冨士山アネット・長谷川寧による新作はイマーシブ・シアター(没入型劇場)、[ 霧の國 ]

ーー観客参加型作品[DANCE HOLE]及び、 SCRAPとのコラボレーションによるリアル脱出ゲーム[アンドロイド工場からの脱出]の 共同演出を手掛けた冨士山アネット・長谷川寧による新作。 舞台は何も見えない、霧で覆われた架空の国。 観客は分断された国の中を巡って行くという、イマーシブ・シアター(没入型劇場)。 視界を奪われ隔たれた参加者達が、やがて見出す自身、国家、社会とはーー

<ABOUT FOGNATION>
本作品は冨士山アネットが制作した初の参加型作品[DANCE HOLE](その後本作のアイデアは長谷川寧が共同演 出した SCRAP リアル脱出ゲーム[アンドロイド工場からの脱出]にも用いられる)を更に押し進めたイマーシブ・ シアターとなります。 イマーシブ・シアターと呼ばれる、観客による体験型作品を基に、新たなパフォーマンスを提示する本プロジェクト。 参加者達は架空の国に集まり、そこでしか使えない通貨を持ってコミュニケーションを図って行きます。 本作品では集団創作により、「場」を作るプロジェクトである事を意識した作品になる。 参加者には用意された客席ではなく、霧で覆われた国(会場)に一人ずつ入っていき、其処では来場者は一人で 来た人も友人や恋人や家族と一緒に来た人も全てが切り離され、霧の中でひとりの国民として存在。やがてそ の国で起こる一つの事件をきっかけに、人は選択を迫られ、その国はそれぞれの主義に合わせて分かれる。
私達は再びひとつの国として再興する事ができるのか。
<過去作品トレイラー>
冨士山アネット[DANCE HOLE] https://www.youtube.com/watch?v=ZtD6fT-vXfk
SCRAP リアル脱出ゲーム[アンドロイド工場からの脱出]https://www.youtube.com/watch?v=QsmovUtZXrM
<上演に寄せて>
「國」と言う文字は、当時中国の皇帝が國という文字の中にある「或」という文字が、「惑 う」という意味に通じる事を嫌って変えた、と言われている。でも元々「国」なんてもの は人々が集うもので、人々が集えばそれは惑うものだと思っているし、だから世界各地で 内戦や分断が常に起こっている。そう、四角に覆われた中でみんな常に惑っている。 国なんてものはそもそも一つの土地を、此処からは別の国と線を引き、最初に分けたルー ルを遵守しているだけだと思うのだけれど、そこにより文化が生まれ、違いが生まれ、私 達に多様性が生まれた。 日本は島国で、隣国との境界は基本判り易い(そうでもないグレーゾーンも多々あるのだ けれど)。だけれどじゃあこれから先、分断は起きないと言えるのか? そんなおぼろげな、且つ何か確信めいた思いから、本作品を始めてみようと思います。 長谷川寧

< MAIN CREATOR>
今回の新作パフォーマンスの創作には、演劇・ダンスのみならず美術畑からの作り手と共に作品創作に挑む。 青年団リンク キュイ主宰、せんだい短編戯曲賞大賞受賞の綾門優季、冨士山アネットではパフォーマーとしてもドラ マトゥルグとしても作品を支えている石本華江、美術・パフォーマンス問わず様々な場所で活動するカルチュアル・ プロデューサーの富樫多紀、インスタレーションなどアーティストとして活動する長尾望など。これらに応募によっ て集まったサポートクルーを加え、新たなイマーシブ・シアター(没入型劇場)の創出をすることになる。
[長谷川 寧]
作家・演出家・振付家・パフォーマー。2003 年冨士山アネット設立。急な坂スタジオ・サポートアーティスト。 代表作として[Attack On Dance][DANCE HOLE][ENIAC]等。外部作品として、[光のない。](作:E・イ ェリネク ’11)[死刑執行中脱獄進行中](原作:荒木飛呂彦 ’15) 、[歌劇 BLACKJACK](原作:手塚治虫 ’15/16)、 [リアル脱出ゲーム アンドロイド工場からの脱出](SCRAP/共同演出 ’18)[白夜行 音楽劇](原作:東野圭吾 ’18) 等。振付家としてフジファブリック、bonobos、EGO-WRAPPIN’等ミュージシャンへの振付の他、映画[海月姫] TV[緊急生放送!山田孝之の元気が出るテレビ][恋のツキ][SoftBank CM]等多数参加。国内外問わず精力的 に活動中。
[綾門 優季]
1991 年生まれ、富山県出身。劇作家・演出家・青年団リンク キュイ主宰。青年団演出部。2011 年、キュイを旗揚 げ。2013 年、『止まらない子供たちが轢かれてゆく』で第 1 回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。2015 年、『不眠 普及』で第 3 回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。「坂あがり相談室 plus」2018 年度版!対象者として選出。急な坂 スタジオ WEB にて「余計なお世話です」連載中。
[石本 華江]
代々日本舞踊を嗜む一家に生まれるが、4 歳にてダンスを志望。02 年より和栗由紀夫の元で舞踏を学ぶ。ソロ舞踏作 品『半分少女』にてアジア、ヨーロッパ 8 カ国ツアーを行った。近年は土方巽の作舞法「舞踏譜」を現在に伝えるた めに研究会 POHRC を日英にて 6 カ年に渡り主催。Co.山田うん、レニ・バッソ、パパ・タラフマラ、冨士山アネッ ト、木ノ下歌舞伎の作品の他に、dreamthinkspeak(英)、ユーリ・ン(香港)、Amareya Theatre(ポーランド) など 海外カンパニーへの出演も多い。近年はドラマトゥルクとして、冨士山アネット5作品に参加。
富樫 多紀 カルチュアル・プロデューサー。シアターデザインの学びを軸に、多様な領域で幅広くインターディシプリナリーな イニシアティブにおけるプロジェクト・マネジメントを経験してきた。出会いを通して、様々な領域で人が変化して いく過程を作ることに関心を持っている。
長尾 望 アーティスト。日々の生活や事象の中からキャッチした事柄を、主にインスタレーションを通して再構築する取り組 みを行なっている。近年は樺太に生まれ第二次世界大戦後に北海道へ移住した祖父母の視点を通した歴史リサーチを 中心に、社会・政治的な事柄が個人へ及ぼす影響について考察し、写真や映像、立体などを用いた作品化を試みてい る。
サポートクルー:浅田麻衣 坂本慶介 さとうあい 志水琴音 永瀬安美 はらだまほ akari

【公演概要】
日程;2019年2月10日〜2月12日
2/10(日)15:00 18:00 21:00
2/11(月)11:00 15:00 20:30
2/12(火)11:00 14:30 17:30 ※各回限定 50 名。 ※日英訳有。
料金:一般/前売¥3000 当日¥3500 学生/前売当日¥2500(※要学生証)
※TPAM パスにて一般前売当日共各種 300 円引。
チケット/Ticket:12/18(火)0 時より予約可能
特設サイト→http://fujiyamanet.wix.com/fognation
会場/VENUE.:THE HALL YOKOHAMA 横浜市中区山下町 112-11 テックスクエア 2F
JR 石川町駅/みなとみらい線 横浜・中華街駅より各徒歩 5 分。