岩代太郎 原案作曲の奏劇vol.2『Trio~君の音が聴こえる』三宅健, 藤木直人, 大鶴佐助 出演 開幕。

数々の映画音楽を手がけてきた岩代太郎が、演劇と音楽による新たな舞台芸術を目指し、2018年に初上演した 「奏劇」シリーズ。その第二章となる『Trio~君の音が聴こえる』が開幕。
奏劇第二作目は、「人には誰にも音があり、私は相手の印象をハーモニーで感じ取 ろうとすることがある」と語った岩代太郎 の言葉を元に創作。タイトルは 『Trio~君の音が聴こえる』。孤児院で互 いに寄り添いながら育った三人、サムとトム とキムを中心とする物語。三人はまる で兄弟のように、3つの音で鳴り響く和音の ように育ちました。心に傷を負いつつやが て大人となった三人は再会するが……。

原案の岩代太郎と同じく、人の心の模様 を「音」で感じとる才能を持ち、ピアノを 通して人の心を描写することができるナイ ーブで繊細なサム役に三宅健。心理カウンセラーとなり、サムと共に人の心を癒す 手伝いをするトム役を藤木直人。さらに、 この二人を兄のように慕っていたものの、やがて孤立し、また突如として二人の前に舞い戻ったキム役を大鶴佐助が演じる。

奏劇は物語と音楽が切り離すことのできない舞台。今回の「言葉」をライブで演奏するのは、第33回国際ピアソ ラ・コンクールで日本人初、史上最年少で準優勝を果たし、バンドネオンの新風となっている超人気の三浦一馬。さらにバッハからジャズ、タンゴ、ポップス、自作自演までジャンルを超えた演奏活動を展開するチェリストの西谷牧人。そして岩代太郎が自ら作曲した楽曲を、彼らとともにピアノで競演。

フォトコールでは2つのシーンが披露され、続いて取材会が行われた。

コメント
岩代太郎:原案 作曲 演奏

何か新しい総合芸術の作品を自分なりに模索したこういう奏劇にたどりついた。
音楽がなければ成立しない思いで手探りで私のライフワークーとして作りました。
ゴールラインが見えていない、手探りな作品なので関わった方、出演者のみなさんに感謝感謝の気持ちでいっぱいです。
三宅さんを僕岩代のピアノが、佐助さんを三浦さんのバンドネオンが、藤木さんを西谷さんのチェロで分身で
表現者としてはウクライナのこともあり、劇場で表現活動ができることが幸せなことだと関係者が心に噛み締め、
千秋楽まで走り続けたいと思います。

三宅健:サム役
僕自身、朗読劇でもなく演劇でもなく奏劇、役者が音楽に寄り添い、音楽に役者が寄り添う。
お互いが奏でるのハーモニー、今回初めての経験でした。
演出の深作(健太)さんから、せりふうぃ覚えてしまって、腹に落ちてしまうと、またそれは違うと、
完全に覚え切らないでやらないといけない。音楽家の方々のようにと、、、それは難しい。
新しい奏劇という芸術の形。楽しんでいただけたたと思います。 

藤木直人:トム役
岩代太郎さんとは20年以上前に知り合って、いつか一緒に何かやりたいねと言ってくださり、
今回、こうやって形になって、しかも、ステージでピアノを弾いてくださると、豪華で贅沢だなと感じています。
ヘビーなお話ですけど、素敵な時間をお過ごしていただければうれしいです。

大鶴佐助:キム役
朗読劇をやったことがなくて、奏劇は(演劇と朗読劇)の中間に位置する作品ですごく新鮮味がありました。
3人がちょうど10歳ぐらいづつ違うのですが、えっ大丈夫か思っていたのですが、稽古場で蓋を開けたら幼馴染としか考えられない、壁を作らず感謝しています。

物語
サム(三宅健)は幼い頃から周囲とはどこか違っており、自分の気持ちを言葉で表すよりもピアノを弾いて音楽で語りか けた。そして人の悲しみ、喜びや痛みを「音」で感じ取り、彼はピアノを通して音で表現するのだった。ピアノを通して人 の心を描写することができるサム。サムは孤児院で育った。同じ孤児院で育った仲間にトムとキムがいる。3人は兄弟のように慈しみ合う、そんな関係であった。 トム(藤木直人)は心理カウンセラーとなった。そしてサムはトムの行うカウンセリングのサポートをしている。トムの元に 訪れる人々はトムのカウンセリングと共に、サムが感じ取る患者たちの心の音色によって心を開き、癒されてゆくのだっ た。 トムの診療所には様々な人が訪れる。若い頃、娘を産み捨てた大金持ちの企業家(サヘル・ローズ)や、愛を見失い、 歌えなくなった歌手(黒田アーサー)。そんな患者たちはトムのカウンセリングとサムの奏でるピアノの音色で心を開き、 癒されていくのであった。 そんなある日、ニュースが飛び込んでくる。自殺者が急増していると。自ら命を絶つ人々がたえないというこのニュース は少なからず、カウンセラーを生業としているトムにとっては気になるニュースであった。そんなニュースには自分がカウ ンセリングを行なった患者の名前もあった。 どんどん増える自殺者たち。そんなニュースに心を痛めていたある日、突然二人の前に数年ぶりにキム(大鶴佐助)が 戻ってきたのだった・・・。幼少期を懐かしむ三人だったが、キムが戻ってきた本当の目的は一体・・・。

奏劇とは
映画「キネマの神様」、「Fukushima50」、「MOTHER マザー」、「レッド・クリフ」といった数々の映画音楽を手がけ、日本を代表する作曲家のひとりでもある岩代太郎が、これまでの活動と一線を画し、新たなフィールドでクリエーションを行いたい、という想いのもとに発案したプロジェクトが『奏劇』です。言葉では伝えきれない ことを、ミュージカルやオペラのように歌であらわすのではなく、あくまで物語をベースに、言葉と音楽で全体 を構成してゆく。ストラヴィンスキーとラミューズが「兵士の物語」を作ったように、あるいは R シュトラウスがテ ニスンの長編詩で「イノック・アーデン」を作ったように、「演劇」と「演奏」でひとつの空間に「言葉」を創り出したい。音楽が雄弁に言葉を語り、台詞がその音となり、岩代が描く音楽と共に、一つの物語の世界を観客に 届ける、そんな新たな舞台芸術のカタチを『奏劇』と名づけました。

概要
公演名 奏劇 vol.2 『Trio~君の音が聴こえる』
日程・会場 2022年12月15日(木)~12月24日(土)  読売大手町ホール
原案/作曲 岩代太郎
脚本 土城温美
演出 深作健太
出演 三宅健 大鶴佐助 黒田アーサー サヘルローズ 藤木直人
演奏 三浦一馬(バンドネオン) 西谷牧人(チェロ) 岩代太郎(ピアノ)
主催 読売新聞社 ぴあ tsp
制作 tsp

公式サイト https://tspnet.co.jp/sougeki-2022

オフィシャル写真撮影:阿部章仁