“ニューウェイヴの旗手”から”日本演劇界の旗手へ”! 劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)、 平成30年秋 紫綬褒章受章!

平成30年秋の叙勲にて、劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、紫綬褒章を受章することが発表された。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)は、ミュージシャン出身の劇作家、演出家、映画監督、音楽家。1982年、自身がリーダー・ボーカルを務めるニューウェイヴバンド「有頂天」を結成。また自主レーベル「ナゴムレコード」も立ち上げ「筋肉少女帯」「たま」「電気グルーヴ」など人気アーティストを多数輩出、そのムーブメントは“ナゴムギャル”という流行語も生み出した。並行して1985年には「劇団健康」を旗揚げし演劇活動を開始する。音楽と演劇を通じ1980年代のサブカルチャーブーム、バンドブームの大きな一翼を担った。「劇団健康」解散後、1993年に劇団「ナイロン100°C」を始動。以降25年に渡り、多種多様な作風で、精力的に作・演出作品を発表。多数の劇団員が人気俳優に成長し、2018年劇団結成25周年を迎えた。劇団公演及びプロデュース公演で多くの作品を発表しながら、映像監督として4本の映画とドラマの監督と脚本を手掛け、また音楽活動も継続し、才能を縦横無尽に発揮してきた。
近年の演劇活動の充実は目覚ましく、作品は高い評価を得ている。2015年第40回菊田一夫演劇賞受賞。2016年第23回読売演劇大賞 最優秀作品賞/優秀演出家賞受賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2017年第51回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞、読売演劇大賞 最優秀演出家賞受賞、第4回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞受賞、読売文学賞戯曲・シナリオ部門受賞。
3年の間に多くの賞を受賞し、まさに“受賞ラッシュ”といった状況だ。
名実ともに円熟期を迎えているKERAは、2019年も走り続ける。
さらに、2019年から1年に1本ずつ数年に渡り、KERA戯曲の名作を、今をときめく演出家陣が演出する新シリーズ「KERA CROSS」(企画製作:東宝・キューブ)がスタート。
KERA作品を異なる味わいで堪能できる贅沢な企画になるに違いない。詳報を待ちたい。
2018年11月現在は、KERA作・演出の新作公演KERA・MAP#008『修道女たち』が上演中であり、既に2019年6~7月上演『キネマと恋人』再演も発表されているが、以降のKERA作品上演の発表も期待したい。
KERAより受章に際しコメントが届いた。
<ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント>
頂戴出来る物は拒まない主義の私とは言え、この度賜った章はひときわ大きな喜びです。「もっと好き勝手やれ」と背中を押された気分。これまで創作に関わってくれた全ての人と分かち合いたい。お客様も含めて。とりわけ、ずっと一緒にやってきた劇団員たち、昔自分の身勝手で迷惑かけまくったバンドメンバー、そして、舞台では女優、家では私設秘書にしてこの上なく信頼できるアドバイザーとして支えてきてくれた奥さんと。
僕は舞台の脚本を、日々の稽古を見ながら書く方法を取っているので、俳優さんが実際に動いてくれない事には、作品一本書き上げることもままならない。スタッフさんとも「この芝居、この制約の中で、何が出来るのか」という事を話しながら創っています。そういう意味で私の脚本はどの作品も、皆との共同執筆だと思っています。
もし、他の劇作家や演出家、音楽家と何か違う事があるとすれば、やりたいことしかやってこなかったこと。それから、これまで創ってきた作品の、“量×質”の総量。この点は自己評価としては大抵の同業者の3人分くらいはいくんじゃないかと。(笑)
集中力も体力も落ち、なにかと挫けそうになる昨今の私ですが、まだまだやらねばと背筋が伸びました。やりたくないことはやりませんが。
談 ケラリーノ・サンドロヴィッチ

<ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA) プロフィール>
劇作家 演出家 映画監督 音楽家
1963年1月3日生まれ、東京都出身。1982年、ニューウェイヴバンド・有頂天を結成。
また自主レーベルであるナゴムレコードを立ち上げ、数多くのバンドのアルバムをリリースする。
並行して1985年に劇団健康を旗揚げ、演劇活動を開始する。1992年解散、1993年にナイロン100℃を始動。1999年「フローズン・ビーチ」で第43回岸田國士戯曲賞を受賞、現在は同賞の選考委員を務める。
舞台活動では劇団公演に加え、KERA・MAPなどのユニットも主宰するほか、外部プロデュース公演への参加も多数。2012年にはシアターコクーンに書き下ろした『祈りと怪物』を、自身による演出と蜷川幸雄氏による演出にて連続上演。また『かもめ』(13)を皮切りに、チェーホフ四大戯曲全四作品の演出に取り組んでいる。
映像活動では、自身の企画である『怪奇恋愛作戦』(シリーズ監督、脚本)が2015年1月クールテレビ東京系連続ドラマ(全12話)として放送された。それ以前にも『時効警察』(テレビ朝日)などがある。また初監督映画『1980』(03)から映画界にも参入、『おいしい殺し方』(06)、大槻ケンヂ原作『グミ・チョコレート・パイン』(07)、『罪とか罰とか』(09)の脚本・監督をつとめた。
音楽活動では、バンド「ケラ&ザ・シンセサイザーズ」でボーカルを務めるほか、2013年には鈴木慶一氏とのユニット「No Lie-Ssense」を結成。同年ナゴムレコード設立30周年を機に、鈴木氏と共同主宰で新生ナゴムレコードをスタート。2015年には「有頂天」を再始動、24年ぶりのアルバム『lost and found』を発売。2016年にはソロアルバム『Brown,White&Black』をリリース、ビルボード東京にて発売記念ライブを行う。各種ユニットによるライブ活動や新譜リリースも精力的に続行中。

<受賞歴>
1999 第43回岸田國士戯曲賞(ナイロン100℃『フローズン・ビーチ』にて)
2000 東京都千年文化芸術祭優秀作品賞(ナイロン100℃『ナイス・エイジ』にて)
2002 第1回朝日舞台芸術賞(2001年の活動全般に)
2002 第5回鶴屋南北戯曲賞(『室温〜夜の音楽〜』にて)
2002 第9回読売演劇大賞優秀演出家賞(『室温〜夜の音楽〜』にて)
2007 第14回読売演劇大賞最優秀作品賞(『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』にて)
2015 第40回菊田一夫演劇賞(ナイロン100℃『パン屋文六の思案~続・岸田國士一幕劇コレクション~』、KERA meets CHEKHOV vol.2/4『三人姉妹』の上演に対して)
2016 第23回読売演劇大賞 最優秀作品賞・優秀演出家賞(KERA・MAP『グッドバイ』にて)
2016 平成27年度芸術選奨 文部科学大臣賞(KERA・MAP『グッドバイ』にて)
2016年 第51回紀伊國屋演劇賞 個人賞(『ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~』の作・演出、世田谷パブリックシアター+KERA・MAP『キネマと恋人』の台本・演出に対して)
2017年 第24回読売演劇大賞 最優秀演出家賞(『8月の家族たち August : Osage County』にて)
2017年 第68回読売文学賞 戯曲・シナリオ部門(『キネマと恋人』上演台本)
2017 年 第 4 回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞(『キネマと恋人』にて)

 

<ケラリーノ・サンドロヴィッチ/最新作>

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