明治座創業150周年5月『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』 出演者&演目公開

5月の明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』では市川猿之助を中心とした俳優陣による熱演を。
昼の部の『不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―』は平家の名将・平知盛が海を渡り中国大陸に落ち延びたという設定で描かれる壮大なスケールのスペクタクルロマン。夜の部の『御贔屓繫馬』は昭和59年4月に明治座で初演され人気を博した奇想天外なみどころに溢れる作品。
昼夜公演とも猿之助が宙乗りを勤める。

─昼の部─
植田紳爾作
藤間勘十郎演出・振付
市川猿之助演出
歌舞伎スペクタクル 不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―
文治元年の春遅く、平家が壇ノ浦の戦いで滅び去ってから早ふた月。仮内裏として栄えた屋 島も見る影もなく廃虚と化しています。そこで見果てぬ悪夢にうなされながら目を覚ましたのは、新中納言平知盛。知盛は壇ノ浦の合戦の最中、落命寸前のところを宋の水軍の将、楊乾竜 に助けられ、密かに一命をつないでいました。乾竜は名将として知られた知盛を宋に連れてい くことを画策し、迫りくる源氏の追手から逃れようやく唐戸の浜まで辿り着きました。そこで、 深く心を通わせた若狭と再開できたのですが、漸く現れた宋の船には女人禁制の掟。知盛は大 いに苦悩すると、若狭は美しい姿で舞い始め…。
昭和五十四年二月に梅田コマ劇場で、植田紳爾作・演出、三代目市川猿之助(現市川猿翁) 主演で初演されました。壇ノ浦の戦いで戦死したとされる平知盛が海を渡り、幻の都ローランに落ち延びたという大胆な設定と、歌舞伎に歌劇の演出が盛り込まれた“歌舞伎レビュー”と して「壮大なスペクタルロマン」が大きな話題を呼びました。今回、歌舞伎作品としては四十 四年振りの上演で、伝説の「不死鳥」が色鮮やかに蘇ります。

─夜の部─
四世鶴屋南北作
奈河彰輔脚本
市川猿翁脚本・演出
石川耕士補綴・演出
市川猿之助演出
三代猿之助四十八撰の内 御贔屓繫馬 (ごひいきつなぎうま)
大喜利所作事 蜘蛛の絲宿直噺 (くものいとおよづめばなし) 市川猿之助六変化相勤め申し候
承平・天慶の乱に敗れた平将門の遺児、相馬太郎良門は父の遺志を継いで天下を望みましたが、敢えなく病死しました。平将門の娘滝夜叉姫は、兄良門の亡骸を火葬するため市原野にや ってくると、千年生きる女郎蜘蛛の生き血を注ぐといかなる死者も生き返らせることのできる 源氏の重宝があることを知りました。また、この重宝は辰の年月日揃った生まれの者が持つと、 妖術が自在に使えるといいます。兄を蘇生させたい一心の滝夜叉は重宝を巡って争ううちに殺 されてしまいますが、早桶の中から全身火の粉を吹き、髪を振り乱した姿の良門が蘇生し…。
『御贔屓繫馬』は、四世鶴屋南北の原作を三代目市川猿之助(現市川猿翁)と奈河彰輔が筆 を執り、昭和五十九年四月に明治座で初演し、大評判を呼びました。今回は更に工夫を加え、物語を洗い直し凝縮した形でお届け致します。大喜利所作事『蜘蛛の絲宿直噺』では猿之助が 女童、小姓、番頭新造、太鼓持、傾城、女蜘蛛の精の六役を早変わりで踊り分け、華やかな雰 囲気に溢れ、“奮闘公演”に相応しい変化舞踊を披露します。三代猿之助四十八撰の中でも、 特に明治座にゆかりのある大作にご期待ください。

公演データ
日程・会場:5 月 3 日(水・祝)初日~28 日(日)千穐楽(予定) 明治座
※休演日 5 月 10 日(水)、17 日(水)
製作 松竹株式会社
主催 株式会社 明治座
公式サイト:https://www.meijiza.co.jp