自分の都合で放り出したわけじゃないけど(笑)、「始めます」と皆に公言したことをやれなかったのは、やっぱりこの3年間ずっと引っかかっていましたから。と言っても、当時はまだ作品の構想段階にあって、台本の冒頭だけは書いたけれど、なかなか書き進められずにいました。美術の打ち合わせなどは進めていたけれど、はたして今、公演が出来るのか!?みたいな状況でしたからね。もともとの物語の構想は3年経とうが変わってはいないけれど、以前は出来事が目まぐるしく展開する話を考えていて、そこは少々変わったように思います。やっぱりこの3年間は、ささいな、何てことのない出来事が日常を構成していると実感する日々だったので、多くの出来事を積み重ねていくのではなく、一つ一つ、小さなことをじっくり描く作り方になるのではと思っています。

――一つの嘘が次の嘘を呼んで取り返しのつかない事態に発展し、追い詰められていく夫婦を描いたブラックコメディだそうですね。

倉持 魔が差して嘘をついてしまう、そこに至るまでの時間を以前考えていたよりもじっくり書きたいなと。夫がある人に対して謝れない、真相を打ち明けられない時に、奥さんが「早く打ち明けたほうがいいよ」と助言しておきながら、いざとなると奥さんのほうがブレてしまう、みたいなことが序盤で起こります。人の気持ちが揺らいでしまう、その移ろいを時間かけて書きたいと思っていますね。

向井 僕自身、割と日常を描いた物語が好きだというのもあるんですけど、人間ってそんなふうにいろんな面を持っていますよね。倉持さんの作品ってエンタメの極致のようなテイストもあれば、こういった緻密な会話劇で構成する世界もあって、振り幅の大きい劇作家さんであることは存じ上げていました。今回は、日常生活の中でどんな非日常が生まれていくのか、そこがすごく楽しみです。会話劇って、始まってしまえばもう演者に委ねるしかないところがあると思うんですね。そのヒリヒリした感覚というのは日常を描いた劇だからこそ味わえるもので、本多劇場でやる意味もそこにあると思っています。舞台と客席の距離が近い緊密な空間だからこそ、そのヒリヒリ感もお客さんに伝わるんじゃないかなと。毎回毎回を新鮮に、生々しいリアクションを大事にしていけば、お客さんを巻き込んでいける良い作品に出来るのではと思っています。

――今回の企画は、向井さんが倉持さんとの作品づくりを熱望されて始まったと伺っています。

向井 倉持さんの作品をいくつか拝見して来て、本当に真逆の世界観があるなと感じています。鎌塚氏シリーズのようにポップな世界観の中に結構な毒が潜んでいたり、エンタメの中にちゃんとシリアスが含まれていたり、良い人そうに見えてドス黒い部分があったり(笑)。僕は倉持さんの作品の、そういう相反するものが共存しているところが好きなんです。そこは稽古をしていく中で、演者がつかんでいかなければいけない部分だなと。激しいアクションで汗をかくような芝居じゃなくても、どこか冷や汗をかいているような芝居、それを観て面白いと感じるのは、ある意味、演者が傷ついているからなんですよね。やるからには簡単に出来ることはやりたくない、難しいことをやっていきたいので。そういったハードルの高い芝居を倉持さんとやりたい、ずっとそう思っていたんです。

倉持 そんなふうに思っていただけて嬉しいですね。自分でも、本当にバラバラなことをやっているなと自覚していまして。自分はこの色だ!と決めたほうがブランディングとしては正しいんだろうけど、かなり“来るものは拒まず”でやってきてるから(笑)。ま、意識的にやっていることではあるんですけど、俳優さんにそう見てもらえるのはすごく嬉しいです。向井君には、涼しい顔をしながら内側ではものすごく感情が波打っている、心臓が早鐘を打っているといったような、おっしゃるようにヒリヒリした役をやってもらいたかったんですよね。今回は、はっきりと向井君を想定しながら話を作っていきました

――向井さんを想定して今回のストーリーが生まれたとすると、倉持さんは向井さんにどんな魅力を感じていらっしゃるのか、どんな姿を舞台で見たいと思っていらっしゃるのでしょうか。

倉持 見た目と同様に、演技に関してもすごくスマートだなという印象ですね。向井君が僕の作風に感じたことと似ているんですが、いろんな役をやるじゃないですか。シリアスも、コメディも、時代劇もやるから立ち回りもできるし。何でもソツなくこなす印象があるんですよ。

向井 そんなことないです(笑)。

倉持 そういう見た目も行動もスマートな、ソツなくこなす人間が、実は心臓をバクバクさせている。そんなキャラクターが絶対似合うだろうなと思ったので、実際今回はそういう役を書いています。田舎町を舞台にした話なんですけど、「お前は田舎にいる人間じゃないよね」と周りに思われていて、「そんなことないですよ」って言いながら、周りの期待する人間を、涼しい顔をして演じている。でも内心では反対の気持ちがずっと渦巻いている…、そういう役を書きたくなったんです。

向井 「嘘が嘘を呼ぶ」ってよく言いますけど、一歩進んじゃうともう後戻りできない、嘘をつき続けるしかなくなってきちゃう状況は、すごく理解できます。人間って、よく見せようという欲があるから嘘をつくわけで、それは誰もが持つ感情だから、観る人にとっては痛いんじゃないかなと思いますね。僕自身も幼少の頃は、「なぜあの時、本当のことを言って謝らなかったんだろう」ってことがよくありましたし。それが大人になると、すごく厄介なことになるんですよ。子供の嘘はまだ可愛いものだけど、大人の嘘は可愛いじゃ済まされないので(笑)。僕としても、それは一つの教訓として生きているつもりではありますね

ストーリー
小さな田舎町で、親から受け継いだ小さな工場を営む主人公の男(向井理)。彼は町の実力者に気に入られ、自分の後継者にと、推薦されていた。その地位につけば、名誉と、特別な待遇が与えられる。妻(水川あさみ)と共に喜ぶ男。しかし、喜びも束の間、彼は誤って、昇進に尽力してくれた 恩人に怪我を負わせてしまう。「一言謝れば済む話よ」と、ためらう夫に妻は言うが、掴みかけた未来が遠のくことに耐え切れずついた嘘が次の嘘を呼び、夫婦は取り返しのつかない事態を招いてしまう。重ねた罪に比べて実入りの少ない、あまりに非効率な夫婦の悲喜劇。

概要
公演名:M&Oplays プロデュース『リムジン』
作・演出:倉持裕
出演:向井理、水川あさみ、小松和重、青木さやか、宍戸美和公、田村健太郎、田口トモロヲ
主催・製作:株式会社M&Oplays
公式HP:https://mo-plays.com/limousine2023/

東京公演
日程・会場:2023年11月3日(金)~11月26日(日) 本多劇場
料金:前売・当日共 8,000 円(全席指定・税込)
U 25 チケット 5,500 円
(ご観劇時25歳以下対象・当日指定席券引換・要身分証明書・チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)
チケット発売日:2023年9月2日(土)
問合せ:㈱M&O plays 03-6427-9486

撮影:渡部孝弘