“タクフェス春のコメディ祭!”、舞台「笑う巨塔」、笑いにあふれた制作発表会

“タクフェス春のコメディ祭!”、舞台「笑う巨塔」、笑いにあふれた制作発表会

“タクフェス春のコメディ祭!”として、舞台「笑う巨塔」、“巨塔”と聞けば、あの有名な作品「◎い巨塔」を思い浮かぶ人は多いだろう。

 2003 年、劇団・東京セレソンデラックスによるシチュエーションコメディ「HUNGRY」として初演され、2012 年には同作を 「笑う巨塔」として再演したものの、この作品を以て東京セレソンデラックスは 12 年の歴史に幕を下ろしました。「セレソン最後の 作品がまさかのコメディ作品!?」と演劇界では大きな話題を呼んだ作品で、映像化もされておらず幻の作品となっておりましたが、 ついに 6 年の時を経て、まさにファン待望、満を持しての再演となります。

出演には、作・演出の宅間孝行を筆頭に、本格コメディに挑戦する篠田麻里子、なんと 25 年ぶりの舞台出演という 片岡鶴太郎のほか、ヒーローもので人気を博し、映像・舞台などで人気急上昇中の松本享恭、昨今、女優としての活躍めざまし い鳥居みゆき、実力派の俳優の石井愃一、梅垣義明、かとうかず子らが脇を固めるなど、多彩なメンバーが揃った。

 1月の寒いが快晴の某日、都内で制作発表会が行われた。登壇したのは、宅間孝行、篠田麻里子、片岡鶴太郎、松本享恭、鳥居みゆき、石井愃一、梅垣義明、かとうかず子。よく見ると……顔ぶれが……濃い!

 

最初の挨拶で宅間孝行は「自分にとってはシチュエーションコメディの最高傑作の再演です」と胸を張る。篠田麻里子は「笑いがつまった作品、皆さんと盛り上げたい」と抱負を。石井愃一は「前回よりも笑いを多く!」と前作超えを宣言。梅垣義明は「泣いて笑って、素敵な舞台で(前から)出たいって思っていました」と語る。かとうかず子は「しごかれながら頑張りたい」とコメント、鳥居みゆきは「(自分の)役はぴったりだと思うんで~」と早くも自画自賛コメント。片岡鶴太郎は「一番、場違いな私(笑)、25年ぶりで台詞が覚えられるか?!」とやや自虐的。それをうけて宅間孝行は「メンバーが濃い!アクが強いので稽古が心配ですが、(皆さんを)最大限に生かしたいけど、自由にやられるとコワいな~(笑)」と言ったところで鳥居みゆきが「ちゃんとやります!稽古行きます!」とテンション高く発言。そんな鳥居みゆきを見て梅垣義明は実は鳥居みゆきが19歳の頃に出会ってるそうで「そんなに変わってません!」とコメント。そのやり取りを見た宅間孝行は「鳥居さんは梅垣さんに任せます!」とコメントし、会場の笑いを誘った。

 片岡鶴太郎は絵を描くようになってから舞台出演が疎遠になったそうで「遊びたいなと思ったらオファーがあって乗るしかないな」とコメント。それに対して宅間孝行は「片岡さんのことは凄く好きで……子供の頃から……」と語る。夢が実現した格好だ。続けて「かとうかず子さんには出て欲しかった」と語り、それに対してかとうかず子は「(宅間さんと)夫婦役なので嬉しい。背の高い娘(篠田麻理子)もいて……」と嬉しそう。篠田麻理子は「豪華な方々なので~新たな自分を探してみたいと思います、楽しみ!」と言い、松本享恭は「全部、出していきたいと思います!」と全力宣言。それに対して宅間孝行は「年賀状のビビった感が」とツッコミが入るが、カンパニーの雰囲気は早くもよい感じ。石井愃一は「(メンバーが変われば)全く新しいモンだと思います。それにのまれて右往左往すれば(笑)」と楽しそうに語る。また作品の魅力や印象に関して石井愃一は続けて「彼の作品は観てるんで~彼の作品は2通りあって笑いに徹するものと胸キュンとあって、今回は笑いかな?胸キュンも各々の俳優さんが見つけて出してくるとは思いますが……」とコメント。これは楽しみ。片岡鶴太郎は「ノスタルジックな下町の匂いと愛すべき下町のバカが出てきて……しゃべっている言葉は荒ぽかったりしますが、純粋な感じで……宅間さんの生まれ育ち、下町のいろんな人に出会って助け合ってそういうバックボーンがある気がする。私も下町ですし、大ファンで観てきたので出るのは嬉しい」と語る。篠田麻理子も「泣いたり笑ったりして忙しいけど……最後に踊るのが楽しい!」と観劇の感想を述べた。松本享恭は「観劇しまして、お客さんが笑いながら泣いている、凄いな、この感覚と思いました」とコメントしたが、皆「タクフェス」の大ファン!さらに鳥居みゆきは「媚びてなくってわかりやすい!かっこいいと思いました!」と大絶賛!それに対して宅間孝行は「温かい言葉で……皆さんの個性を僕のスタイルにはめるんじゃなくって、皆さんの個性が全面に出るように、皆さん、キャラが立ってるんで上手くまとめた方がいいのか、まとめない方がいいのかわかんないですが、カンパニーによって進め方も違うんで、素敵なメンバーです」と締めてくれた。

 

 フォトセッションの後に囲み会見もあった。そこで宅間孝行が「みんなでご飯食べてなんとかまとめたい」と言い、篠田麻理子が「コメディはやったことがないので、一生懸命やって笑われたい」と抱負を。そして「皆さんが稽古に(宅間特製の)卵かけご飯を出てくると言っているので、どんな卵かけごはんなのかが気になってます。楽しみです!」答え、笑いを誘った。またアドリブに関しては宅間は「そういう時間は毎回作ってある」と回答、これは何が出るのか楽しみ。またコメディは珍しいですね、の問いかけに対してかとうかず子は「宅間さんにお任せしています。ダンスに怯えております(笑)」と言い、石井愃一は「台本と通りに忠実にやれば……一生懸命やってお客さんに笑って頂ければ」と語る。

 最後に宅間孝行は「この作品は映像化が中止になってDVDにもなっていないので、是非、生で!お待ちしています!あと愛媛公演、四国は初上陸です!」とコメント、なんとも賑やかな雰囲気で会見は終了した。

[あらすじ]

東京はとある所にある「四王病院」。この病院に総選挙を間近に控えた山之内代議士が突然倒れ運び込まれた。山之内の息子であり、父親の秘書も務める蓮太郎たちは検査の結果をやきもきしながら待ちわびていた。

一方、とび職の親方、花田浩美は検査の為入院していた。そこに一人の男が見舞いにやって来る。 昔、浩美の元で修行をしていた富雄が数年振りに現れたのだ。しかしこの男、とんでもない迷惑者。 富雄との再会に喜ぶのは浩美の娘、ふみばかり。

また政界の古狸、浜惣こと浜村惣一朗は、元横綱・三子山親方を見舞いに来ていた。 総裁選を控えた大事な時期に仕事をほったらかすなど相手陣営に知れたらとやきもきする秘書をよそに、ばれる訳がないと意気揚々の浜惣であったが…。

患者、見舞い客、医者、看護師、水道屋…様々な想いや事情が交錯し、

平穏だった病院はとんでもない事態に…。

 

【公演データ】

舞台「笑う巨塔」

日程:2018年3月29日(木)~4月8日(日)

会場:東京グローブ座

 

日程:2018年4月13日(金)~4月15日(日)

会場:ウィンクあいち 大ホール

 

日程:4月17日(火)~4月22日(日)

会場:兵庫県立芸術文化 センター阪急ホール

 

作・演出:宅間孝行

 

<出演>

宅間孝行 篠田麻里子、松本享恭 / 石井愃一、梅垣義明 /

かとうかず子、鳥居みゆき / 片岡鶴太郎

http://takufes.jp/kyotou

文:Hiromi Koh