鈴本美愉etc.出演 SUGARBOY 5th.「大迷惑」開幕!面倒臭い、迷惑、それでも家族。

川尻恵太が主宰をつとめているSUGARBOY 5th.「大迷惑」が開幕。
出演は欅坂46元メンバーで今作が初舞台となる鈴本美愉をはじめ、三戸なつめ定本楓馬、忍野さら、羽柴なつみ、 葉山昴らフレッシュな面々から、宮下雄也、川本成、今立進、久ヶ沢徹ら 川尻ワールドを知り尽くした面々まで、多彩なメンバーで「家族」と「迷惑」をテーマにした新作舞台を。脚本・演出は、もちろん川尻恵太。 自身のやりたいことを詰め込んだホーム、「SUGARBOY」でその創作力を遺憾無く発揮する。

まだ、舞台上は暗く、観客が席にボチボチ着席する頃に、なにやら、動く影が。猫に扮した川尻恵太。SUGARBOYの公演では、脚本・演出だけでなく、本人も舞台に上がる。そしてほぼ5分前になったところで前説。それが終わると始まる。猫、舞台中央に寝そべっている。ツケの音、「よってらっしゃい、みてらっしゃい」と紙芝居屋、猫と紙芝居屋の会話。紙芝居のタイトル、最初は「モクモク町のポロン」、それから次の紙芝居は「大迷惑」。シュールな風景、オムニバスで進行。枕ほどの餃子!確かにもらっても迷惑(笑)、お次は謎の人形、「こんなもの、買ってこないで!」、見た目はお世辞にも可愛くない。動く、光る、そしてハケる(笑)。ポップなオープニングの後、物語は本格的に動き出す。

ショートストーリー的なシーンが連なっていく。離れ離れになっていた兄弟、再会するのは本来喜ばしいことなのだが、彼らは違った。面白おかしい場面が続く。演劇で観てる分には気楽(実際にいたら、本当に大迷惑)、客席からは頻繁に笑いも起こる。女性2人はてんてこ舞い、そんなことはお構いなしな、帰ってきた兄弟。そして彼らとはちょっと離れた立ち位置のホームレスの男と猫、家族ではないが、どこか意気投合している空気感。猫は後半で呟く「人間界は面倒臭い」と。しかし、そんなこんなでもやはり兄弟は兄弟。場面が少しずつ交錯していく。ラストは落ち着くところに落ち着くのだが、ちょっとほのぼの。人の関わり合い、それは兄弟であろうと同じ、面倒臭いことの連続だ。ただ、そんなことが愛おしい。ちょっとシュールでほのかに暖かさが残る。休憩なしの2時間15分ほど。

あらすじ
人は迷惑をかける生き物である。 誰かに迷惑をかけずには生きていられない。
雪見は言った「一人になったけど、頑張って生きて行こう」 泉水は言った「過去の事は忘れて自分の為に生きて行こう」 2人は別々の人生を歩む、まったく性格の違う女性だった。 しかし2人には共通する過去がある。 20数年前に誘拐された兄弟がいるのだ。 長い年月がそれを忘れさせた。 もう死んだものと思われていた。 それでも彼らは戻って来た。
本来喜ぶべき家族の帰還。 それは「大迷惑」の始まりだった。
「ねえ、知ってる?あなたの存在が大迷惑なの」

概要
日程・会場:
2022年4月7日(木)~4月10日(日)  下北沢 本多劇場
2022年4月14日(木)〜4月17日(日) あうるすぽっと
※4月9日(土)・10日(日)に配信公演を実施(1週間アーカイブ視聴可)
脚本・演出 川尻恵太
音楽 あらいふとし
■出演
鈴本美愉 三戸なつめ 定本楓馬 宮下雄也
忍野さら 羽柴なつみ 葉山昴
川本成 今立進 川尻恵太 久ヶ沢徹
企画・製作 MASHIKAKU

特設サイト https://sugarboy.tokyo/5th
舞台写真:BUN