黒澤明の名作『生きる』のミュージカル化、主演は市村正親、鹿賀丈史、続々とキャスト発表、演出は宮本亜門

 すでに発表になっているが、 黒澤明没後20年の今年、「生きる」(1952年公開)がミュージカルとなって蘇る。黒澤映画がミュージカルになるのは、もちろん、世界初。
 映画で名優・志村喬が演じた主人公・渡辺勘治は、市村正親と鹿賀丈史がダブルキャストで挑む。市村正親と鹿賀丈史は、劇団四季退団後、本作が5度目の舞台共演となる。ダブルキャストでの主演は、2014年に話題となったミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」以来、二度目。
 作曲と編曲を手がけるのは、ブロードウェイ・ミュージカル「若草物語」の作曲を手がけ、音楽監督を務めたブロードウェイ・ミュージカル「ビューティフル」では、グラミー賞を受賞したジェイソン・ホーランド。日本ではデスノートTHE MUSICALの音楽監督も務めた。

脚本と歌詞は、「アナと雪の女王」「アラジン」などのディズニー作品の訳詞を手がけ、東野圭吾原作のオリジナル・ミュージカル「手紙」の脚本でも知られる高橋知伽江。そして演出は、日本を代表する演出家の宮本亜門が担う。

また、胃がんとわかり自暴自棄になる主人公・渡辺勘治を勇気づける職場の同僚・小田切とよ役と、渡辺の息子の妻・一枝役の2役を演じるのは、初のミュージカル出演となる歌手のMay’nとミュージカル界で活躍する注目の女優・唯月ふうか、Wキャストとなる。公演ごとに、2役を交互に演じることになるので、ここは注目ポイント。渡辺光男役にはミュージカル初挑戦の市川隼人。また小説家役では、数多くのミュージカルに出演の実力派である新納慎也と小西遼生がキャスティングされている。

<市村正親・コメント>
『黒澤監督の映画「生きる」をミュージカルにすると最初に聞いたときは、非常に目のつけどころが面白いと感じました。黒澤作品は役者の皆さんもみんなが必死で、手抜きがなく、本当に素晴らしいと思います。普段、私は海外で出来上がった作品に出演することが多いですが、今回はオリジナル作品ですので、新しい楽曲との出会いを楽しみたいと思っています。鹿賀丈史と同じ役をダブルキャストで演じるのは今回が二度目になりますが、それぞれの持ち味があるので、僕は僕、丈史は丈史で、作品に向き合うことになります。ただ、今回は丈史の方がこの役にぴったりだと感じていますけど(笑)演出の宮本亜門さんとは、スウィーニー・トッド以来ですが、もともとダンサー出身の演出家なので、自分とは波長が合います。今回の物語の中で、主人公が、生まれて初めて夜の街を遊んでまわるシーンがありますが、亜門さんのアイデアが存分に発揮されて楽しいシーンになるのではと、今から楽しみです。僕自身も含めて、お客さんに「生きる」エネルギーを与えられたらいいなと思います。』

<鹿賀丈史・コメント>
『劇団にいる頃から黒澤作品は憧れであり、舞台の世界から映像の世界に飛び込んだきっかけともなりました。この「生きる」という映画は、自分が2歳のときの作品です。今回、改めて映画を観ましたが、ミュージカルになる要素がたくさん含まれていることに気がつきました。「生きる」という意味を真剣にとらえて、お客さんに届けたいと思います。これまでは自分より若い役を演じることが多かったですが、今回は無理をせずに演じられる等身大の役なので、少し気がラクかもしれません(笑)。宮本亜門さんとは、「ファンタスティックス」という作品でご一緒していますが、とにかくエネルギッシュで、明るい方です。亜門さんのエネルギーが作品に与える影響は大きいと思います。海外生まれの作品を40年以上演じてきましたが、とうとう日本から世界へ作品を発信する時代が来たと思うと感慨深く、長くこの仕事を続けてきて良かったと思います。黒澤明監督没後20年の年に、お客さまの心に突き刺さるような、一生忘れない作品を届けたいと思います。』

 

 

 

<May’n・コメント>
『日頃よりミュージカルを観に行くことがすごく好きだったのですが、まさか自分が出演させて頂けるなんて、、!とびっくりしています。歌手としてデビュー13年目ではありますが、ミュージカルとしての歌、そして何より演技は初めての経験ですし、出演者の皆様と一緒に長期間の稽古をするということさえ未知な世界ですので、とても緊張しています。同じ役を演じる唯月ふうかさんは、『デスノート THE MUSICAL』で拝見した時の印象がとても強く残っているのですが、沢山のミュージカルに出演されている素晴らしい女優さんだと思います。ご一緒出来るのをとても楽しみにしています。
今回、2役に挑戦しますが、とよ役は「無邪気に元気に、こんな子現実にいたら面白いなあっていう夢をつめこんで」、一枝は「わかるわかる、いるいる、という現実や日常をまとって」演じたいです。違うタイプの二役だからこそ、切り替えが難しそうでもあり、楽しそうでもあります。
“いつかミュージカルにでてみたい”と思っていた夢が叶う日が来るなんて!と、とても嬉しく思っています。初めてのことばかりで未知ではありますが、しっかりと稽古をして臨みたいと思います!毎日をがんばって生きるみなさまが、この作品を観た帰り道に少しでも違う明日を感じ生きられますように。わたしもしっかりと舞台で生きます!』

<唯月ふうか・コメント>
『今回の舞台で、市村さんとは3度目、鹿賀さんとは2度目の共演になります。またご一緒できて嬉しいです。市村さんは、お芝居のアドバイスを下さったり、美味しいお店に連れてってくださったり、本当にお父さんのようにいつも気にかけて下さいます。
鹿賀さんとは、前回の作品では共演シーンが少なく、あまりお話できなかったので、今回は、お芝居のことなど、たくさんお話出来たら嬉しいなと思っています。
May’nさんにはお仕事で何度かお会いしたことがあり、コンサートも観に行かせて頂いたことがあります。とてもパワフルでかっこいい歌声なので、同じ役と聞いて、「もっと声量をつけないと…!」と思ってしまいました。お稽古していく中で、同じ役の中にも私らしさを見つけていけたらなと思います。
今回、2役を演じると聞いて「大変だ…」と正直思いました。
でも、なかなか経験出来ないことですので、自分を追い込んで乗り越えたいと思います。2役を演じている自分をまだ想像できませんが、お客様に「あれ。これ同じ人?」と思って頂けるように、しっかり演じ分けたいと思います!
2役出来るということは2倍大変かもしれませんが、私は2倍以上楽しんでやりたいと思います!!得るものが絶対に大きいと思うので、自分の役やお芝居の引き出しを沢山増やしたいです!ぜひ「生きる」観に来てください!』

 

 

<ストーリー概略>

「生きる」は、まもなく60歳で定年を迎えようとしている市民課長の渡辺が、当時、不治の病とされていた胃がんになり、死んだように生きていたこれまでの人生を悔い、自分の残りの人生をかけて、市民のために小さな公園を作るという物語。

 

【公演概要】

ミュージカル「生きる」

作曲&編曲:ジェイソン・ホーランド
脚本・歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亜門

<出演>

渡辺勘治役:市村正親、鹿賀丈史(Wキャスト)

渡辺光男役:市川隼人
小説家役:新納慎也、小西遼生(Wキャスト)
小田切とよ役/渡辺一枝役:May’n、唯月ふうか(Wキャスト)
助役役:山西 惇

日程     2018年 10月8日(月・祝)~28日(日)
場所     TBS赤坂ACTシアター
チケット発売 2018年6月(予定)

※公式ホームページ http://www.ikiru-musical.com/
※公式twitter  @ikirumusical

主催 ホリプロ TBS 東宝 WOWOW