《インタビュー》「おっかちゃん劇場」演出・出演 福士誠治

近年舞台演出も多く手がけ、 創作活動も評価されている俳優 福士誠治 演出・出演による
新作公演が下北沢本多劇場でもうすぐ開幕!
前作「幽霊でもよかけん会いたかとよ」(2016年12月下北沢駅前劇場)に続き、彼がこだわっている“家族の物語”が題材。
脚本は、前作に引き続き金沢知樹が自身の故郷である長崎を舞台に家族の物語を紡いでいく。物語の主役となる姉妹の長女役には福士と共演歴があり、彼が出演を切望していた田中麗奈、次女役は、 舞台の演出家からも信頼が厚く、 話題のドラマ作品にも出演の若月佑美を迎えます。男性陣は前作に引き続き、 福士の呼びかけに集まったメンバーが集結。開幕直前、福士誠治さんのお話をご紹介。

ーー初演出が4年前の作品で「幽霊でもよかけん、会いたかとよ」ですが、その時の思い出や演出面での苦労したところ、また楽しかったことなどをお聞かせください。

福士:初演出の時は初めての事だらけで苦労とか辛いとかの感情よりもたくさんのスタッフさんと話し合う過程で感心や驚きが多く、役者の時にはなかなか味わえない感覚を色々いただいた記憶があります。芝居を作っていく過程はいつも楽しかったです。

ーー演出・出演作品、決まった時の感想などをお聞かせください。この状況下で舞台をやること自体、他のカンパニーもそうですが、「当たり前だったことが当たり前ではない」、そして舞台をやることに対して、いろいろと思うことがあるかと存じます。

福士:今回初演出の時と同じチームでやらさせていただけることの喜びはとても感じています。
今年のコロナという出来事にものづくりが出来るということへの改めての感謝、そして自分がものづくりが好きだということにも気づかされました。お客さまからも早く舞台を生で観たいという声に何度も心が熱くなったことを覚えています。

ーー出演の方々は多彩な方々ばかりですが、演出家から見て、どんな方々でしょうか。

福士:今回は田中麗奈さん、若月佑美さん、向野章太郎さんが新しく参加してくださいます。田中麗奈さんは何度かドラマで共演をさせていただくうちに是非一緒に作品を作り上げてみたいという気持ちになりました。最高に魅力的で素敵な女優さんです。引き受けてくださり感謝しかありません。若月佑美さんは何度か舞台を拝見してお芝居に魅力があり一緒に一つのものを制作できることが嬉しいです。向野章太郎くんは昔からの知り合い。いつかいつかとお互い言い合っていたことが現実に!前回も出演頂いた男性陣はみな個性的で魅力だらけ。みなさんの魅力を僕なりに引き出せたら良いなと思っております。

ーー演出家としてこの作品の見所や面白いところ、感動できるところなどをお聞かせください。

福士:僕が好きな作品はあたたかい部分にアプローチする作品が多いと思います。
観てくださるみなさんが心の奥底に持っている何かを刺激できる作品にしたいといつも思っています。
今回の作品ではおっかちゃん。お母さんですね。思い出してください。感じてください。心の扉を開いて恥ずかしがらずに色々感じていただけると嬉しいです。

ーーお決まりの質問で恐縮です。これを読んで『観に行こうかな?』と思った方々へ向けての言葉をお願いいたします。

福士:このご時世で舞台観劇ということに対して躊躇するかたもたくさんいると思います。でも、観に来てくださったかたにはもちろん後悔させないお芝居をお届けします。芸術、エンターテイメント。いろいろな言い方はありますが、素敵な時間を共有できるようにキャスト、スタッフ全員で頑張ります。楽しみにしていてください。

ーーありがとうございました。公演を楽しみにしております。

[イントロダクション]
記憶は―――色あせず 消えない・・・
いつからだろう。
母が私を私だとわからなくなったのは。
母は病気をわずらった。 忘れていく病気。
そんな歳でもないのに。
ある日それは突然はじまった。 母が急に誰かと話し始めた。
まるで母が演じる一人芝居のようだった。

今作は痴ほう症になってしまった母を軸に、
その母を通して姉妹が改めて自分を見つめ直す物語となります。
現代で頻繁に話題になる素材を舞台化することで、 介護にあまり縁のない世代に、
介護とは、 人の尊厳とは、 そして家族という共同体について考えるきっかけになる作品
でありながら、 人間関係を緻密にそしてリアルに描く福士誠治の演出で、
観客が共感し、 笑い、 泣ける人情喜劇となります。

<公演概要>
「おっかちゃん劇場」
作/出演:金沢知樹
演出/出演:福士誠治
出演:田中麗奈 若月佑美 駿河太郎
おおたけこういち 清水 優 いのさわようじ 向野章太郎
渡辺 哲
会場:下北沢 本多劇場
配信:PIA LIVE STREAM
日時:2020年12月23日(水)~12月30日(水) 全12ステージ


ライブ配信ステージ:12月27日 13:30
※アーカイブ配信は12月31日 23:59まで。
主催:アタリ・パフォーマンス / アウルム
協力:ステッカー / スーパーエキセントリックシアター / Zest / テンカラット (50音順)
HP: https://atari.co.jp/