ミュージカル『アナと雪の女王』 会見。コメント登壇7名全掲載。 見どころは全て! 愛が詰まった作品!

劇団四季 ミュージカル『アナと雪の女王』の公開稽古の後、取材会が執り行われた。
登壇したのは演出アソシエートのエイドリアン・サープル、振付アソシエートのチャーリー・ウィリアムズ。
エルサ役候補の岡本瑞恵、三井莉穂、アナ役候補の町島智子、三平果歩。そして、劇団四季代表取締役社長 吉田智誉樹。

公開稽古、つまり劇団関係者以外の人に稽古を見せるのは、この日が初めて、しかも報道される、特別な稽古。緊張もするが気合も半端ない。稽古場は劇団員の気迫と思いが充満。それをやり終えて少し安堵した表情の面々。

振付アソシエートのチャーリー・ウィリアムズは「キャストのみんなを誇りに思っています。すごくHappy、四季の皆様に支えていただいてます」と公開稽古の手応えを感じている様子。演出アソシエートのエイドリアン・サープルもまた「カンパニーには満足しています。とても素敵な体験でした。僕自身、劇場に行くことを楽しみにしています。とても美しい劇場とお伺いしていますし、最も美しい公演になると思います」と太鼓判。
その回答を聞いてキャストの4名、

三井莉穂 エルサ役候補
「稽古を観ていましたが、課題に向かっての今日だったので、(二人が)やり遂げたのを観て、胸が熱くなりました。私も、もっと頑張ろうと思いましたし、もっといい作品にしたいと思います」

岡本瑞恵 エルサ役候補
「たくさんお稽古してきましたが、自分の大きな壁になってた部分がたくさんありました。公開稽古の前にもエイドリアンさんにお稽古をつけて頂き、エイドリアンさんは『板の上では、お稽古の課題を忘れて常に楽しむこと』とおっしゃってくださり、それが今日、初めてちゃんと楽しんだと思える瞬間があった。今日感じた、この瞬間を大切にしながら、これから本番に向かってもっといいお稽古をしていけたら」

町島智子 アナ役候補
「公開稽古の前にエイドリアンさんにワークショップみたいなことをしていただきました。『観光バスに乗って隣に知らない人がいて(稽古では岡本瑞恵が隣にいてもらったそう)、隣の人に話しているようにやってごらん』と言って先ほど披露したナンバーのお稽古をしたのですが、自分の中で動くものが今までとは全く違いました。それまでは、自分の中で”ワクワクしてるんだ、私って♪”っていう状態を作ろうとしてたんです。それが誰かに話すことによってより、”自分は今日はどういう日で今、私は何を観て、何に触れて”っていうことを人に話しながら歌ってるって思ったら、音楽がすごく運びやすくなりましたし、自分の中からその言葉が出てくる状況になって。エイドリアンさんは『今日はみなさんのことを瑞恵さんと思ってやりなさい、みんな瑞恵さんだよ』って(笑)。それができたかどうかはわかりませんが、記者の皆さんはこの稽古をご覧になるのを楽しみにいらしているので『あなたが楽しければ、皆さんも楽しいはずだよ』って言ってくださって…今日はとにかく楽しかったです(笑)。これから装置を見たり衣装を着たりするので、これが楽しみ。自分の中から出てくるワクワク、エルサへの誇りを自分の中で確立させていきたい」

三平果歩 アナ役候補
「私は、今日の公開稽古は、このお2人がやるので『私、やらなくていいんだーって(笑)』。今日、観るのが楽しみでした。今日は、もう思ってた以上だったので、私自身も鳥肌が立って、一緒に稽古をしてたのに、もう違うステージにいる人みたいで誇らしく思いますし、今日のカンパニーを観てていいなー楽しそうだなって。楽しかったです!(一同、笑)」

吉田智誉樹 劇団四季 代表取締役社長
「まず、感じたことは、このような国内の状況で、いろんな国からお越しいただいたディズニーのスタッフの皆さんの素晴らしい仕事を改めて認識いたしました。日常生活も困難で毎日過ごしていらっしゃるにもかかわらず、こんなに明るい気持ちでキャストの皆さんと接してくださることに感謝しています。ここにいる4人の王女は良い指導を得てしっかり仕事をしてくれているなと。とはいえ、まだまだ途中、発展途上です。最終地点はもっと高いところにございますので、そこを目指して頑張ってまいります」

エイドリアン・サープルとチャーリー・ウィリアムズには日本でこの作品を開幕させるにあたっての思いについての質問が出た。

エイドリアン・サープル 演出アソシエート
「どの国においても初めての公演は光栄で喜ばしいことです。日本で観劇してくださる方々は本当に楽しみにしてくださっている方が多いと。私自身のモチベーションになります。日本語訳の素敵な台本で、日本のお客様に訴えるような翻訳をしていただけて…英語の台本とは違い、日本のお客様の感覚に届くような形を目指しています。大変ですが、吉田社長もおっしゃったように、日本のチームの皆さん、役者の皆さんの献身的努力は類い稀なものです。世界中で、この作品を立ち上げてきましたが、ワクワクして、楽しみにしています」

チャーリー・ウィリアムズ 振付アソシエート
「僕自身は感謝の気持ちでいっぱいです。素晴らしいカンパニーとご一緒できることを嬉しく思っています。世界情勢があり、公演が出来るのか、延期になってしまうのか不安はありました。僕自身は普段はマンハッタンにいます。BWはご存知の通り、クローズドです。しかし、2021年、劇場に向かっていくこと、お芝居の仕事ができるのは大きなこと。外国語で立ち上げていますが、新しい視野が開けました。言語だけに頼らずに感情であったり、そういうことで繋がっていることを強く感じます」

 

4人のキャストに役が決まった時の感想・思いを、という質問が出た。

岡本瑞恵
「昨年の1月に発表され、選んでいただいたことは本当に嬉しかった。”これから頑張るぞ”と思ったらコロナの影響で、どんどん延びてしまい、”やる気に満ちたこの気持ちをどこに持っていけばいいのか”という時期でした(涙)、開幕が中止になるかもしれない、でも待つしかなかった。どうにかうまく開幕できたらいいなと思っていました。吉田社長はじめ、多大な努力をしてくださった、海外のスタッフさん達もやってきて本当に感謝しています。エルサという役は自分に似ている、共感してオーデションを受けて、採っていただけた。自分に似ていると思ったからこそ、すごくシリアスに作りすぎていた部分があった。エイドリアンさんの稽古を受けるにつれて、自分が抱えている不安を深堀りするよりも、『その人が頑張って、前向きに生きようとしていることにお客様は共感してくださる』とおっしゃっていて…でも自分を変えることはなかなか難しかったので、課題はまだまだたくさんあります。開幕まで、もっともっと頑張って前向きにいこうとする姿を深堀りしていきたいです。4人でたくさん話し合う機会があり、こんなに楽しいんだって思いました。開幕するときは愛に溢れて、愛が届く作品になっていると思います」

三井莉穂
「合格すると思ってなかったので『まさか、こんな大きな役が務まるのだろうか』というプレッシャーがすごくて、コロナで延期もありましたが、いざ、稽古が始まったら、まず、恐れがすごくありまして、『ちゃんとやらなきゃいけない』とか『エルサはこうだ!』っていうのに凝り固まった考えになっていました。苦しい思いをしましたが、エイドリアンさんはじめ、海外のスタッフが来てくださり、たくさんのヒントを与えてくださった。私の頭の中の固まっていた部分、”解いてもいいんだよ、こうしてもいいんだよ”っていう許してあげられる感覚、忘れていたなと。コロナで会いたい人に会えず、多くの方が窮屈な生活をしている今だからこそ、この感覚ってみんなが忘れているかもしれないと。コロナだからこそ、観てほしい。見終わった後に心が少し楽になって『明日から頑張ろう』というメッセージが届く作品になっているんじゃないかと思います。愛の部分を大事にお稽古したいと思います」

町島智子
「2019年12月ににBWまで観劇しに行って劇場が愛に包まれる感覚を体験して、涙が出てきてしまい、温かく包まれているような感覚になり、すごく感動しました。この時点ではオーデションの予選の結果もまだ出ていない時でした。もし、本選に進めて海外のクリエイターたちに見てもらえるなら、”アナっていう役をこういう風に愛したいです、私も(愛を)もらったみたいにお客様にも愛を配りたい”という思い…本選ではこの気持ち1つだけで、”私はこうやって愛したいですっていうのを見てください!!”という感じでやってましたので、合格の返事がもらえた時はそれが受け取ってもらえたことが合格したことより嬉しくって!ただ、このような大役をやったことがなくって…(涙)、オーデションで悔しい思いもしてますが、感謝の気持ちでいっぱいです。大役が初めてなので、プレッシャー、不安はありました。延期になったことで準備期間が増えた、ポシティヴに捉えるしかないと。劇団の仲間たちも『残念だね』って声をかけてくれましたが、この延びた時間をしっかり使ってアナの準備をしようと資料を読んだり、体作り、ピラティスやったり、自分なりにできることをしようと。自分が思ってるアナ像は日本人的に捉えていたことが多かった、前に進む力がすごく強い人、自分で何でもやってみることができる人だから…シリアスになりすぎる必要はないと…たくさんのヒントをいただきました。ちょっとした動きとか表情…稽古して一致していく部分がたくさんありました。パーンとしたところ、エルサに対する誇りもある、そのエネルギーを含んでポシティヴな方向に持って行くことを教えていただきました。『ちょっとネガティヴになったらポシティヴに言い換えることを考えてごらん』と言っていただいたので、それを忘れないようにしようと。『これでいいのかな?と不安になることはないよ、あなたが楽しければ、みんなも楽しいはずだから。これでいいのかな?と邪推するのではなく、自分が楽しいなと思うことを探していこうね』って言っていただいたので、この先もそれをトライし続ける、『頑張らないでください』って言われたんですよ。頑張るのではなく、とにかく愛してみる、とにかくやってみることを大事にしていきたいと思います」

三平果歩
「オーデションを受けていた時は”合格したい、合格したい”って思ってたんですが、今、お稽古してて”なんで、こんな大変な役をやりたいって思ったんだー”と(笑)。10年以上姉に会えなかった、その女の子をどうやって舞台に作ればいいのか、エイドリアンさんに聞きたかったのは、10年以上お城に閉ざされて…女の子の感情をどう理解すればいいのか、どうしても理解できなくって」

ここでまさかの公開質問!

エイドリアン・サープルは「アナの本質ですね。アナは6月21日生まれ、エルザは12月21日生まれ、つまり冬至と夏至ですね。アナは根っからの楽観主義者なんです。姉への愛は変わることはないし、姉も自分を愛していることに疑いはないんです。こっちから出たがっている、何年も会えなくてもそれを維持する力がある」とコメント。三平果歩は「アナが誰も見ていないように踊って誰も聞いていないように歌う…体現できたらいいなーって思っています」と語る。

また映画版のメガヒットは皆、よく知っているが、この舞台版と映画版の違いについては
「楽曲は舞台版の方が多いです。映画版はだいたい1時間半、舞台版はそれぞれの体験を深く掘り下げてます。2人のプリンセスの出会いの場面が映画版と比べてよく描かれていると思います。」(エイドリアン・サープル)

「舞台版は身体言語という要素がある。アニメ版もダンスはありますが、舞台版はさらに躍動感をつけています。新しい身体性っていうものを発見し、映画版のコピーでないものを提示しております。オープニングの夏祭り、戴冠式のところなど、様々なムーブメントのチャレンジをしています」(チャーリー・ウィリアムズ)

またキャストから見どころを。
「『ありのまま』のところ…こちらから何も言わなくても楽しみにしていらしゃる、稽古場でもサウンドを聞くとワクワクしますから劇場では、もっと圧倒されると思います。どのナンバー、どのシーンも愛があります。最新技術もありますが、あえて人のエネルギーで表現するシーンがたくさんあります。プロジェクション・マッピングなどいくらでも表現できるものがありますが、そこをあえて人の力で表現するすごく引き込まれますし、力をもらえるシーンがたくさんあります。もう全てです、ゴメンなさい!!(一同、笑)」(岡本瑞恵)

三井莉穂「どのシーンもカラーが違ってエキサイティング。全部のシーンがオススメです。どのシーンも、どの登場人物も愛を持っている、愛の形が違っていてもどこかで必ずどこかで共感していただける作品になっています。何回観ても楽しめるので、ぜひ、何回でも!!」

町島智子「全部、言われちゃった(笑)あえて言うなら、姉妹のつながりをお届けしたいと思っています…本当は全部!どの役にもバックグランドがあります。姉妹の絆、愛を映画よりもさらに!新しいナンバーも入っていますので、それも楽しみにしていただきたいです」

三平果歩「本当に全部!映画にもあるので、ネタバレにはならないと思いますが、あのストップモーションを!これの次にきっと感動が生まれると思うので、そこを観てください!」

吉田智誉樹「四季の友の会の優先予約をやってまして、5月30日が一般発売、今、集計しているのですが、劇団四季史上、最高の売り上げになるんじゃないかと。この数字を観ながら、このコロナ禍において、これだけの多くの方が四季に期待してくださっている、改めて責任を感じています、身が震える思いです。しっかりと感動を届けたいと思っています。そしてキャッチコピーの”凍った世界を変えるのは愛だけ”、コロナ禍に見舞われてこれに変えました。コロナの自粛で傷ついている方も多いので、現実を忘れてリフレッシュしていただきたい」

45分ほどの長きに渡った会見であったが、この作品にかける思い、熱意、そして何よりも劇場でこの作品を広く、いつまでも上演したいという劇団の真摯な願い、初日はいよいよ6月24日。

<公演概要>
2021年6月24日開幕
2021年6月26日~12月31日公演分
好評につき、2022年6月末日まで延長。
延長分の発売日は公式HPを。
劇団四季公式HP:https://www.shiki.jp/applause/anayuki/