恒例となった丸美屋食品ミュージカル『アニー』、2019 年4月下旬より新国立劇場・中劇場にて上演。
本作は、1924 年からアメリカで新聞連載がスタートした漫画「ザ・リトル・オーファン・アニー(小さい孤児アニー)」をもとに、1977年にブロードウェイのアルヴィン劇場(現ニール・サイモン劇場)で誕生したミュージカル。同年のトニー賞において、作品賞を はじめ 7 部門を受賞し、現在も世界各国で上演され続けている名作。日本公演は、1986 年、日本テレビ主催でスタートした初演以来、 今までに全国で約 176万人もの人たちに深い感動を与え続けている国民的ミュージカルとなっている。
2017年に『ジキル&ハイド』『ローマの休日』『ラ・カージュ・オ・フォール』『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』など、ミュージカルやストレートプレイとジャンルを超えて幅広く活躍する山田和也を迎え、演出も一新。テンポが良く現代的な演出で、より一層見やすくなったと好評を博し、今年も続投！
そしていよいよ主演のアニー役 2名、孤児役 12 名の合格枠を目指し、課題曲や演技など 3 日に渡る審査を勝ち進んだ少女たち約 50 名が固唾を呑んで最終結果を待つ中、合格者が発表される。
めっきり秋らしくなった10月21日、麹町の1日本テレビにてアニー・孤児役オーディションの結果発表があった。この日はアニー役と孤児院の子供たちが決定する日、皆、緊張した面持ち、ドキドキ、手をぎゅっと握りしめている子が多く、その緊張感が伝わってくる。時間になり、演出家の山田和也、音楽監督の佐橋俊彦、振付・ステージングの広崎うらん協賛の丸美屋食品の広報宣伝部室長兼マーケティング部次長の杉山典由が部屋に入ってくると、もう緊張感は最高潮に・・・・・・。
まずは杉山典由が挨拶「この場に残っているということ、この努力は素晴らしい、評価します。これからもいろんなチャンスが巡ってきます。自分にしかできないことを伸ばして、夢を追いかけて下さい」とコメント。言葉一つ一つを噛みしめる子供たち。それから演出の山田和也が挨拶「これはゴールではなくスタート。選ばれる人、選ばれなかった人、分かれますが、実力の差はほとんどない」と高評価。水準の高いオーディションだったことがうかがえる。「チームのバランスで」、つまり２チームのバランスが良くなるように選出した、ということ。そして「みんな素晴らしかった」と語り、また「ご家族のご理解、ご協力に感謝します」と締めくくった。それから、いよいよ！まずはアニー以外の孤児役から発表に。呼ばれた子は立ち上がるのだが、もうびっくり、感動、そして涙、涙、涙。選ばれた嬉しさと驚き、しかし、少しずつ実感していく。
アニー役に決まり喜びの表情の山崎玲奈
そしてアニー役で、まず名前を呼ばれたのは小学４年生の岡菜々子、立ち上がってもう驚きの表情、そして涙。埼玉県出身の９歳！次に名前を呼ばれたのは小学６年生の山崎玲奈、こちらもびっくり！その感動覚めやらぬうちに、全員であの名曲「Tomorrow」を合唱、もう精一杯の歌声は感涙モノ。「夢見るだけで トゥモロー・・・・・・」まさに今の瞬間の気持ち、歌い終わり、選ばれなかった子は退出するが、皆、抱き合い、泣き、笑い・・・・・。
アニーポーズもバッチリ！
それからフォトセッション、まずは14名、全員、最初はちょっと緊張気味、だんだん慣れてきて笑顔に。それから新アニー２人と丸美屋食品の杉山典由とのショット、昨年のアニー役２人から花束、そして４人ショット。それから演出の山田和也とのショット、だんだん緊張がほぐれてきてガッツポーズも様になってきた！最後に２人だけのショット、定番の『アニーポーズ』、これがパッとできるところは、アニー役に選ばれた２人、ここから『アニー』になっていくのだろうか。それから囲み会見が行われたが、大勢の報道陣に囲まれるという人生初の体験。それでもしっかりと質問に答えていた。２人とも実は過去にこのオーディションを受けており、残念ながら・・・・・という結果。そこから努力してアニー役をゲット。
「落ちて悔しかった」と山崎玲奈、それからダンスを猛練習（週６回！）して臨み、この結果が得られた、ということ。岡菜々子も「前回、落ちてしまったので」これまで孤児役を何度か受けていたが、最終審査まで進んだのは初めてのことで、ダンスのレッスンを減らして歌や演技を重点的に練習したという。「最終審査までいって心臓が飛び出るかと思いました。舞台でもっといい演技ができるように頑張りたいです」と抱負を語った。２人とも「笑顔で明るいアニーだなって」（山崎玲奈）「勇気を与えられるアニーに」（岡菜々子）と語る。アニーはどんな境遇でも笑顔を絶やさないキャラクター、少し緊張が解けたのか笑顔で質問に答える姿が印象的。演出の山田和也はオーディションについて「選ぶんじゃなくって出会う感覚、『世の中にアニーがいるんだ！』って、こうして２人に出会えた」と言い２人に向かって「良かった！出会えて！」と言い、２人はちょっと照れくさそうな笑顔。また２人とも憧れの女優は高畑充希。1986年の初演から2018年まで64名のアニーが誕生している歴史あるミュージカル、2018年公演終了時点では約176万人が観劇。2019年は４月27日から！なお、ダンスキッズ役オーディションは 11 月に開催とのこと。
【公演概要】
丸美屋食品ミュージカル『アニー』
2019年4月27日〜５月13日 新国立劇場 中劇場
※東京公演のほか。地方公演も予定。
脚本：トーマス・ミーハン
作曲：チャールズ・チャーニン
演出：山田和也
音楽監督：佐橋俊彦
振付・ステージング：広崎うらん
公式HP：http://www.ntv.co.jp/annie/
取材・文：Hiromi Koh
