伊藤裕一, 大沢健, 大山真志, 東山光明 etc.出演 音楽劇『刻』開幕

西森英行が自身の劇団 InnocentSphere にて2015年『刻印』として上演した『刻』をベースに、叙情的なメロディとともに新たに息を吹き込む 音楽劇 『刻』が、8月4日より浅草九劇にて開幕。
本作の作曲は、日本でも『 SMOKE 』や『 BLUE RAIN 』などで知られるHUH,SOOHYUN(ホ・スヒョン)。 胸を打つメロディーメー カーとして知られる彼が初めて、西森と日本との共同創作を行う。
出演には、伊藤裕一、大山真志、大沢健、東山光明という実力もあり、且つそれぞれホ・スヒョン作品を経験している役者陣が決定。また、伊藤裕一、大沢健、東山光明はそれぞれ役を毎回変わりながら、この深く重い作品に挑む。伊藤裕一と西森英行とは『フェイス』『うつろのまこと』『楽屋』とタッグを組み続けており、西森英行の信頼も厚く、伊藤は今回は3役に挑戦する。大山真志は、『SMOKE』の超や海とも全く違う役所となる繊細な役・横山役に挑戦 。そして、大沢健は繊細さが必要となる横山と、粗暴さが必要となる北野の演じ分ける。ヴォーカルユニットCASPELのリーダーを務める橘未佐子は、母親役として新境地を。そして『SMOKE』『BLUE RAIN』とHUH, SOOHYUN作品を経験している東山光明も、父親役である高峰と、横山に挑戦する。ゲネプロでの配役は高峰役に東山光明、北野役は伊藤裕一、横山役は大山真志。


チェロの演奏、歌から始まる。季節は冬、ドラマチックな楽曲、「雪は魔法」と、そして「この世を白く染める」「人の世を白く染める」と歌う。それから物語が始まる。イライラしている高峰夫婦(東山光明、橘未佐子)、大事な一人娘が行方不明。心配MAXな心境、横山(大山真志)の元を訪れる、だが、彼は二人に「あなた方の役には立てません」と言う。彼はかつて猟奇殺人を犯して世を騒がせた過去があり、高峰夫婦は娘の居場所を推理してもらうために訪れたのだった。そこへ、ある男が、険しい表情でやってくる。彼の名は北野(伊藤裕一)、実は彼に娘を殺された過去があり、それが元で彼の妻は亡くなった、彼の言葉を借りれば「妻は気がふれた」と、家庭が崩壊。

並々ならぬ復讐心に燃えていて、言動も態度も乱暴でやや自暴自棄的なところも見え隠れする。この4人が一堂に会す、この状況。行方不明の娘は?この夫婦は有効な話を聞き出せるのか、北野は本当に復讐できるのか、息の詰まるような会話、やりとり。緊迫した空気感、次第にそれぞれの思惑が見えてくる。なぜ、彼は猟奇的な殺人を犯すのか、人間の深い心理、風の音、そしてチェロのメロディー、観客はタイトルの「刻」の意味するところを知っていく。

キリキリする会話、そこから見えてくるもの、ラスト近くの意外な展開、人は人を裁くことはできないが、復讐に駆られる北野は娘を殺した男を裁こうとする、だが、当の本人は淡々とした態度、彼が纏う空気感、他の3人とは異なり、冷静だ。そのクールさが人を怖くさせる。異常心理、「本当に狂ってるのはどっちなんですか」と横山。そして怒涛の結末へと突き進む。人の心の奥底に隠れている心理、4人はどんな行動を取るのか、そこは劇場で。


ゲネプロ後、挨拶。配役が日によって異なるので、「見え方が変わります」と大山真志。伊藤裕一も複数チームに触れて「皆さんに楽しんでいただけるように」とコメント。東山光明、橘未佐子からは「愛」と言う言葉が出た。「テーマは究極の愛」と東山光明。そして「愛すること、愛されること」とコメント。行方不明になった娘を思う父母、愛する一人娘が殺害されたからこそ復讐に燃える父。一見、クレイジーな行動、言動の裏にあるのは「愛」。行動は”現象”であり、その奥底は愛。

STORY
行方不明になった娘を探す夫婦、高峰雅司と美沙。二人はある男・山本歩の元を訪れる。
山本はかつて猟奇殺人を犯して世を騒がせた人物。
今は名を変えて生活している山本に、高峰夫婦は、娘の居場所を「推理」して欲しい、と依頼する…。
とそこへ、一人の男、北野が現れる。北野はかつて山本に娘を殺された父親だった…。
息詰まる対話。緊迫の心理戦。やがて事態は、思わぬ方向に進んで行き…。
彼らが行き着く衝撃の結末とは…。

概要
タイトル: 音楽劇『刻』 (読み:きざむ)
日程・会場:8月4日(木)〜9月11日(日) 浅草九劇
脚本・演出: 西森英行
音楽: HUH, SOOHYUN
出演: 伊藤裕一、大沢健、大山真志/橘未佐子/東山光明(五十音順)
チェロ演奏: 鈴木和生/斎藤章一

公式HP:https://kizamu2022.com/