「八王子ゾンビーズ」夢破れたダンサーと陽気なゾンビ、ツイてない奴らのその先は?

映画、ドラマ、情報番組のパーソナリティーなどマルチに活躍する三代目 J Soul Brothers の山下健二郎、 初主演舞台!!脚本・演出は映画・ドラマの脚本や舞台の作・演出、小説等さまざまなジャンルで活躍している鈴木おさむが担当。主題歌は、m-flo 、劇中歌は☆Taku Takahashi が本作の為に書き下ろした楽曲に決定! 音楽×ダンス×ゾンビをテーマにした完全オリジナル作品だ。
始まる前に前説、舞台に登場するお寺の住職・下田役の加藤啓が登場し、応援上演の説明をするので早めに席に。声援は『役名』で、そして拍手、タンバリン(ロビーで販売)で盛り上げるのは大いに!ところで「それはいつ?」との疑問もわくが、ちゃんと舞台上で『応援OK』の看板が出るのでご安心を。楽しい前説が終わってから、いよいよ始まる。
スポットライトが当たる、この物語の主人公であるタカシ(山下健二郎)、黒の上下、彼はダンサーを目指しているのだが、オーディションを受けるも「連敗」続きで少々、いや、かなり凹んでいる様子。アナウンスが響く「不合格!」うなだれるタカシ。そしてモノローグ、ダンサーを目指しているが「実際、バイトで食ってる」という。事務所からは「センスがあっても・・・・・・」と言われ、「華がない」とも言われ、「華はどこで売ってるんだよ〜」「ふざけんなよ!」と叫ぶ。そしてふてくされる。「ダンサーなんてやめて新しい自分を探そう!」といい、たどり着いた先が、お寺、しかもネーミングが!希望寺!

「努力は裏切る!」という住職の孔明(駿河太郎)。この寺の住職といわくありげな関係(?)の大池(RIKAKO)・・・・・バブリーな雰囲気で登場するが、これが・・・・・似合っている!そして孔明からあるお達しが・・・・・「夜9時以降は外に出てはいけない、特に満月の夜は!」と言われるも、余計に気になるのは人情。ついつい・・・・そこで見た光景は・・・・・衝撃の!ゾ、ゾ、ゾンビ〜〜、しかもかなりいる!焦りまくりの姿がなんともおかしく、本人は必死でも観客席は高みの見物。このゾンビ達、よ〜く見ると、イケメン、しかも皆、何やらいわくありげな様子。満月にダンスをすれば成仏するというが、住職に邪魔されているとのことだ。タカシは彼らのためにダンスを教えることに・・・・・・。

この全くツイていない主人公・タカシ演じる山下健二郎が、なかなかのコメディセンス。いわゆるストーリーテラー的な部分も担い、しかもモノローグも多く台詞の量が半端ないが、挙動も可笑しく、客席からは笑いも起こる。また、ゾンビ物は「怖い」というイメージがあるが、こちらは『陽気で気のいいゾンビ』で全くこわくないどころが、むしろ可愛い。駿河太郎演じる住職、彼なりの正義と主張があり、一本筋の通ったキャラクター、堅物になりすぎない演技で好感が持てる。

ダンスを教えるシーンでは『超初心者ある、ある』ネタが随所にあり、ダンス経験者なら「うん、うん」と頷けるところがあり、なかなか細かいネタを持ってきたな、という感じ。
台詞のひとつひとつがよく聞くとちょっと身につまされたり、哲学的な蘊蓄が含まれているが、それをカラッとさせて重くならない。またユーモアあふれる台詞もあり、ここは笑いどころでタカシはゾンビに向かって「死ねよ!」に対して「死んでるし!」、この掛け合いは思わず笑ってしまう。
登場人物に悪人はいない。いわゆるヒール役に当たる住職・孔明も、である。皆、自分なりの哲学と正義があり、信条もある。他人の信じる『正義』を受け入れられないこともあるが、それを「わかりあう」ということでもなく、「譲れない」しかし、その「譲れない」気持ちもよくわかる。
後半は、意外な繋がりも明らかに、またゾンビ達は?タカシは?それは劇場で!

なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは脚本・演出の鈴木おさむと 山下健二郎、駿河太郎。そして急遽、ゾンビ役の久保田悠来と藤田 玲も登壇した。フォトセッションの後、質疑応答となった。山下健二郎は「いよいよ、来たかと。早くから頑張ってきたので、早く観ていただきたい。本もオリジナルなので、(稽古は)毎回、楽しかった。みんなで作り上げています。通し稽古も何回もやりました」と開口一番、熱く語る。そして「歌もダンスも・・・・・・最後は感動する部分があります。年齢に関係なく楽しめます」と自信を見せる。さらに山下健二郎は「稽古が終わって隅田川の花火大会を見ました。フロアーが上なので、落ち着いて見て・・・・・・」といい、稽古の後(お腹がすく・・・・・・)はほぼ同じ店に行ってたようでその店の麻婆豆腐と焼餃子が元気の源だった様子。鈴木おさむはRIKAKOさんに言及、「姉御肌で最高!」と大絶賛。舞台上でもその存在感はバッチリで、登場した瞬間に空気感も変わるほどのオーラ。また山下健二郎の座長ぶりについては藤田玲は「分け隔てなく接してくれる。一緒に舞台を作り上げてくれる」と言い、久保田悠来は「すごく優しい」と嬉しそうにコメント。駿河太郎も「座長、すごい!」とコメント。鈴木おさむは「売れている人は根性がある。舞台といういつもとは違うことに突っ込んでくる勇気と根性、他の役者と戦いながら稽古している姿が感じがかっこいい」と絶賛する。それに対して山下健二郎は「僕は意識していないです。この座組で一つのものを作り上げる、早く観て欲しいです。この夏、めちゃくちゃ楽しい舞台」といい振付に関してもメンバーのダンススキルが均一ではないので「誰でも踊れる振付」といい、「ギリギリのラインまで持って行った」とコメントしたが、振付師と相談してアレンジしたそうで、ここは必見。この成果は舞台上で!駿河太郎は「リズムを裏で撮ると難しい」とダンスの難しさをチラリ。それを受けて「本番、見てください!振付、自信あります!」と語る。鈴木おさむは演出する側らしく「物語のダンスがお芝居なんです。お芝居としてのダンスが面白い」と語るが、ダンスで心と心が通い合う、この空気感はしっかりと見ておきたい。そんな山下健二郎でも苦手だったことがあったようで「殺陣はね〜早乙女勇貴くんに怒られる(笑)」とコメントしたが、隣で駿河太郎が頷く。また、この公演では『応援上演』なる部分があり、合図(看板が出る)が出たところは手拍子、声援OKで、タンバリンも!駿河太郎は「楽しみ!」とコメントしたが、これは出演する側にとってはテンションが上がることであろう。また、見所は山下演じるタカシがゾンビたちにダンスを教えるところだそうで鈴木おさむは「ここは面白い」と自信をのぞかせる。さらに「ゾンビ物が流行っていますが、ゾンビになった理由が日本的。オリジナル作品なので、いろんな形で広かっていければ」とコメント。最後に山下健二郎が「いよいよ今日から(5日)始まります。みんなで楽しんで!頑張ります!」と元気良く締めて会見は終了した。

<あらすじ>
ダンサーになる夢が破れ、自分を見つめなおすために、八王子の山奥のお寺で住み込みのバイトを始めたタカシ(山下健 二郎)は、とある満月の夜にお寺の墓場でゾンビ VS 住職(駿河太郎)の壮絶な戦いを目の当たりにする。 このお寺は、夜な夜な無数のゾンビがうごめく、奇怪な場所だったのだ。 「ここで見たものは忘れろ!」と意味有り気に住職に言われたものの、タカシは気になって再び墓場を訪れた。 するとそこにはゾンビの姿が…。しかしよく見ると、そこにいるゾンビ達は陽気でイケメンばかり。 彼ら曰く、満月にダンスをすることで成仏できるのだが、それを住職たちに邪魔されているとのこと。 「俺たちにダンスを教えてくれ!!」とゾンビ達にせがまれ、何故か、タカシとゾンビ達の交流が始まったが…。 不穏な動きを見せる住職の思惑とは?

果たしてゾンビ達は、無事に成仏できるのか!?

舞台「八王子ゾンビーズ」千秋楽公演ライブ・ビューイング 開催決定!

【概要】
「八王子ゾンビーズ」
公 演 期 間 : 2018年8月5日(日)~8月19日(日)
劇場 : TBS赤坂ACTシアター
脚 本 ・ 演 出 : 鈴木おさむ
主 題 歌 : m-flo (rhythm zone / LDH MUSIC)
劇 中 歌 : ☆Taku Takahashi(m-flo, block.fm)
出演:
山下健二郎(三代目 J Soul Brothers)
久保田悠来
小澤雄太(劇団 EXILE)
藤田 玲
丘山晴己
高野 洸
牧島 輝
井澤巧麻
前田隆太朗
加藤 啓
早乙女友貴
隅田美保(アジアン)
酒井敏也
RIKACO
駿河太郎
主 催 : LDH/ネルケプランニング

公式サイト: http://www.hachioji-zombies.com/

公式 Twitter: https://twitter.com/HACHIOJIzombies

公演に関するお問い合せ先:
サンライズプロモーション東京 TEL:0570-00-3337(全日10:00~18:00)

©舞台「八王子ゾンビーズ」製作委員会

文:Hiromi Koh