《インタビュー》 舞台『スマホを落としただけなのに』 稲葉麻美役:早川聖来

日本中を震撼させたサイバーミステリー「スマホを落としただけなのに」初の舞台化が決定した。原作は、2017 年、第15 回『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉(編集部推薦)作品として選ばれた志駕 晃のデビュー小説。これまでにシリーズ第2 弾「スマホを落としただけなのに~囚われの殺人鬼~」とあわせた累計発行部数は78 万部を突破、2018年には、北川景子、田中 圭、千葉雄大、成田 凌など豪華キャストで映画化され、興行収入19.6 億円の大ヒットを記録。2020年2月21日には続編の映画公開、今、最も注目されている作品。
今回初の舞台化で描かれるのは、奇才劇作家・横内謙介の書き下ろし。原作小説「スマホを落としただけなのに」とその続編である「囚われの殺人鬼」を融合させた物語になるという。この作品のヒロイン、稲葉麻美を演じる早川聖来さんに役が決まった時の感想や作品について語っていただいた。

「嬉しい気持ちでいっぱいだったんですけれど、少し不安もありました」

――この公演への出演が決まった感想は?

早川:とても有り難いお話で、嬉しい気持ちでいっぱいだったんですけれど、初めてメンバーのいない舞台に出演するので少し不安もありました。でも、グループの先輩に舞台経験豊富な方も多くいらっしゃるので、困ったらアドバイスをいただける環境にいますし精一杯頑張ろうと思いました。
――乃木坂46版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」にも出演されていましたが今回の舞台は何作目でしょうか?
早川:「3人のプリンシパル」という乃木坂46・四期生の公演を含め3作品目になります。私、お客様が目の前で楽しんでもらえるライブや舞台が大好きでなんです。反応や表情などを直接感じることができるから……。
――乃木坂46のメンバーの間では、出演した舞台の感想を話し合うことはあるのでしょうか?
早川:先輩が出演されている舞台が終わったあとにご挨拶に行ったりするんですけれど、その場で感想を伝えたりはよくしています。「3人のプリンシパル」の時は先輩たちが観に来てくださって、「もっと大きく動いたほうがいいよ」などとアドバイスをいただきました。

「ビビリなんですけれど、ホラーは結構観ています(笑)」

――今回は「スマホを落としただけなのに」という、朗読劇や映画化も行われている作品です。
早川:原作を読ませていただいたんですが、ドキドキハラハラが止まらない作品なので、プレッシャーもありますが映画、原作、漫画とそれぞれある中で、舞台にしか出せない形で表現をできたらなと思います。
――グループを離れて初めての舞台出演で、しかもホラーという“追い詰められる”ジャンルですね。
早川:グループを離れて単独で舞台出演することが初めてなんです。頼る相手も、普段みたいに先輩に甘えることができない。グループの代表として頑張りたい気持ちはありますが初めてに初めてが重なっていて……。しかも今回は「セーラームーン」とは真逆のジャンルなので、そこを上手くできるかが自分としての課題です。前回の「セーラームーン」も力を合わせてがんばれたという実感があるので、今回もスタッフの皆さんや出演者の皆さんの協力を得ながらがんばっていきたいです。
――普段はホラー作品を観ることはあるのでしょうか?
早川:ビビリなんですけれど、ホラーは結構観ています(笑)。母が宮部みゆきさんや湊かなえさんのようなミステリー・サスペンスをよく読んでいたので、借りて読んだりしていました。考えながら読み進めていく作品が大好きなので、今回の出演はとてもうれしいです。
――タイトルのように実際にスマホを落としたことは?
早川:まだないんです。でも忘れかけたことは何度かありますけど……。スマホの中に電車のICカードとかいろいろ機能が詰まっているから、忘れたら出かけられない! スマホを落としたら怖いですよね(笑)。
――原作の魅力でもありますが、現代ではあり得る話ですよね。
早川:今の時代だからこその表現も多いですし、本を読んでいても専門用語がとっても多い。「落としたらこんなことになっちゃうんだ!」とある意味勉強になった部分もあります。自分の身近に起こり得ることが最悪な形で描かれていますから。自分の身をより「守らなきゃ」と思うようになりました。

「私も乃木坂46に加入して1年経って、最近ようやく気持ちに落ち着きが出てきたので、そこを演じる役に活かしていければ」

――原作の志駕晃さんが「早川さんは登場人物のイメージ通りだった」というコメントを残していらっしゃいましたが、麻美との共通点や役作りは?
早川:(麻美は)“凛とした女性”だと思ったので、私はまだそこまで人生経験がないのですが……役どころとしては“過去に秘密のある女性”でもあるのでミステリアスな部分もありますし、肝が据わった女性のイメージも原作を読んでいて感じたので、落ち着いた芯のある部分をどう表現するかを、自分で考えているところです。私も乃木坂46に加入して1年経って、最近ようやく気持ちに落ち着きが出てきたので、そこを演じる役に活かしていければ。

――役を演じることに対して、どんなやり甲斐や面白さを感じていますか?
早川:前回の「セーラームーン」を通して、一つの役に愛着を持って“この子だったらどう動くだろう?”と考えるのが楽しかったので、自分なりに人物像を作り上げていくことにとても興味があります。今回も自分なりに新しく「稲葉麻美」という人物の役作りをイチからできればいいなと思っています。
――読者へメッセージを!
早川:「スマホを落としただけのに」という大きな作品に携わらせていただいて、とてもうれしく思っています。映画や朗読劇などいろんな形で表現されている中で、初めての舞台化なので他の形ではできない世界を皆さんにお届けできるように、座組の皆さんと一生懸命力を合わせてがんばりたいと思っているので、たくさんの方に観ていただけたらうれしいです。

【舞台『スマホを落としただけなのに』作品概要】
公演名:舞台『スマホを落としただけなのに』
原 作:志駕 晃『スマホを落としただけなのに』(宝島社文庫)
脚本・演出:横内謙介
出 演:辰巳雄大(ふぉ~ゆ~) 浜中文一 早川聖来(乃木坂46) 佐藤永典 原田龍二 ほか
<東京公演>
日 程:2020年3月20日(金・祝)~4月5日(日)全24公演
3月24日(火)14時/3月26日(木)18時30分/4月2日(木)14時公演 スペシャルカーテンコール実施
会 場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
東京公演主催:ニッポン放送/ニッポン放送プロジェクト
お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~18:00)
<大阪公演>
日 程:2020年4月18日(土)17:30・4月19日(日)12:00/16:30 全3公演
会 場:松下IMPホール(大阪府大阪市中央区城見1丁目3-7 松下IMPビル)
大阪公演主催 サンライズプロモーション大阪
お問い合わせ キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00)

公式サイト: https://www.sumahootoshita-stage.jp/
公式Twitter: @sumaho_STAGE

取材:Hiromi Koh
構成協力:佐藤たかし