つかこうへい×扉座の人気作再演。
その全盛期、編集者として故つかこうへい氏とともに数々の傑作を世に送り出した幻冬舎社長・見城徹氏の絶大なる御支援の下、小説＆映画の名作『二代目はクリスチャン』を原作としてつか氏との出会いによって劇作家の道を歩んだ、横内謙介がその魂を継承し、令和版として書き下ろし、演出。
「二代目はクリスチャン」は、つかこうへいが1985年に発表した小説で同年、井筒和幸監督、志穂美悦子主演により映画化され大ヒットし代表作の一つとなった作品。
出所するところから始まる。そしてオープニングは派手に。扉座版なので、原作と全く同じというわけではないが、つかこうへいへのオマージュが随所に散りばめられている（セリフやかかる楽曲でわかる！）。木村伝兵衛は『熱海殺人事件』の登場人物、熊田留吉Jr.は創作、墨東署の面々など、扉座版ならでは。キャッチフレーズは「燃える！泣ける！！キマる！！！」客席は笑いの連続かと思ったら、固唾を飲んで見守る場面もあり、緩急つけた流れ。
岡森諦は90年につかこうへい事務所公演『熱海殺人事件』で木村伝兵衛を務めただけあって当たり役。熊田留吉Jr.は新原武、勢いのある芝居で先輩・岡森と丁々発止のやり取り、ラスト近くは木村が！！！！「泣ける！！」。サイドストーリーも見逃せない、組員の三郎（紺崎真紀）とホステスのサチコ（大川亜耶）は婚約中、だが、この組み合わせ、世間では肩身が狭いが、純愛、恋に「燃える！」サチコの行動が「泣ける！！」、墨東署の3人組は所々で笑わせる。組員たち、ベテランの有馬自由や犬飼淳治、鈴木利典ががっちりと。
勢いのある舞台、ヤクザはいわゆる「反社」、行き場のない人々、組員の五助（小川 蓮）とカン太（野田翔太）は教会の孤児院にいたという設定、だが、皆必死に生きている、その生き様、愛ある視点、それはつかこうへい作品もそうだが、その心意気を継承。だから、何度観ても感動する、泣ける、そして何よりも熱い、物語だけでなく、作り手の熱さ、熱量も舞台にのせる。また、ヒロインの今日子、ベテランの伴 美奈子がキャスティング、高い演技力。時々流れる音楽の中に”昭和”なものもあり、ある世代には懐かしい楽曲、ラスト近くの木村伝兵衛のまさかのシーン、”昭和”の終わりも感じる。時代は変わる、だが変わらないものもある。人間の想い、愛、人としての拘り、これはどんな時代になっても変わらない。休憩なしでテンポよく進んでいくが、観終わったあとは何か温かいものが残るはず。公演は12月3日まで、紀伊國屋ホールにて。なお、ロビーは花でいっぱい！良い香りがするので！
横内謙介より
今回の公演は伴美奈子スペシャル、と声高に言わせて下さい。
伴美奈子の天才ぶりに感嘆しました。
出てくる度に、多彩な技が繰り出され、
濃く味わいを増して我が座員ながら、
目が耳が離せません。
まったく凄い役者です。
つかこうへい「二代目はクリスチャン」あらすじ
神竜組の親分が何者かに殺された。その跡目を継ぐのは聖サフラン教会の清楚可憐なシスター今日子だった。
流れ者の英二に運命を感じる今日子。今日子に恋心を寄せる県警刑事。そして、神竜組の組員達と神竜の金看板を狙う黒岩会！血で血を洗う抗争が今!!!
神戸六甲に吹き荒れる仁義なき戦い。神竜組二代目シスター今日子はついに黒岩会に乗り込む！
『悔い改めてえ奴は十字を切りやがれ。でねえと一人残らずたたっ斬るぜ』
扉座版「二代目はクリスチャン」あらすじ
元組長の幼な妻（今日子）、20年前に抗争に巻き込まれて死んだ、組長で夫の神竜政五郎の仇を撃って、敵対組員たちを射殺、懲役20年の刑に服役、ヤクザ苦境のこの時代にあえて神竜組二代目として組を再建する覚悟で刑期を務め終え出所した今日子。
元組長と出会うまでは教会に暮らす清楚可憐な修道女だった今日子。
出所を待ちわびた組員達は……今日子の前に再び嵐が吹き荒れる……
＜2021年公演レポ＞
劇団扉座第71回公演 幻冬舎Presents 扉座版『 二代目はクリスチャン ―ALL YOU NEED IS PASSION―』熱い想い、笑って泣けてスカッと！
概要
幻冬舎Presents 劇団扉座第76回公演
『扉座版 二代目はクリスチャン―ALL YOU NEED IS PASSION 2023―』
日程・会場：
美浜
2023年11月26日(日) 千葉市美浜文化ホール メインホール
東京
2023年11月28日(火)～12月3日(日) 紀伊國屋ホール
原作：つかこうへい
脚本・演出：横内謙介
企画：見城 徹
出演
岡森 諦 有馬自由 犬飼淳治 鈴木利典 新原 武 松原海児 野田翔太 早川佳祐 三浦修平 紺崎真紀 小川 蓮 翁長志樹 伴 美奈子 砂田桃子 大川亜耶
本公演はアフタートークイベント、無謀ナイト、ラクイブナイトなどイベントが盛りだくさん。
