愛知県芸術劇場エグゼクティブプロデューサー 唐津絵理 文部科学大臣賞受賞

文化庁が実施する令和 4 年度(第 73 回)芸術選奨において、このたび愛知県芸術劇場エグゼクティブプロデューサーの唐津絵理が文部科学大臣賞を受賞。

本芸術選奨は、1950 年(昭和 25 年)から文化庁が毎年度実施。芸術各分野において、優れた業績を挙げた方、または新生面を開いた方に、芸術選奨文部科学大臣賞、同新人賞が贈られている。今回の唐津の受賞には「Performing Arts Selection 2022」の成果が挙げられている。

「Performing Arts Selection 2022」は、プロフェッショナルなダンス環境の整備とクリエイター育成を行うダンスハウス「Dance Base Yokohama」と当劇場の連携により、2021 年 10 月から 12 月のコロナ禍に創作・上演したダンス作品のツアー公演。このツアー公演は、全国の公立文化施設におけるダンス上演の機会の拡充や、国際的なダンサーが出演する質の高いダンス作品の提供、舞台芸術の再演の増加を目的に実施しており、22 年 9 月の高知県立美術館(高知)をはじめ、まつもと市民芸術館(長野)、いわき芸術文化交流館アリオス(福島)、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館(新潟)、吉祥寺シアター(東京)、熊本県立劇場(熊本)、山口情報芸術センター(山口)などの劇場や美術館で上演され、全国で 1,716 人が来場。
23 年度も新国立劇場(東京)、幸田町民会館(愛知)、北九州芸術劇場(福岡)等をツアーする予定。

(C)matron2022
『never thought it would』(C)matron2022
(C)釣井泰輔
C)鈴木穣蔵

唐津絵理は、公共劇場でプロデューサーとして活動を行い、さらに 2020 年に民間⽀援による新しいダンスハウス「Dance BaseYokohama」の立ち上げに参画、これらの連携の成果として 22 年は「愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama パフォーミングアーツ・セレクション 2022」の全国ツアーを行い、ダンスの多様性を示し高く評価された。アーティストの自立的な活動を⽀援し、可能性を引き出すために、安全安心な制作環境を整えようと活動を始めた。また創客の視点から、舞台芸術の批評眼を持った新たな観客を生み出すことにも力を入れてきた。これらの活動は芸術振興の意味や方法を改めて問い直す契機ともなった。ダンスに止まらない芸術の創造と振興・⽀援施策のあり方両面に影響を与える重要な取り組みを牽引してきた存在である。

唐津絵理 プロフィール
愛知県芸術劇場エグゼクティブプロデューサー
Dance Base Yokohama(DaBY)アーティスティックディレクター
熊本県出身。お茶の水女子大学文教育学部卒業及び同大学院人文科学研究科修了。舞台活動を経て、日本初の舞踊学芸員として愛知芸術文化センター勤務。
2014 年より愛知県芸術劇場プロデュ―サー。2000 年第一回アサヒビール芸術賞受賞。2010 年~16 年あいちトリエンナーレのキュレーター(パフォーミングアーツ部門)。文化庁文化審議会文化政策部会委員、全国公立文化施設協会コーディネーター、セガサミー文化芸術財団の理事やメセナ活動のアドバイザー、大学の非常勤講師、助成財団やコンクールの審査員等を務める。パフォーミングアーツの幅広い分野で、実験的作品から国際共同製作まで多数のプロジェクトを企画プロデュースする一方で、健全な舞台芸術環境の整備のための様々な実験と提言を行う。ディレクションした DaBY が 2020 年度グッドデザイン賞受賞。著書に「身体の知性」等。

愛知芸術劇場公式サイト:https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/