ミュージカル「Dance with Devils〜Fermata(フェルマータ)〜」開幕!!

 

ミュージカル「Dance with Devils〜Fermata(フェルマータ)〜」が開幕した。本作は“ミュージカルアニメ”と銘打ち放送されたTVアニメ「Dance with Devils」(2015年10〜12月放送)を原作としたミュージカル。漫画やゲーム化もされるなどマルチな展開で人気を博し、2016年3月に初舞台化としてミュージカル「Dance with Devils」(通称:デビミュ)、2016年12月には第2弾公演となるミュージカル「Dance with Devils〜D.C.(ダ・カーポ)〜」が上演され、今回が第3弾公演となる。

 

客席に入ってまず目を引かれたのは豪華な舞台セットだ。舞台全体を飾る大小さまざまな歯車のデザインは、まるで登場人物たちの運命を複雑に絡め合って回すかのように神秘的で、ゴシックな世界観にピッタリ。さらに、舞台セット中央には段差がつけられた回転舞台が設置されており、ミュージカルシーンではそれぞれの出演者の顔がかぶることなく色々な角度から楽しむことができる。

 

 

幕が開き、最初に登場したのは2017年に11月に公開されたアニメ劇場版「Dance with Devils-Fortuna-」に登場した新キャラクターのマリウスだ。語り部として物語全体をリードするマリウスは、ミステリアスな外見と語り口が非常に印象的なキャラクター。そして、壮大な物語の開幕を思わせるOPナンバーが始まると、否が応でもテンションが上がる。

 

 

 

序盤は魔界でのアクマたちの回想により、キャラクターたちの関係性がコミカルなタッチも含めて描かれている。そして、力を得るために謎の魔道書“禁断のグリモワール”を探し求めるレム、ウリエ、メィジ、シキらアクマたちと、“禁断のグリモワール”の鍵となる少女リツカ、リツカを守ることを誓うリツカの兄リンドを軸に物語が展開。そこにアクマから勢力を奪おうとするヴァンパイアも登場し、三つ巴の闘い繰り広げられる。コミカルなシーンから徐々にシリアスなストーリーへと移っていく物語と演出は、ダンデビが初めてという観客にも分かりやすく、テンポ良く引き込まれていくだろう。

 

本シリーズは第1弾公演でリツカとレムが結ばれるエンディングを迎え、第2弾公演ではリツカとレムが結ばれるエンディング、リツカとリンドが結ばれるエンディングがそれぞれ描かれてきた。今回の第3弾公演も“Elegante(エレガンテ)“と”Calma(カルマ)“という2エンディングが用意されている。その2パターンには芝居や楽曲の構成にも違いもあるが、どちらでも物語は完結しており、両方の違いを楽しむことも、1つだけでも楽しめる仕掛けとなっている。

 

デビミュではキャラクターたちが作中で想いを伝えるために“歌を歌う”という演出方法に注目が集まり、ミュージカルファンを中心に高い評価を得てきた。その迫力の歌声で想いを歌い上げる歌唱シーンは今回も健在。ダンデビの世界観を象徴するダークで格調高いミュージカルナンバーを中心に、スタイリッシュ、メロディアス、ラップなどの様々なソロパートが各キャラクターたちの魅力を際立たせ、見ている側を飽きさせない。さらに、ミュージカルシーンではダンスだけでなく、アクションが組み込まれているシーンもあり、迫力ある仕上がりとなっている。

鉤貫レム役の神永圭佑は冷酷無比でありながら、リツカへの思いに悩むアクマを熱演。南那城メィジ役の吉岡佑はオレ様なメィジのワイルドで艶のある魅力を引き出していた。棗坂シキ役の安川純平は耳に残るセリフである「ゾクゾクするねぇ」が口癖のシキを怪演。ローエン役の内藤大希は序盤のコミカルな演技と終盤のシリアスな演技のギャップが素晴らしい。ヴァンパイアであるジェキ役の田中涼星はオネエキャラとして登場する度に場を盛り上げる。

 

新キャストは高野洸、山崎晶吾、北川尚弥の3人。立華リンド役の高野は歌やアクションでその存在感を放つ。楚神ウリエ役の山崎晶吾は甘いマスクと言動に隠されたウリエへの思いを胸に秘めて優しく演じる。マリウス役の北川尚弥はミステリアスな役の雰囲気にふさわしく、語り部として難しい1人芝居を演じきっていた。

ミュージカルアニメということで2.5次元ミュージカルと親和性の高い原作。その魅力を余すことなく舞台に表現しきった本作の“Elegante“と”Calma“の意味である”優雅“と”静寂“を、ぜひ劇場で感じて欲しい。

 

なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは神永、高野、山崎、吉岡、安川、内藤、北川、田中の8名。

前作からレベルアップした点について、神永は「話も、演出も、舞台セットも変わってきます。役者の追求する時間というのも長くて、そこは舞台上に表れてくれると思います」と解説。初参加となる高野は「稽古が始まる前にプレッシャーと焦りもありましたけど、リツカのお兄ちゃんという面とバンパイアな面とか、他と違った一面を際立てさせたい」と意気込んだ。

稽古場でのエピソードについて、女性にモテる設定のウリエを演じる山崎は「演出の三浦香さんから『自信をつけるために街なかでナンパをしてこい』と言われた」と発言して笑いを取ると、続けて「実際には行っていないですが(笑)そんな感じで自信を持てるように頑張っています」と笑顔を見せた。吉岡は「メィジはオラオラ系なので、ふとした時にヤンキーチックになってしまうのですが、香さんから『ヤンキーじゃないから』と指摘頂いて、改めて、妖艶なところもあるので、そこも気をつけなければと実感しました」と役作りを明かした。安川は「初めてのシーンを稽古したときに、香さんに『気持ち悪いな』と言われました(笑)劇中で『気持ち悪いな、お前』と言われる役なので、”気持ち悪い“を追求していきたい(笑)」と意気込みを語って、会場の笑いを誘った。北川は「語り部という立ち位置なので、ここにいる誰ともお芝居の中で絡みがないんです。なので、稽古場でも1人でいることが多かったです」という悲しいエピソードを披露すると、共演者たちから笑いが起こり、「寂しいこと言うなよ!」などツッコミが入った。そのツッコミを受けて、北川は「それがマリウスという人物を作り上げていくのに生かせたと思っています」と笑顔で答えた。

本編終了後に行われるミニコンサートについて、内藤は「やるたびにお客さんの熱量を頂けるなというのを感じます。本編中は声を出したりできないですけど、ミニコンサートではその思いの丈を声に載せて僕たちに届けてください」とメッセージを送った。最後に、田中はジェキになりきって「小鳥ちゃんたち〜、全公演いらっしゃい!」と呼びかけた。

また、早くも公演のBlu-rayが発売が決定。公演中、劇場で予約することで全員が9月29日(土)に開催されるメインキャストによるトーク&ハイタッチ会に参加することができる。さらに、残席がある回に限り、チケットぴあにて当日引換券販売を実施中。ミニコンサート「アクマの歌宴」は日替わりキャストで行われる。

早くも公演のBlu-rayが発売決定!公演中、劇場でご予約で【全員】をメインキャストによるトーク&ハイタッチ会にご招待!
商品名:ミュージカル「Dance with Devils〜Fermata(フェルマータ)〜」BD
発売日:2018/9/28
形態:Blu-ray2枚組+CD
価格:¥9,100(税抜)

【収録内容】
【本編】
・2018/3/25夜公演 Elegante収録
・2018/3/25昼公演 Calmaダイジェスト収録

【特典】
・Special Making〜アクマの記録〜
㈰アクマの邂逅(キャスト顔合わせの模様を収録)
㈪アクマの稽古(キャストがカメラマンとなり、稽古風景を収録)
㈫アクマの決意(ゲネプロ直前、囲み取材の模様を収録)
㈬アクマの裏側(バックステージ映像を収録)
・開演前・終演後のキャラクターコメント
・2018/3/25夜公演 Elegante全景映像収録

【CD】 ※未定

<ミュージカル「Dance with Devils〜Fermata(フェルマータ)〜」「トーク&ハイタッチ会」概要>
日程:2018年9月29日(土)
場所:東京近郊
※追って公式サイトにて発表

出演予定:
神永圭佑(鉤貫レム役)
山崎晶吾(楚神ウリエ役)
吉岡佑(南那城メィジ役)
北川尚弥(マリウス役)

※出演者は変更になる可能性があります。

㈪残席がある回に限り、チケットぴあにて当日引換券販売を実施中!
チケットぴあ http://w.pia.jp/t/dwd2018/

㈫日替わりキャストでお届けするミニコンサート「アクマの歌宴」もお楽しみに!
日替わりキャスト一覧 http://dwd-stage.com/ticket_schedule.php

 

<ストーリー>
四皇町に存在する名門 四皇學園。その學園の生徒会を担う、鉤貫レム、楚神ウリエ、南那城メィジ、棗坂シキ。他生徒たちから絶大な人気を誇る彼等の正体は、魔界からやってきたアクマであった。絶対的な力を得るために、人間界に存在する『禁断のグリモワール』を探し求める彼等は、その手がかりとなる女子高生・立華リツカと出会う。リツカを手に入れようと策略をめぐらすアクマ・ヴァンパイア達、そしてリツカを護る事を誓うエクソシストの兄・立華リンドをのせて、廻りだす運命の輪。新たな旋律が描き出すのは、これまで語られなかった新たな物語。貴女に訪れる2つの結末は一体——?〜誰も目を逸らす無かれ  今、新たな運命の帳ばりが上がる〜

 

【公演概要】
日程:2018年3月15日(木)〜25日(日)
会場:AiiA 2.5 Theater Tokyo

<スタッフ>
原案/岩崎大介(Rejet)、原作/グリモワール編纂室、 脚本・演出/ 三浦 香、
脚本協力/金春智子、中瀬理香、横手美智子、内海照子、
音楽/Elements Garden、音楽プロデューサー/藤田淳平、
オリジナル曲作詞/うえのけいこ、振付/當間里美、
主催:エイベックス・ピクチャーズ/ネルケプランニング

<キャスト>
鉤貫レム:神永圭佑 、立華リンド:高野 洸 、楚神ウリエ:山崎晶吾
南那城メィジ:吉岡 佑、棗坂シキ :安川純平 、ローエン:内藤大希

ヴィフ: 鷲尾 昇、グラン: 木全寛幸、エル:福井大輔

シダ: 小林竜之、カズラ: 福島海太

今井 稜、辻 大樹、木村充希、逢坂 空、尾関晃輔

マリウス:北川尚弥、立華リツカ表現: 肝付瑠生、ジェキ:田中涼星

<チケット価格>
8,800円 (税込/全席指定)※特典付き

 

アニメ公式HP:http://dwd-movie.com/
舞台公式HP:http://dwd-stage.com/
舞台公式Twitter:@dwd_stage
『Dance with Devils My Carol』情報:http://rejetweb.jp/dwd/mycarol/

※山崎晶吾の「崎」は大に立が正式表記

 

(C)グリモワール編纂室/デビミュ製作委員会
(C)グリモワール編纂室/Dance with Devils F 製作委員会

 

取材・文:櫻井宏充