ミュージカル「ヘタリア」FINAL LIVE~A World in the Universe~、開幕!

 

 日丸屋秀和氏原作による国擬人化大人気コミック『ヘタリアAxis Powers 』(幻冬舎コミックス刊)を原作とする、ファン待望の舞台化として生まれたミュージカル「ヘタリア」(通称”ヘタミュ”)。2015年 『ミュージカル「ヘタリア~Singin’ in the World~」』では東京公演のみであったが、その面白さで話題騒然、2016年の第2弾『ミュージカル「ヘタリア ~The Great World~」』では東京・大阪の2都市にて上演するなど、毎公演規模を拡大。最新作『ミュージカル「ヘタリア~in the new world~」』は、東京18公演・大阪5公演の計23公演、全国42館の映画館にて大千秋楽ライブ・ビューイング実施と、シリーズ最大規模で2017年7月~8月にかけて開催!チケットは全公演即日完売するなど、注目度の高い作品となった。通称”ヘタミュ”、そして、オールスターでのFINAL LIVE!きっと、レジェンドな公演、まずは幕張でのライブ、大盛り上がりに相違ない!

ほぼ満席の幕張メッセのイベントホール、早くも期待と熱気に包まれていた。開演前から気の早いファンはペンライトを点灯してたり。アリーナの中央には円形のステージ、遠目に見ると宇宙船から見た地球のようで、やっぱり「ヘタリア」!

時間になり、音楽がクレッシェンドに、観客は総立ちでペンライト、オリジナルのものなので、客席は全てピンク色の光り、スクリーンに映像が映し出され、そこで大きな歓声、しょっぱなから歌、というオープニングで一気に会場のテンションはMAX!1曲目はキャスト全員で歌唱、リズムに合わせて揺れるライト、そしてキャスト、客席が一体となってクラップ、決めポーズもあり、快調にとばす。「そうか!今日はお祭りの日か!」とイタリア、続けて2曲目、「楽しんでますか〜」と例のイントネーションで中国が呼びかける。観どころがたくさんあり過ぎな状態で、なんとも贅沢なライブだ。3曲目、バンドが舞台中央からセリ出てくる、ミュージカルでおなじみのナンバーが次々と繰り出され、楽しい、ただ、ひたすら楽しいとしか言いようのない超盛り上がり!各キャラクターの見せ場はもちろん、単なるライブではなく、今迄のミュージカル公演を彷彿とさせる台詞ややり取りがふんだんに盛り込まれており、レビューっぽい構成、これは嬉しい!脳内でこれまでの公演のシーンが浮かんで来る。

 

映像、照明、レーザー光線、どんな一流アーティストの公演にも負けないステージング、舞台中央のスクリーン、めまぐるしく変わっていく。キャスト陣、全力で歌い、踊り、そして名台詞をバッチリと!またキャラクター同士のやり取りも見逃せない、細かいギャグも挟み込み、歓声と笑いと拍手とが会場に響き渡る。名場面の再現もあって、ミュージカルを観劇しているファンなら「ある、ある」がもう、てんこ盛り状態だ。中盤で、ちょっとした企画コーナー、【お題】が用意されており、これにキャストが答える、という形式。例えば「○○○海戦、こんな海戦はいやだ」ではかなりの珍回答も飛び出し、会場は大笑い。その後、いくつかのお題が出たが、続々と繰り出される面白迷回答、アドリブも多数飛び出し、笑い声が絶えないコーナーとなった。そして「よーし、後半戦、いくよ〜〜」のイタリアの掛け声で、再び、ライブ!最初は食べ物にまつわる歌から始まった、まずは「肉じゃが誕生の歌」から。それから、お兄さん、ことフランスの衝撃衣裳が!ここはもう大笑い!全員がとにかく突き抜けたパフォーマンスで会場は笑いの渦に!

全ての出演者に見せ場、アンサンブル陣のかっこいい群舞、そしていよいよ、クライマックスへ!客席と舞台とが一緒になって歌う、最後の方でスクリーンに桜の木が映る、その瞬間、桜吹雪が舞う、FINAL LIVEに相応しい景色、♪また花が咲くその時まで♪と歌う。現実の国際社会では、各国が腹の探り合い、駆け引き、時として諍いもある、それは紀元前から続いてきたことだ。しかし、このFINAL LIVEは各国が手を取り合って唱和する。平和で楽しい国際社会、このステージの上では、だ。理想とか夢物語と言ってしまったらそれまでだが、なんとも言えない高揚感と幸せを客席に届けるLIVE、「世界は歌で繋がっている」と言う中国、キャストと客席、合唱し、その何とも言えない暖かな空気が幕張メッセのイベントホールいっぱいに充満する。♪クリスマスはどこにでもやってくる♪と歌う。スクリーンにはクリスマスツリーが映し出される。登場する全ての国旗が並び、 はためく。キラキラ光る紙吹雪が舞う、幻想的な雰囲気、照明やレーザー光線が、更にムードを高める。

これで一旦、終了するが、本当に終わるはずもなく、アンコールの声で、再び出演者が全員、舞台に!「素敵な時間をありがとう!」とキャストが客席に呼びかけるが、それは観客とて同じ、素敵な時間に酔いしれて、あっと言う間にエンディングだ。キャスト1人1人の挨拶、感極まって言葉に詰まったり、涙ぐんだり、静まり返った会場は、その言葉を噛みしめる。アンコール曲は、もちろん「まるかいて地球」、皆、ノリノリ!そして本当のラスト曲は「僕の原子は君の想いで出来ている」。アリーナ中央の円形ステージで皆、手をつないで輪になって歌唱、国と国とが手を取り合っている光景は美しい。サブタイトルになっている“A World in the Universe”、このthe Universe、宇宙、万物、全人類、世界等、いくつかの意味がある。語源はラテン語で「回転して一つになったもの」、この言葉の意味を考えさせるLIVE、楽しくも奥が深い3時間であった。

18日の夜の回のカーテンコールにて、スペイン役の山田ジェームス武さんが急遽、かけつけてくれた。会場は万雷の拍手に包まれたことを付け加えておきたい。

 

<キャストコメント> 

イタリア役:長江崚行

時間が動き出した感覚がありました。

少しずつ終わりに向かっていく中で、幕張にいた全ての人間が幸せを感じていたと思います。

儚さでいっぱいでした。一生、忘れられない記憶ができました。どうもありがとう!

 

 

ドイツ役:上田悠介

何て素晴らしい景色を見せてくれたんだという感じでした。

宇宙に桜が咲いた瞬間って僕達しか見られないんじゃないかというくらい贅沢な時間でした。

本当にありがとうございました。

 

日本役:植田圭輔

想いが溢れました。心が震えました。ありがとう。

 

アメリカ役:磯貝龍虎

ライブってこんなに気持ちいいんだね!ペンライトがキレイ!愛してるぜUSA!&you

あ、あとヘタミュが続きますように!カットになりませんように!

 

イギリス役:廣瀬大介

あっという間の公演でした。

もうわずかではありますが、まだまだ沢山思い出をつくっていきたいと思います。

 

フランス役:寿里

一番新鮮なヘタミュへの想いやエネルギーをお伝えできたと思います。

きっとどの公演も特別で永遠の瞬間があってその瞬間瞬間を大切にしていきたいです。刻みます。

 

ロシア役:山沖勇輝

3時間が3秒に感じるくらい本当に楽しく幸せな時間だった、一体感。

それを感じさせて下さったお客様に感謝です。

 

中国役:杉江大志

出来る事を精一杯という感じでした。ただそれだけでした

これまで沢山もらった分、精一杯お返しします。

 

オーストリア役:ROU(菊池卓也)

M1君と僕の物語の登場時の景色は、一生忘れる事はないと思います。

引き続き、最高の時間にしましょう!!

 

プロイセン役:高本学

初めてLIVEというものを経験させて頂き、ダンス・歌でお客様を魅了するという難しさや楽しさを知り、また一つ成長出来たなと感じます。

そして、このヘタリアという大好きなカンパニーで幕張のステージに立てた事は一生の想い出になりました。

 

 

 <幕張公演セットリスト> 

ミュージカル「ヘタリア」SWGWNWの楽曲+LIVE書き下ろしの新曲を含めた全41曲を披露!

なんと、ミュージカル公演では未公開&CD未収録、幻の「トマトの歌」「ピロシキ」

「あとは鐘をならすだけ」初披露も!

1)君と僕の物語  (2)世界の謎の謎の鍵 3American Hero 4Break Out Reality

5)プロイセンの歌 (6)産業ロック (7)新大陸へ!

8)規律正しきオーストリアと召使いイタリア (9)走馬灯&一緒になりたいな

10)ナンバーワンお兄ちゃん (11)新時代の到来  (12)極東兄弟 (13)アルマダ海戦

14)タッグマッチ  (15)アメリカの倉庫掃除&アメリカの独立宣言 (16)開国慕情

17)プロイセンの決意 (18)サラエボ事件の歌 (19)わざわざ歌にするほどでもない歌

20)連合軍 VS ドイツ (21)東西冷戦 (22)連合軍総攻撃 (23)世界会議

24)約束の木の下で~in the new world~ (25)1・2の3で日独伊 (26)肉じゃが誕生の歌

27)トマトの歌  (28)ピロシキ (29)あとは鐘をならすだけ (30)ホームパーティをやろう

31)日本の憂鬱 (32)何を贈ろう (33)ドイツに捧げるイタリアのうた

34)大事な取り扱い説明書 (35)胸を張って (36)神様のしずく (37)星に願いを

38)どこにでもクリスマスはやってくる (39)百年旅

<encore>40)まるかいて地球 (41)僕の原子は君の想いで出来ている

 

 

 

 

【公演データ】

ミュージカル「ヘタリア」FINAL LIVE~A World in the Universe~

 

日程:3月17日(土)開演:18時 /  3月18日(日) 開演:12時、18時

会場:幕張メッセ イベントホール

 

日程:321日(水・祝)  開演:12時、18時

会場:フェスティバルホール

 

チケット:全席指定(オリジナルペンライト付) 10,900(税込) 

 

主催:ミュージカル「ヘタリアWU」製作委員会

企画プロデュース:4cu(フロンティアワークス)

制作協力:ポリゴンマジック

LIVE制作:バンダイナムコ ライブクリエイティブ

演出:吉谷光太郎

音楽:tak

振付:MAMORU

出演:

イタリア:長江崚行、ドイツ:上田悠介、日本:植田圭輔、アメリカ:磯貝龍虎

イギリス:廣瀬大介、フランス:寿里、ロシア:山沖勇輝、中国:杉江大志

オーストリア:ROU(菊池卓也)、プロイセン:高本学、スペイン:山田ジェームス武(幕張のみ映像出演) 他

 

公式サイト:http://musical-hetalia.com

公式Twitter:@musical_hetalia

 

©日丸屋秀和・幻冬舎コミックス/ヘタリア製作委員会

©ミュージカル「ヘタリアWU」製作委員会

 

文:Hiromi Koh