新国立劇場公演 演劇『モグラが三千あつまって』上演

NHK「ひょっこりひょうたん島」を手がけた武井博の児童文学を舞台化!
上演台本・演出 長塚圭史×振付 近藤良平×音楽 阿部海太郎が再びタッグを組んで、個性豊かな4人のキャストと贈る音楽劇!

『音のいない世界で』(2012)、『かがみのかなたはたなかのなかに』(2015、2017)、『イヌビト~犬人~』(2020)と、「こどもも大人も楽しめる」シリーズとして、作品を発表してきた長塚圭史。 少しビターで、少しファンタジックで、そして少しアイロニカルな物語たちは、夏休み・冬休みに新国立劇場に訪れた「未来のおとなと、かつてのこどもたち」を魅了してきたが、 4作目となる今回は、NHK「ひょっこりひょうたん島」の企画・演出を手がけた武井博の児童文学『モグラが三千あつまって』を音楽劇として舞台化。
長塚圭史がこどもの頃に読み、衝撃を受け、いつか舞台化したいと長年あたためてきた企画がついに実現。

舞台は、南の海にうかぶ三つの島。北の島に住むモグラ族は自分たちで食物を作ることに成功したけれど、西の島のネコ族と、東の島のイヌ族は毎年モグラ族からタロイモを盗んでいました。いつまでも負けてはいられないモグラ族。知恵のあるマチェックと度胸のすわったバンゲラ親分を中心に、戦いにそなえて大きな地下都市を作り始め……。
1984年に出版された約40年前の児童向け小説ながらも、現在の世界情勢にも通ずる、動物たちの攻防戦。
そして、平和への願いが、物語を通して貫かれます。かわいらしく、魅力たっぷりのキャラクターたちが活躍する姿を通して、あらゆる世代の観客に、「今」、伝えたいメッセージが詰まっている。
振付は、これまでの「こどもも大人も楽しめる」シリーズすべての作品の振付を手掛けてきた、近藤良平。
音楽は、NHK連続テレビ小説「らんまん」の音楽も手掛ける、阿部海太郎。
そして、吉田美月喜、富山えり子、小日向星一、栗原類という魅力あふれる、個性豊かな4名の出演者が、いくつもの役を演じ分け、歌あり、踊りありの音楽劇として立ち上げる。

長塚圭史より
作者の武井博氏はプロデューサーとしてNHK『ひょっこりひょうたん島』の企画・演出を手掛けていました。この童話は、武井さんがある朝、自宅の庭でモコモコと土中から現れた或るモグラから 聞いたお話だそうです。とても不思議なことですが、そんなこともあるのかもしれません。
私がこの本に出会ったのは9歳の頃。おそらくこの童話本に出会った少年少女は、少なからず衝 撃を受けたのではないかと思います。少なくとも私はその一人です。知恵者モグラのマチェックが 仲間たちと共に、大きな体のイヌやネコを相手に大活躍する冒険譚として読み進めていると、思い がけない展開に息を呑むことになりました。戦争が奪うものの恐ろしさは人間界も動物界でも変わりません。これは戦争を生で体験した作者の思いがぎっしりと詰まった、心揺さぶる童話です。
出演者はモグラが三千匹も出てくるのに4人です。イヌ族ネコ族も出てくるのに4人。こんな途方 もないようなことを成し遂げるには、やっぱりお客さまの力が必要です。舞台をぐるりと囲んで、一 緒にこの物語を紡いでいただければと思います。音楽に阿部海太郎さん、振付は近藤良平さん。 とにかく劇場を縦横無尽に駆け回り、私が子供の頃から愛するこの隠れた名作に、新たな命を全力で吹き込みたいと思います。

概要
モグラが三千あつまって
日程・会場:
本公演 2023年7月14日(金)~30日(日)
プレビュー公演 2023年7月8日(土)・9日(日)
新国立劇場 小劇場
キャスト
吉田美月喜 富山えり子 小日向星一 栗原 類
スタッフ
原作 武井 博
上演台本・演出 長塚圭史
振付 近藤良平
音楽 阿部海太郎
美術 木津潤平
照明 齋藤茂男
音響 信澤祐介
衣裳 伊藤佐智子
ヘアメイク 稲垣亮弐
演出助手 大澤 遊
舞台監督 足立充章 山添賀容子
芸術監督 小川絵梨子
主催:新国立劇場
後 援 :渋谷区教育委員会/東京都公立小学校長会/東京私立初等学校協会