THE CONVOY SHOW vol.35 「星屑バンプ」生きている限り、夢がある!未来がある!笑顔がある!

「走り出したらとまらない」を合言葉に、結成から30年以上走り続けているザ・コンボイショウ。1986年より始まり、“全員が主役で全員が脇役”のスタイル、劇場だけにとどまらずに、ホール、ホテル、武道館へと活躍の場を広げてきた。
メンバーは全員50代を超え、2017年2月の「asiapan(アジァパン)」初演からは、オーディションで選ばれた若手キャストを加えて、さらなる進化を遂げている。北野武氏から「死ぬまでに一度は観るべき!」と絶賛されているザ・コンボイショウであるが、まさに「走り出したらとまらない」ノンストップ・エンターテイメントショー。
昨年9月に新作「星屑バンプ」を彼らの聖地とも言える銀座・博品館劇場で上演。連日満員となるほどの盛況ぶりで、千穐楽後には再演を望む声が多数寄せられ、ザ・コンボイショウの新たなる代表作となった。
その「星屑バンプ」を昨年の初演から1年後となる本年9月に、またまた銀座・博品館劇場で上演。
作・構成・演出はザ・コンボイショウの主宰でもある今村ねずみ、もちろん出演も。オリジナルメンバーから瀬下尚人、黒須洋壬が、若手キャストからは佐久間雄生、本田礼生、伊藤壮太郎、そして今回新たにオーディションで選ばれた加藤良輔が参加する。
幕が開き、ドーンとタイトルが、それが舞台の天井にあがっていき、まずは全員がスーツ姿でサングラスでの群舞、ここで観客は一気にヒートアップ、それから物語が始まる。基本的にストーリー展開は初演時と同じではあるが、ダンスや芝居を随所でパワーアップさせている。

デパートの屋上で1回目のファミリーイベントを終えた「東京シャイニングブラザーズ」の面々が控え室で着ぐるみのまま、次の出番を待っていた。ペンギン、牛……子供たちに喜ばれそうな“癒し系”の動物の着ぐるみ姿はなかなか笑える。そこへマスクとスーツで武装した戦隊もののヒーロー集団「ビッグバンジェッツ」のメンバーが4人現れ、「誰かこの特注の仮面(ピンク色)をかぶれる方はいませんか!!」と彼らに向かって叫んだ。あまりのことにびっくりする「東京シャイニングブラザーズ」のメンバー。この出会いが彼らを変えていく。何かを見つけ、何かに気づく、それは一体なんなのか……がだいたいの流れである。

コンボイらしく、お笑いシーンあり、ショータイムあり、の独特の流れ。今村ねずみ達の“熟年パワー”、有名キャラクターになってちょっとした“お笑いショータイム”、ここはもう笑うしかない!その他、【時事ネタ】挿入、あるいは【昭和ネタ】も健在で死語も飛び出す(「ナウい」「何?ナウいって」)。また、今村ねずみは今年で還暦(踊っている姿はそうは見えない!)、ことあるごとにこれをネタにする。コンボイらしい楽しさとユニークさで、こういったところは難しいことは考えずに大笑いしたいところ。若者4人はおじさん3人組を“斜め”に見る、「今更、あの人たちと踊る?」と。実際に若手メンバーと今村ねずみ達の年齢差は、親子と言っても差し支えない開きがある(「お父さん、58」「俺より若いじゃねーかよ!」というやり取りも)。しかし、そんな“おじさん”達の背中を熱い視線で見つめているうちに何かが変わる若者4人、いや、おじさん3人組も若者たちと接しているうちにうん十年前を思い出す。

芝居の合間にダンスシーン、勢いのある若手と円熟したベテラン、その異なったテイストが舞台上で融合し合う瞬間は、幾重にも重なって虹色に輝く。全員に見せ場があり、其々の個性が舞台上で弾ける。ベテランの肩の力が抜けたダンディーなタップダンスに華麗なターン、若者達の高さのあるジャンプと『これでもか!』な宙返り、真逆だが、こういった違いをしっかりとコントラストをつけて見せてくれるのは今村ねずみの愛情を感じる構成だ。「悲しくなるほど嬉しくなる」「最後に残るのは夢」「生きていれば未来がある」といった台詞は観客の心の琴線にふれ、明日への活力となる。星屑たちは集まった瞬間にキラキラとした輝きを放つ。そのひとつひとつは少しずつ異なる煌めき、時にはかっこよく、そして優しさに溢れている。ラスト近く、この作品のタイトルの【秘密】が明かされる。ここがいわゆるちょっとした仕掛け的な設定でなかなか粋だ。

最後はまたまたスーツ姿でかっこいい群舞、走り出したら止まらないのではなく、止まるつもりがない、ということを再認識させてくれる。全力で楽しむ、自分に正直に、ありのままに、ダンスが好き、舞台が好き、だからやり続けるのだという姿勢、がっちりとエンターテインメント、ノンストップのおよそ2時間、「死ぬまでに一度は観るべき!」と言われているが、一度観たら、何度でも観たくなる。それがCONVOY SHOWの真髄。なお、観客撮影OKタイムを設けてあるので、合図が出たらスマホを、カメラを!

そして今年の12月に新作も上演、タイトルは「ONE!」それはどういう意味を持つのか、どんなことを仕掛けてくるのか、それは12月をお楽しみに!

【公演概要】
THE CONVOY SHOW vol.35「星屑バンプ」
東京公演:2018年9月7日~9月17日
会場:銀座 博品館劇場

大阪公演:2018年9月29日〜9月30日
会場:森ノ宮ピロティホール

札幌公演:2018年10月2日
会場:札幌市教育文化会館 大ホール

新潟公演:2018年10月4日
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

仙台公演:2018年10月6日
会場:電力ホール

福岡公演:2018年10月12日〜10月13日
会場:ももちパレス

名古屋公演:2018年10月19日〜10月21日
会場:名古屋市芸術創造センター

[作・構成・演出] 今村ねずみ
[出演] 瀬下尚人 黒須洋壬 /
佐久間雄生 本田礼生 伊藤壮太郎 加藤良輔 /
今村ねずみ
お問い合わせ:ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
公式サイト:http://hoshikuzubump.com