柿澤勇人主演 演出・上演台本 吉田鋼太郎『ハムレット』開幕

彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念、彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd第一作『ハムレット』が開幕。
埼玉公演は5月26日まで、その後は6月から、宮城、愛知、福岡、大阪にてツアー公演。

彩の国さいたま芸術劇場が開館30周年を迎える。`24年に吉田鋼太郎が新しく立ち上げる【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】の第一作。演出と上演台本を吉田が担い、主演のハムレット役は、吉田がこのタイトルロールを演じてほしいと熱望した柿澤勇人。ハムレットの恋人・オフィーリア役に北香那、ハムレットの親友・ホレーシオ役に白洲迅、オフィーリアの兄・レアティーズ役に渡部豪太、ノルウェー王子・フォーティンブラス役に豊田裕大、オフィーリアとレアティーズの父でありデンマーク王の顧問官・ポローニアス役に正名僕蔵、ハムレットの母・ガートルード役に高橋ひとみ、他。

物語は言うまでもないが、ほぼ何もない空間で繰り広げられる壮大な悲劇。亡霊が現れる、それはなき先代の王。会いにいくハムレット、父の亡霊から聞いた驚愕の事実、衝撃と怒りと悲しみに囚われ、復讐を決意。

彼に忠誠を誓う親友・ホレーシオ、クールな佇まいだが、その内は熱い。母は叔父と再婚、それもすぐに。ハムレットはそのことにも憤りを感じていたが、クローディアスもまた、ハムレットを警戒。様々な感情、思惑、陰謀が幾重にも交錯しながら、物語は進んでいく。オフィーリア、レアティーズ、仲の良い兄妹、父であるポローニアスも子供達を深く愛している。

名場面、何度か『ハムレット』を観劇したことがある観客なら、セリフも覚えているかもしれない。確かに『ハムレット』ではあるが、演出によって違う景色も見えてくる。吉田演出の『ハムレット』は熱い心が迸る。亡霊になった先代の王の悔しさ、息子・ハムレットに亡霊と化しても、その悔しい思いをどうにかして伝える。それに応えようとする気持ち、ハムレットを支えるホレーシオ、何も知らない無垢なオフィーリア、「尼寺へ行け」のシーンでは、その無垢な心が壊れ、そして自身の壮絶な悲劇的展開、悲しみと苦しみ、絶望で正気を失っていく。

一瞬懺悔するクローディアス、ハムレットを心配するガートルード、全てのキャラクターが奥深い、世界中で繰り返し上演されるのも頷ける。幸せだったレアティーズ、その怒りと悲しみにつけ込まれる弱さもまた、人間的。柿澤勇人始め、芸達者が勢揃いのカンパニー、見応えありの公演、3時間超、2幕。

公開ゲネプロ前に簡単な会見が行われた。登壇したのは吉田鋼太郎と柿澤柿澤勇人。初日を控えた気持ちを聞かれて2人とも「どきどき、ワクワク」。蜷川幸雄の「シェイクスピアは吉田に託したい」の遺言を受けて17年の「アテネのタイモン」から演出を引き継ぎ、今年2月に完走。この『ハムレット』からは新シリーズとなり、全37戯曲に挑戦する。「このシリーズは長いんだろうな…感じたことのない重い責任を負っていると思ってます。本当に今スタートにあたって、ものすごく重大な責任と重圧」と吉田鋼太郎。1年1作品上演するとしても…37年!また、「ハムレットはなぜ悩むのか、過酷な運命に巻き込まれ、その運命にどう立ち向かうのか―。そこを分かってもらうために演出しているつもり」とコメント。

柿澤勇人は蜷川幸雄演出舞台「海辺のカフカ」(2012年)に出演した時に「いわゆる有名な千本ノックを受けまして…」と語り、発熱までしたそうで今回も発熱したと語る。そして「満身創痍って自分で言うのも変ですが、そんな感じでいます。自然に追い込まれていますが、元気いっぱいで飄々とやる役ではないな、と改めて思いました」と語る。

改めて柿澤勇人は「本当に個人的な思いですけど、こんなに過酷な役、役者人生で本当に初めて。自分が人生で培ってきた経験を総動員しても敵わない、課題もいっぱいあります。千秋楽までに色々な発見があるかもしれませんし、少しでも成長できたら。このカンパニーキャストスタッフ含め、芝居好きな芝居馬鹿な連中が集まって、日々研究してきたので一緒に最後まで1人も欠けることなく完走したいと思います」
吉田鋼太郎は「お客さんとの勝負って言ったらおかしいですけど、何かそういう緊張感を持ちながら一緒にこの空間にいられればいいと思ってます。ぜひその空気を、皆さん劇場にいらしてください」

<制作発表会レポ記事>

柿澤勇人 主演,演出・上演台本に吉田鋼太郎 _ 彩の国シェイクスピア・シリーズ『ハムレット』製作発表会レポ

ストーリー
デンマーク王国では、2ヶ月前に王が亡くなり、先代の王の弟 クローディアス(吉田鋼太郎) が王に即位。そして、先代の王妃ガートルード(高橋ひとみ)はクローディアスと再婚する。父の死の悲しみも冷めぬ間に母が叔父と再婚したことに、王子 ハムレット(柿澤勇人) は憤りを感じていた。
ある日、従臣から亡き王の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現れるという話を聞き、ハムレット自身も確かめに行く。父の亡霊に会ったハムレットは、父の死はクローディアスによる毒殺であったと告げられ、復讐を決意する。
やがて、叔父クローディアスが父である王を暗殺した確かな証拠を掴んだハムレットは、王妃ガートルードとの会話を盗み聞きしていた侍従長ポローニアス(正名僕蔵)を、クローディアスと誤って刺殺してしまう。ポローニアスの娘で、ハムレットの恋人であったオフィーリア(北香那)は、悲しみのあまりに正気を失い、川で溺死してしまう。
ポローニアスの息子であったレアティーズは、父と妹の仇をとろうと怒りを募らす。クローディアスはハムレットの存在を恐れ、復讐心を持ったレアティーズ(渡部豪太)と結託してハムレットを剣術試合に招き、毒剣と毒入りの酒を使って殺そうと画策する―。

概要
<埼玉公演>
期間会場:2024年5月7日(火)〜26日(日) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ
イベント
さいたまアーツシアター・ライヴ!!
開場20分前から劇場内情報プラザ(1階)等にて多彩なメンバーによるライヴ演奏。
【対象日程】
5月11日(土)12:30/18:00、5月18日(土)14:00
5月19日(日)14:00、5月25日(土)14:00、5月26日(日)14:00

ツアー公演
宮城:2024年6月 仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
愛知:2024年6月 愛知県芸術劇場 大ホール
福岡:2024年6月 J:COM北九州芸術劇場 大ホール
大阪:2024年6月 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

スタッフ
作:W.シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出・上演台本:吉田鋼太郎 (彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
美術:杉山 至
照明:原田 保
音響:井上正弘
衣裳:紅林美帆
ヘアメイク:大和田一美
音楽:武田圭司
フェンシング指導:和田武真
パントマイム:いいむろなおき
演出助手:井上尊晶
舞台監督:大垣敏朗
技術監督:福澤諭志
キャスト
柿澤勇人
北 香那
白洲 迅
渡部豪太
豊田裕大
櫻井章喜
原 慎一郎
山本直寛
松尾竜兵
いいむろなおき
松本こうせい
斉藤莉生
正名僕蔵
高橋ひとみ
吉田鋼太郎

公式HP: https://horipro-stage.jp/stage/hamlet2024/